アトピー性皮膚炎の治療法で重要なことは、症状に合わせて適切に保湿剤やステロイド、免疫抑制剤などの外用薬を選択し、適切な量を正しく塗ることです。まず外来でこれらの説明を行い、患者さん自身で塗っていただきますが、思ったような治療効果が得られない場合もあります。
当科では、アトピー性皮膚炎についての知識と理解を深め、今後の治療や普段の日常生活での注意点などを学んでいただく目的で、入院治療を行っています。
入院期間は2週間から4週間で、皮膚炎を抑制する作用のある紫外線療法を実施しながら、正しい外用方法、抗アレルギー剤の内服方法を学んでいただきます。紫外線療法は外来でも実施できますが、紫外線に対する反応は個人差があり、入院では治療前に紫外線に対する感受性テストを行えるため安全性がより高く、集中的に治療を行うことで、短期間で効果を得られます。また、病気の評価のための血液検査や、必要に応じてスキンケア用品のアレルギーテストなども行います。正しい治療方法の知識を身につけることで、症状が悪化した際の対応がスムーズになり、重症化の予防につながります。