部門概要 

  1. 人工膵臓を用いたインスリン感受性の評価
  2. 頸動脈超音波検査・脈波伝播速度法(PWV)・足関節上腕動脈血圧比(ABI)を用いた動脈硬化の評価
  3. 心電図R-R間隔変動係数(CVR-R)の測定による糖尿病(自律)神経障害の評価
  4. 甲状腺超音波(エコー)検査/甲状腺超音波(エコー)下穿刺吸引細胞診

業務の概要

1)人工膵臓を用いたインスリン感受性の評価

現在ベットサイド型人工膵臓を2台所有しています。
当施設では安定同位体を用い肝臓と骨格筋のインスリン感受性を個別に測定する方法を確立しており、糖尿病の病態を解明する最先端の研究へ応用しています。
人工膵臓

2)頸動脈超音波検査・脈波伝播速度法(PWV)・足関節上腕動脈血圧比(ABI)を用いた動脈硬化の評価

糖尿病の治療目標のひとつは、その合併症発症・進展の抑制にあります。なかでも心血管疾患の予防は極めて重要な課題です。
人工膵臓室では、頚動脈を超音波(エコー)にて描出し、血管内の内膜中膜複合体肥厚度(IMT)やプラークの有無を評価しています。
さらに脈波伝播速度や足関節上腕動脈血圧比も併せて測定することで、現在の動脈硬化の進展度を評価し、糖尿病患者さんの治療方針決定に役立てています。
人工膵臓室頸動脈超音波検査を用いた動脈硬化の定量評価

3)心電図R-R間隔変動係数(CVR-R)の測定による糖尿病(自律)神経障害の評価

慢性の高血糖持続による糖尿病神経障害は多様な症状をもたらし、QOLにも影響しうるためその評価は重要です。中でも心血管性自律神経障害は生命予後との関連が報告されているにもかかわらず、早期では無症候性であることが知られています。
われわれは心電図R-R間隔変動係数の測定により、症状の有無だけでは捉えられない神経障害の評価も行っています。

4)甲状腺超音波(エコー)検査/ 甲状腺超音波(エコー)下穿刺吸引細胞診

甲状腺は首の前側にある臓器で、ときに腫瘍が発症します。人工膵臓室では、通常の甲状腺エコーによる観察に加えて、甲状腺腫瘍の良性・悪性の診断のために甲状腺エコー下穿刺吸引細胞診を行っています。
病変部に注射針を穿刺し、細胞の一部を吸引します。得られた検体を用いて細胞診を行うことで、
診断・治療方針決定へつなげています。