がん遺伝子パネル検査のご案内~患者さん個々にあった薬物療法のために~

がんは遺伝子の異常によって生じます

がんは遺伝子に生じた「異常」(構造変異:遺伝子の配列が変化すること、過剰発現:遺伝子産物であるタンパク質が過剰に発現していること、など)が原因で発生します。
近年、これら遺伝子の異常を標的として、その機能を制御する薬剤「分子標的薬剤」が次々と開発されています。これら薬剤は異常があるがんに対して効果がみられるため、個々の患者さんのがん細胞にどのような異常が生じているか調べる必要があります。
がん遺伝子パネル検査は、腫瘍検体から遺伝子を抽出して、がんに関連する数百の遺伝子を調べることで、個々の患者さんの遺伝子異常を同定し、治療に役立てようとする検査です。

資料 「がん遺伝子パネル検査」を検討する方にご理解いただきたいこと

当院で行っているがん遺伝子パネル検査について

当院で行っているがん遺伝子パネル検査には、保険診療と自由診療のものがあります。

保険診療

OncoGuideTMNCCオンコパネルシステム

この検査は保険診療で行うことができる検査で、対象は標準的治療が終了した、あるいは終了することが見込まれる患者さんになります。この検査を受けるためには、手術などにより採取された腫瘍検体と、正常検体を得るために採血検査が必要です。腫瘍検体と正常検体の遺伝子の配列を同時に比較することで、腫瘍細胞で起きた異常のみを検出することができます。解析対象の遺伝子数は114 遺伝子です。

FoundationOne CDx検査

この検査は保険診療で行うことができる検査で、対象は標準的治療が終了した、あるいは終了することが見込まれる患者さんになります。この検査を受けるためには、手術などで採取された腫瘍検体だけで検査が行われます。腫瘍検体のみを調べるため、腫瘍細胞の遺伝子の配列情報と正常細胞の遺伝子の配列情報が混在しています。解析対象の遺伝子数は324遺伝子です。

2つの検査ともに保険診療で行うことが可能で、3割負担の患者さんでは16万8千円です。
現在通院中の患者さんで検査をご希望される場合、現在の主治医の先生を介して腫瘍内科までお問い合わせください。

当院以外の医療機関に通院されている患者さんで検査をご希望される場合、現在の主治医の先生ともご相談の上、下記までお問い合わせください。
順天堂医院 03-3813-3111(大代表)から、がん治療センターまたは腫瘍内科まで

自由診療(自費診療)

MSK-IMPACT検査

この検査は自由診療で行われるため、特に制限なく検査を受けることができます(標準的な治療が終了していない患者さんでも受けることができます)。この検査はNCCオンコパネルシステムと同様に、腫瘍細胞の遺伝子の配列と正常細胞の遺伝子の配列を比較しますが、切除された検体の一部から正常細胞を取り出すので、原則採血検査はありません。解析対象の遺伝子数は468遺伝子です。本検査費用のお支払いには、「自由診療保険メディコム」(セコム損害保険株式会社)を利用する事ができます。

ガーダント360検査

この検査も自由診療で行われるため、特に制限なく検査を受けることができます(標準的な治療が終了していない患者さんでも受けることができます)。この検査は血液中に流れてくる腫瘍細胞由来DNAを解析するので、腫瘍検体は必要ありません。また腫瘍検体を採取したのちに分子標的治療薬などの薬物療法を受けると、新たな遺伝子異常が加わる可能性があるため、この検査では現在の患者さんの腫瘍細胞の遺伝子異常を調べることができる利点があります。解析対象の遺伝子数は73遺伝子です。

上記2つの自由診療の検査についてのお問い合わせは、下記までお願いします。
順天堂医院予約診察室 直通03-5802-1134 まで

4つのがん遺伝子パネル検査の特徴

  腫瘍
検体
採血
検査
解析対象
遺伝子数
結果返却
までの日数
費用
区分
金額
NCCオンコ
パネルシステム
必要 必要 114 3~5週間 保険
診療
168,000円
(3割負担)
FoundationOne 必要 不要 324 3~5週間 保険
診療
168,000円
(3割負担)
MSK-IMPACT
検査
必要 不要 468 6週間 自由
診療
615,780円
ガーダント360 不要 必要 73 10日間 自由
診療
440,000円
(税込)
285,180円
(税込、2回目以降の検査を受ける場合)

よくあるご質問

腫瘍検体がない(手術をしていない、生検をしていない)のですが、検査は受けられますか?
腫瘍検体がないあるいは腫瘍検体量がある基準より少ない場合は、ガーダント360検査以外は受けることができません。
遺伝的な体質を調べる目的でこの検査を受けることはできますか?
がんになりやすい体質であることが偶発的にわかることもありますが、遺伝的な体質を調べることを目的とした検査ではありませんので得られた結果は不十分です。
体質を調べることを目的として「がん遺伝子パネル検査」を受けることはできません。