センターについて

概要

静岡災害医学研究センターは、文部科学省の私立大学戦略的研究基盤形成支援事業 として、平成27年6月18日に採択され、開設いたしました。
静岡災害医学研究センターでは、東海地震発生が予測されている伊豆半島において、災害時の指揮命令・統制(Command&Control)、安全(Safety)、意思疎通・情報収集・伝達(Communication)、評価方法(Assessment)、トリアージ(Triage)、治療(Treatment)、搬送(Transport)、いわゆるCSCATTTの確立に関する臨床目線からのマクロ研究と、平時における災害準備として、行政・地域住民・関係機関と一体となり行う災害教育・訓練を主たる研究分野として、大規模災害に対応する包括的医療提供体制構築を目指しています。

センター長あいさつ


センター長 佐藤 浩一

(順天堂大学医学部附属静岡病院 院長)

静岡県は、南海トラフ巨大地震や津波、富士山噴火等の自然災害による甚大な被害が想定されている地域です。静岡県東部に位置する順天堂大学医学部附属静岡病院は、ドクターヘリを有する災害拠点病院であり、災害時には中心的な機能を発揮することが期待されています。

静岡災害医学研究センターは、その順天堂大学医学部附属静岡病院の敷地内にあり、災害要因と臨床医学との密接な関係を以って、研究できる環境にあります。
大規模災害を想定して、救急医療の近県も含めた連携体制、および、地域の医療/福祉関係機関との連携体制を、日頃からのコミュニケーションと訓練を重ねて構築・持続させ、被害状況の迅速な情報共有、緊急時にも冷静に対応できる体制、さらには医療設備・環境の整備まで視野に入れて、研究活動を推進しております。

また、現代の災害とは、いわゆる自然災害はもとより、人的要因の環境破壊による、気候環境の変動や野生動植物の異常出現、さらには新型ウイルスの蔓延など、さまざまな事象を重ね合わせなくてはならないと考えます。
これら災害は、人体に激しいストレス暴露を侵し、病気を発症したり、後天的に影響を及ぼしたりすることが大いにあります。
このように広義な面からも災害と臨床を結び付けた研究活動に取り組み、ますます、当研究センターの発展に繋げていけたらと考えています。

研究成果を教育・啓発として地域社会に還元すること、優秀な若手研究者・教育者・医師・看護師を養成・確保すること、災害に対応できる安心な暮らしに貢献しつつ、当研究センターが、日本における災害医学研究の中心的存在になれるよう、継続して取り組んでまいります。

連携体制


 
当研究センターは、2015年(平成27年)6月に、文部科学省「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」として採択を受け開設してから5年間の活動として、開設経緯のページにあるように、研究テーマを掲げて、開設時に設定した研究課題に基づき、研究を推進してまいりました。
2020年(令和2年)4月からは、設立時に掲げた研究課題も継続した上に、さらに、順天堂大学における大規模災害に対応する包括的医療提供体制の構築に関する研究活動の一層の発展を図ることを目的に掲げ、3研究室にて研究活動を遂行しております。

  1. 災害医学研究室(室長:センター長佐藤浩一、外科教授)
  2. 防災システム研究室(室長:副センター長柳川洋一、救急診療科教授)
  3. 災害医学疾患モデル研究室(室長:土至田宏、眼科先任准教授)