塩分を過剰に摂取することは血圧上昇の大きな要因となりますので、塩分制限が治療の基本となります。
塩分摂取量は食事の内容や量に関係します。普段よく食べる食品や料理などの見直しをしてみましょう。
また、適切なエネルギー摂取で肥満の改善や予防を心がけることも必要です。

塩分を控える

国民健康・栄養調査報告によると平均塩分摂取量は1日10.2gですが、厚生労働省推奨食塩摂取目標量として、1日男性8g、女性7g以下としています。
高血圧症の場合は、1日6g未満を目標にします。
塩分摂取量を少なくするためには、以下のことに注意して食事を摂りましょう。
*漬物・佃煮・干物・練り製品・肉加工品(ハムやソーセージ)などは控えましょう。
汁物や麺類は、1日1杯までとして、麺つゆは飲まないようにしましょう。
 塩分を控える01
ラーメン1人前6~7g
汁を飲まないと4~5g減
 塩分を控える02
おでん1人前4~5g
練製品を食べないと2~3g減
 塩分を控える03
にぎり寿司1人前5~6g
付け醤油を減塩醤油にすることで、1.5~2g減
 塩分を控える04
天ぷら定食1人前4~5g
味噌汁を飲まないと1.5~2g減

適切なエネルギー摂取量

エネルギー摂取量は、年齢・性別・身体活動量・肥満度・血糖コントロール・合併症などを考慮し決定されます。一般的には、標準体重を求め、身体活動量に合わせてエネルギー摂取の適量を決定します。

ミネラルについて


野菜
カリウムはナトリウムを尿中に排出する働きがあり、新鮮な野菜、海草、果物などに多く含まれていますので、充分に摂るようにしましょう。ただし、果物は果糖も多く含んでおり、食べ過ぎによって血糖や中性脂肪が上昇したり、肥満を招く可能性がありますので注意が必要です。主に野菜、海藻類で多く摂ることをお勧めします。

また、カルシウムやマグネシウムの適量摂取は降圧効果があるといわれています。これらは日本人の多くが不足しがちなミネラルですので、カルシウムは乳製品(動物性脂肪を制限するため低脂肪のものが望ましい)などで、マグネシウムは精白度の低い穀物(胚芽米や胚芽パンなど)を摂る習慣をつけ、不足を補いましょう。

外食・市販弁当・惣菜の注意点

減塩
外食や市販品は一般的に味付けが濃いため、できるだけ頻度を少なくするようにしましょう。料理を選ぶ際は、たれや下味の強い物、加工食品(練り製品・ハムやソーセージ)を利用した物などを避け、麺類は汁を飲まないようにしましょう。また、しょうゆやソースはかけずに小皿に取り、少量をつけて食べるようにしたり、減塩の調味料を利用することもお勧めです。付け合せの漬物や佃煮は残すように心がけてください。
いずれにしても外食では塩分摂取量が過剰となりますので、家庭の味付けは常に薄味を心がけることが望まれます。

アルコールは節度ある適度な量を

食事
過剰摂取が高血圧に影響を及ぼすものとして、塩分のほかにアルコールが挙げられます。習慣飲酒や過剰摂取を避けましょう。
また、アルコールとともに食べるおつまみで、塩分が過剰になる上に、総エネルギーも過剰になり肥満を招く原因となります。いずれにしても飲みすぎは禁物です。
アルコールのエネルギー詳細
ビール中びん1本強(500ml) 200kcal
清酒1合(180ml) 196kcal
ワイングラス2杯(240ml) 175kcal
焼酎25度1合(150ml) 219kcal
ウイスキー・ブランデーダブル(60ml) 142kcal
アルコール