下半身

尿閉

「尿閉」とは主として男性に多い症状で、膀胱の中にある尿(おしっこ)を出すことができない、または出したいが出ない状態をいいます。
1日の尿量は年齢によっても異なりますが、成人の場合通常1000~1500mlが平均だといわれています。これは飲んだ飲み物の量や、汗の量によっても変わってきます。

【症状】

  • 尿の勢いが弱くなる。
  • 尿意はあるのに少ししか出ない、または尿のきれが悪い。
  • 尿がでない、尿がしたいという感覚があるのに出せない。
  • おなかがはってきて苦しい、熱いような痛みを感じる。

【症状を緩和する方法】

  • 尿をする時に手で下腹部を押しながら、尿をしてください。
  • 水が流れる音を聞きながら、尿をしてみましょう。

【受診の目安】

尿の勢いが弱くなってきたり、尿のきれが悪くなってきたら尿閉になる可能性があるので早めに受診をしてご相談下さい。
尿がしたくても出なく、おなかが張って苦しくなってきたら、すぐに受診してください。
 38度台の熱が続く場合は早めに受診しましょう。

【観察のポイント】

お腹、特に下腹がはってきていないか。
腰や背中の痛み、尿をするときのお腹の痛みが出現したときは、いつから痛み出したか、どのあたりが痛いのかを確認して受診時にお話しください。
尿が、濁ったり、血が混じっていないかも重要な観察ポイントです。

下痢

下痢とは健康時の便と比較して形状がなく水分を多く含んだ非常に緩いゲル(粥)状・もしくは液体状の便のことをいいます。
食べ過ぎや冷たいものの飲み過ぎ、寝冷えなどから起こる一過性のものと、病気の症状として起こるものがありますが、急性の下痢で発熱・嘔吐・激しい腹痛・血便・粘液の混じった便などを伴うときは、すぐに医師の診察を受けた方が良いでしょう。

【薬との関係】

急性下痢症有害物質を排除する自己防衛的生理現象でもあるのでむやみに下痢止めを飲む必要はありません。
便秘薬を飲んでいる場合一時的にやめるか減らすかしてみてください。
下痢と便秘を交互に繰り返す場合まず便通を整えることが大事です。

【症状を緩和する方法】

  • 腹部の圧迫を避けましょう。
  • 重いものを持つなどの、腹圧のかかる動作を避けましょう。
  • 無理に「いきむ」事も避けましょう。
  • マッサージしたり、下腹部を強く押したりすることも避けましょう。
  • 腹部を温めることは下痢を抑えるのに効果的です。入浴や腹巻・カイロを使ってもいいでしょう。

【食事】

  • 下痢が激しいときは一時的に食事をやめて、こまめに水分(スポーツドリンクなど)を取るようにしてください。下痢のときほど水分摂取は大切です。ただし刺激物(冷水・牛乳・紅茶・コーヒー・アルコール・市販のジュースや果汁)はやめましょう。
  • 消化の良いもの、食物繊維の少ないもの、栄養価の高いものを意識して食べましょう。

以上のことをされても下痢がおさまらないときは外来受診をお勧めします。

【救急受診の目安】

  • 激しい下痢(短時間に何度も水状の下痢をする)
  • 吐き気を伴う下痢(水分さえも取れない状態)
  • 血の混じった下痢・黒い下痢
  • 食中毒が疑われる場合の下痢(生もの・魚介類・きのこ)

【救急受診の目安】

下痢の程度と原因は様々ですが単に便の状態だけでなく、回数や嘔吐・腹痛など他の症状の有無・年齢・何日下痢が続いているかなども重要な情報になります。

血便

便に血液が混じっている状態をいいます。それに伴って、お腹の張り、めまい、冷や汗、手足の冷えがおきることがあります。

【原因】

食べ物の通り道である食道や胃・腸・肛門からの出血が考えられます。
出血している場所によって、黒色・赤黒い色・真っ赤な便と色が変わります。

【受診の目安】

便が黒色・赤黒い色・真っ赤な色をしているとき、またそうした便が続くときはできるだけ早く受診してください。
便が出た後に血液が肛門から垂れるような場合は、痔や肛門が切れている可能性があります。繰り返すようであれば治療が必要です。
いずれにしても受診して検査を受けておきましょう。

腹痛

腹痛はいろいろな病気、たとえば消化器系の病気、婦人科・泌尿器科・肺・心臓などの病気によっておこり、軽いものから非常に危険なものまで様々です。
食べ物による細菌やウイルスが原因でおこる腹痛や、体内に潜んでいる疾患によって引き起こされる腹痛もありますし、原因不明のものもあります。
痛みの性質として

  • 痛みの部位(上部、おへそのまわり、下部)
  • 痛みの長さ(時々、持続的)
  • 痛みの程度(差し込む痛み、鈍い痛み)

また、痛みとともに表れる随伴症状(吐き気、嘔吐、吐血、下血、発熱、下痢、便秘、下血)も診断上重要です。

【症状を緩和する方法】

  • 楽な体位をとって体をリラックスさせる
  • 腹部のマッサージをする
  • 腹部を温める
  • 水分(水、お茶、スポーツ飲料)を十分にとる

などが効果的ですが、マッサージや温罨法・経口摂取が危険な場合もありますので、少しでも普段と違う症状を感じたら自己判断せずに、専門医を受診した方がよいでしょう。

【受診の目安】

以下の症状がある場合は受診をしましょう。

  • 便の性状や色がいつもと違う
  • 海外渡航後下痢が続く
  • お腹がはって便がでない

腹部の痛みや違和感が長く続く場合には、出来るだけ早く受診することをお勧めします。

【観察ポイント】

  • いつから続く痛みなのか
  • どの部位が痛むのか
  • どんな痛み(チクチク、しぶり腹など)なのか
  • 便の性状・回数はどうなのか
  • 1~2週間以内に海外渡航歴があるか

便秘

排便回数が3日に1回未満、または週2回未満の状態や、便が硬く、排泄時に苦痛をともなうような場合をさします。

【原因】

  • 腸の運動が低下したり、ストレスなどにより腸の動きがスムーズでなくなった場合
  • 排便を我慢する習慣から、排便の反射が低下してしまった場合
  • 腸のなかに腫瘍があったり、腸が狭くなっている場合

などがあります。
または、腸以外の病気によって便秘になったり、その病気の治療に使われる薬によって便秘になることもあります。

【症状を緩和する方法】

・食事療法食物繊維の摂取(1日20~25g)
十分な水分摂取
適度な油脂類の摂取
・運動療法 
・お腹をあたためる 
・排便習慣を身に付ける排便がなくても、毎日一定の時間にトイレに座る
・「の」の字マッサージお腹にひらがなの「の」を描くようにマッサージする
・下剤の使用 

【受診の目安】

吐き気、嘔吐がある場合、強い腹痛がある場合は、早急に受診してください。
便が細かったり、排便時に出血する場合なども、早めの受診をお勧めします。
また、下剤の調整が上手く行かない場合もぜひご相談ください。下剤の形状、利目の強さには様々なものがありますので、症状やご希望にあわせて選択が可能です。

ぎっくり腰

重い物を持ち上げた時や急に体幹をねじった時など、なにげない動作により突然腰部に発症する激痛をいいます。
原則的には筋肉に由来する痛みを指しますが、腰椎椎間板ヘルニアが原因であったり、ご高齢の方の場合には、腰椎や胸椎の圧迫骨折が生じていることもありますので、注意が必要です。

【痛みを緩和する方法】

横になって安静にしていることが一番です。
市販の湿布剤や鎮痛剤を使用しても良いでしょう

【受診の目安】

2 、3日自宅で安静にしていても痛みが続くようであれば受診することをお勧めします。
下肢のしびれや動きにくさなどを伴っている場合や動いた時だけでなくじっとしていても痛い場合には、他の原因も考えられますので早めに受診をしてください。

【ぎっくり腰を予防する方法】

普段から腰のまわりの筋肉を鍛えることも大切です。腰痛が軽減したら開始してください。仰向けで腰をリラックスさせる運動、腰をひねる運動、腹筋をきたえる運動などが効果的です。また、日頃重い物を持ち上げる時は、腰に負担をかけないように、膝を曲げて体の重心を下げた姿勢から持ち上げるよう心がけましょう。

血尿

血尿には

  • 肉眼的血尿(目で確認できる血尿)
  • 顕微鏡的血尿(顕微鏡でしか確認できない血尿)

の2種類があり、学校や職場の検診で尿の異常を指摘される場合もあります。
基本的には無症状ですが、症状があるとしたら腰の痛み・排尿時の痛み・発熱などがあります。

【原因】

腎臓や尿路系に異常があって起こる場合と、全身性の疾患によって起こる場合があります。
 その他、腰部打撲などの外傷を受けたときや、月経血の混入によってもみられることがあります。

【対策】

尿管結石・膀胱炎などでは痛みを伴い、鎮痛剤の使用が必要となりますが、まずは受診して医師の診断を受けてください。
その際、診断に応じた日常生活上の注意事項について説明を受けておきましょう。

【受診の目安】

検診で指摘を受けた場合や、排尿時に目で見て"尿が赤い"と思ったとき、できるだけ早く受診することをお勧めします。
受診時には、いつ頃から血尿が出ているか・血尿以外に症状はないかを医師に伝えましょう。
会社等の検診結果をお持ちの方は、受診時にデータを持参してください。

不正性器出血

主に膣や子宮からの生理的ではない出血を不正性器出血といいます。閉経期以降の不正出血、閉経前から閉経にいたる時期に女性ホルモンのバランスがくずれて起こる不正出血、産婦人科で処置を受けた後に一時的におこる不正出血などいろいろですが、重大な産婦人科の病気を早期に発見する手がかりになることが多々あります。

【不正性器出血の原因】

  • 妊娠可能な年齢で月経が遅れている場合は、流産などの異常妊娠
  • 子宮体がんや子宮頸がんなどの悪性腫瘍
  • 閉経後の女性ホルモンの欠落によって生じる萎縮性腟炎

【症状を緩和する方法】

不正出血の症状を緩和する方法はありません。原因を突き止め、それに対する治療が必要です。

【受診の目安】

20代の女性であれば妊娠によるものが最も多く、閉経後の不正出血は子宮がんの初期症状であることが多いと言われています。いずれにしても、自己判断に頼らず早めに産婦人科受診をお勧めいたします。

【観察のポイント】

受診時には、いつから不正出血が続いているのか、妊娠の可能性があるか、過去に婦人科がん検診を受けたことがあるかなどを医師に伝えましょう。