順天堂大学スポーツ健康科学部/大学院スポーツ健康科学研究科
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スポーツ健康科学部 水野基樹 硬式野球部長からのメッセージ

2020.5.31

スポーツ健康科学部 水野基樹 硬式野球部長からのメッセージ

「人生の節目となる瞬間は、自分でそれと分からない」
 
COVID-19(新型コロナウイルス)の感染拡大の影響から、インターハイや選抜高等学校野球大会(春の甲子園)に続き、全国高等学校野球選手権(夏の甲子園)も中止となった。全国の高校生アスリートは最後の大会に参加できず、どんなに悔しい想いをしているのか、心中察するに余りある。大学野球においても、8月に延期予定されていた全日本野球選手権が大会史上初めての中止となった。ただ、大学野球は春季リーグ戦が中止になったものの、秋季リーグ戦は各リーグ(順天堂大学は東都大学野球連盟に加盟)が開催の方向で動いている。同様に、多くの大学競技団体も7月以降の再開を目指しているようである。
 
みなさんにとって、COVID-19の影響は極めて甚大であろう。とりわけ、これまで一生懸命(一心不乱)に競技活動に打ち込んできた選手は、生活のリズムやパターンが一変したに違いない。しかし、これまでの競技活動を振り返ると、ともすれば日々の練習に義務的に参加しがちになることもあったのではあるまいか。人間のモチベーション(競技への意欲)を常に高いレベルで維持するのは困難を極める。今回の自粛期間は、改めて自分自身の競技生活について考える良い機会となったと同時に、競技の魅力を再発見し、さらに好きになる契機となればと願っている。野球でいえば、全体練習が再開されたら、これまで当たり前のように(ルーティンとして)仲間と一緒に行っていたキャッチボールが、こんなにも楽しく愛おしいものかと実感するであろう。忘れかけていた野球への愛情や情熱を呼び戻す機会になったと思いたい。COVID-19が完全に終息したら、グランドを走り回って、思う存分に大好きな野球に打ち込んでもらいたい。ほかの部活のみなさんも、グランドや体育館で縦横無尽に駆け回ることを願っている。
 
野球(MLB)を題材にしたアメリカのハリウッド映画『フィールド・オブ・ドリームス』において、主演のケビン・コスナーによる以下のセリフは象徴的である。
「人生の節目となる瞬間は、自分でそれと分からない。(At the time, you don't think about it. We don't recognize the most significant moments in our lives when they happen.)」
みなさんは気付いていないかもしれないが、今回のCOVID-19の経験によって得たものは、必ずやみなさんの人生の糧(成長へのバネ)になっているはずである。これこそがキャリア論における「一皮むける経験」である。数年後、今回のCOVID-19を振り返ったときに、「あのときの数か月間が自分の競技生活や人生において、とても有益な時間だった」と思えるはずである。まさに今がみなさんにとっての「人生の節目」であるに違いない。
元プロ野球選手のイチローは、「小さいことを積み重ねる事が、 とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っている。苦しみを背負いながら、毎日小さなことを積み重ねて、記録を達成した。苦しいけれど、同時にドキドキ、ワクワクしながら挑戦することが、勝負の世界の醍醐味だ」と述べている。COVID-19が完全に終息するまで、あともう少しだけ頑張ろう。小さなことをコツコツと。
 
最後に、夢に向かって頑張っているみなさんに、私の大好きなMr.Childrenの「星になれたら」という楽曲(1992年)の歌詞を紹介したい。
「長く助走をとったほうが より遠くに飛べるって聞いた
そのうちきっと 大きな声で 笑える日が来るはず
動き出した僕の夢 深い谷越えて 虹になれたらいいな」
いまみなさんが頑張っていることは、決して無駄ではなく、将来もっと成長するための助走期間である。そう思えば、辛くて苦しい時期も乗り越えられる。助走期間にこそ、高い志や夢を持って、地道に努力を続けていれば、そのうち大きな声で笑える日が来ると信じている。
 
硬式野球部 部長
水野基樹

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