「めんちょう (面疔) は怖い」というお話をお聞きになったことがあると思いますが、顔の中心部にできる「腫れもの」の中に、皮膚疾患とは異なる致死性正中肉芽腫 (lethal midline granuloma) という病気が隠れています。
しかし実際は、そのほとんどが「NK細胞リンパ腫」という悪性リンパ腫の一病型であることが分かってきました。悪性リンパ腫は白血球の一種であるリンパ球の腫瘍です。リンパ球にはB細胞、T細胞、NK細胞という種類がありますが、NK細胞由来のリンパ腫は非常に稀な疾患で、いまだ十分な治療法が開発されておりません。そこで現在当科の押味和夫教授を中心に、全国各地、さらには香港・韓国・台湾などの東アジアの国々の施設も含めて、治療法の開発が進んでいます。
血液内科 講師 磯部 泰司