理学療法

理学療法とは

疾病の発症・増悪、受傷、手術後などにより、運動しづらくなった患者さんに対し、身体の柔軟性・可動性、筋力、持久力の改善を図り、低下した動作能力や移動能力の改善を目指して動作練習、歩行練習等を行います。実際の生活場面で必要な動作・移動が行えるよう、入院中のベッド周囲や退院先の家屋の環境設定も検討しています。また退院後の機能改善と維持を目標として、患者さん・ご家族にホームプログラムや介助方法をお伝えしています。理学療法士は疾患に応じて5つのチームに分かれ、個々の患者さんに合わせた理学療法を提供しています。

神経チーム

  1. 対象疾患
    脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍、水頭症、クモ膜下出血、硬膜下血腫、多発性硬化症、視神経脳脊髄炎、パーキンソン病、多系統萎縮症、進行性核上性麻痺、前頭側頭型認知症、脊髄小脳変性症、クロイツフェルトヤコブ病、ギランバレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、重症筋無力症、癲癇、脳炎、筋萎縮性側索硬化症など。
  2. 内容
    術後もしくは急性期発症後の患者さんにおいては、リスク管理を行いつつ積極的に急性期理学療法を実践しています。早期離床を促進し、二次合併症の予防を図りつつ、退院を目指せる場合であれば日常生活自立を目指して取り組んでいます。神経難病症例においては、各病期に合わせた理学療法を提供し、在宅生活を見据えた動作指導と環境設定、また自宅で継続して行える運動指導も実践しています。また、医師や看護師とのカンファレンスを密に行い、最適なリハビリテーション目標と治療について検討しています。

心臓チーム

  1. 対象疾患
    慢性心不全、虚血性心疾患、弁膜症・心筋症・胸部大動脈瘤・腹部大動脈瘤などの心大血管術後、下肢閉塞性動脈硬化症、肺塞栓など。
  2. 内容
    心臓血管外科および循環器内科の症例に対し、リスク管理を行いながら運動強度を設定し、早期離床を図っています。一日でも早く日常生活を自立できるように、病棟看護師と協力して歩行練習・日常生活動作練習を進めています。また退院後の悪化や再入院を防ぐため、退院後の生活を見据えた積極的な運動指導、生活指導を実施しております。必要に応じて、健康スポーツ室と連携して外来心臓リハビリテーションを提供しています。

運動器・内部疾患チーム

  1. 対象疾患
    前十字靭帯損傷、変形性股関節症、変形性膝関節症、変形性脊椎症、腰椎ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、椎体圧迫骨折、大腿骨頚部骨折、肩腱板損傷などの術後。呼吸器疾患、膠原病、慢性疼痛疾患など。
  2. 内容
    スポーツ外傷や転倒に伴う骨折、変形性関節症等に対する外科的手術後の急性期理学療法を、リスク管理を行いながら実践しています。スポーツ外傷の再発防止、転倒再発防止、日常生活動作の自立を目的として、病棟看護師および医師とともに退院後の生活指導と運動指導も行っています。呼吸器疾患、膠原病、慢性疼痛疾患の患者さんに対して、リスクを評価しながら運動強度を設定し、運動指導と生活指導を行っています。

小児チーム

  1. 対象疾患
    脳性麻痺、精神運動発達遅滞、染色体異常、二分脊椎、低出生体重児、呼吸障害、先天性横隔膜ヘルニアや先天性食道閉鎖症などの外科術後、先天性心疾患術後、脳腫瘍など脳神経外術後、白血病などの治療患児など。
  2. 内容
    お子さんの身体機能と発達時期(新生児期、乳児期、幼児期、学童期、青年期)に合わせて、運動発達の促進、機能獲得を目指して理学療法を実践しています。お子さんの移動機能、日常生活動作機能、コミュニケーション機能を評価し、目標とする機能をご家族と設定しながら理学療法を進めています。お子さん1人1人の成長・家庭環境に合わせた家族指導も行っています。また医師とともに補装具の必要性や適応を検討し、日常生活での効果的な使用を援助しています。

がんチーム

  1. 対象疾患
    肺がん、乳がん、婦人科がん、消化器がん、前立腺がん、皮膚がん、造血器がん、頭頸部がん、脳腫瘍、脊髄腫瘍、骨軟部腫瘍、骨転移など。 小児から成人まで全年齢の患者さんを対象とし、がんに対する治療開始期から末期がん・緩和ケアまで、治療と並行してリハビリテーションを実践しています。
  2. 内容
    がんの治療を受ける患者さんに対して、移動機能・日常生活動作機能・生活の質(QOL)を維持・回復することを目標として、病期・治療に合わせて予防的・回復的・維持的・緩和的リハビリテーションを実践しています。当室の理学療法士31名は、がんのリハビリテーション研修会の受講を修了しており、医師・看護師等との多職種カンファレンスに積極的に参加しています。家庭復帰、社会復帰に向けた支援において、安全な動作方法や移動手段を患者さん・ご家族とともに検討し、練習することが我々の役割と考えています。
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