順天堂大学スポーツ健康科学部/大学院スポーツ健康科学研究科
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会報誌24号 さくら会×順天堂大学座談会 HP掲載版をアップしました

2022.10.27 キャンパス だより

会報誌24号 さくら会×順天堂大学座談会 HP掲載版をアップしました

さくら会✕順天堂大学 座談会
ー2022年9月18日 3号館7Fラーニングコモンズにて開催ー

9月18日に行われた保護者懇談会で、さくら会役員の各学年代表者と、スポーツ健康科学部の和氣秀文学部長、廣瀬伸良学生部長が座談会を開催しました。役員の方々から大学の将来像や疑問点などについて質問をいただき、和氣学部長、廣瀬学生部長が回答する形で行いました。さくら会の会報誌でも一部をご紹介しましたが、より詳しい内容を掲載します。
 

パネリスト(敬称略)
☆さくら会 堀川和敏(1年)、島崎麻衣子(2年)、松岡健(3年)、落合秀文(4年) 
☆順天堂大学 和氣秀文(学部長)、廣瀬伸良(学生部長)
 
◆グローバル化の推進◆
堀川:選手、トレーナー、監督がこれからどんどん海外に出ていく中で、順天堂大学もグローバル化が必要になってくるかと思います。海外の大学との連携についてはどう考えていますか。
 
和氣: グローバル化は大学全体で力を入れていて、それを受けて国際教養学部が立ち上がった経緯があります。スポーツ健康科学部でもどんどん海外に行って活躍したいという学生さんも増えています。本学部もグローバル化には今後力を入れていく必要があると痛感しています。
まずは外国人の学生がどんどんキャンパスに来てくれることが、グローバル化につながる第一のステップだと考えています。海外に行くのも大事ですが、常日頃から外国人が身の回りにいる環境を整えるのが重要になります。学部は日本語で授業をしており、海外からたくさん迎え入れるのはハードルが高いので、大学院の方で積極的に外国人を迎えたい気持ちがあります。実はこれまでは大学院の入学試験で外国人に対しても日本語の試験を課していましたが、これを無くし、英語だけでOKの入試に変えました。また、授業についても必要な単位分は、英語でも対応できるように来年度から体制が変わります。
海外への留学では、コロナ禍以前は、語学留学として米・コロラド大学に行っていました。それを再開させたいと思います。国際教養学部ではフィリピンのセブ島に1カ月語学研修に行っています。コロラド大に比べてコストも抑えられるので、そういったところも利用しながら海外にいけるチャンスを増やしていきたいです。
また、協定校では、大学全体としては欧米諸国を含めてたくさんあり、スポーツ健康科学部では北京体育大学、韓国は漢陽大学、タイのカセサート大と協定を結んでいます。カセサート大学とは今年度から学生間の交流を再開しています。ただ(本学部では)欧米の大学との提携が進んでいませんので、複数の大学と協定を結んで、学生が積極的に交流できるような環境を整えていきたいです。
 
廣瀬:運動部関係としては、長い歴史の中で数はそんなに多くはないですが、海外から高いレベルで一緒に練習をやりたいという人を受け入れてきています。私が指導している柔道を例にすると、アフリカ・タンザニアのナショナルチームが一カ月程度、酒々井町に滞在しながら、合同で練習することを過去に4回ほど実施しています。
実施のたびにハードルになっているのは彼らの生活環境と金銭面です。大学・学部には報告して実施していますが、こうした受け入れは大学が主となり動いているわけではありません。大学交流などの1カ月程度の受け入れの場合は、啓心寮のプレハブの部屋を提供するなどして生活していただいていますが、クラブ単位の受け入れでは、本学の学生と一緒にアパートで共同生活したり、酒々井の安い物件を借り切ったりしています。今後の課題は大学としてどのような環境を用意できるかだと思います。
 
◆新型コロナウイルス禍の交流◆
島崎:コロナ禍の影響もありますが、昨今若い人のコミュニケーション能力が低下していると感じています。社会に出ると、いきなりいろんな年代の方と接する機会が増えます。それがストレスになり、仕事が続かず、すぐに退職してしまう若い人が増えているようです。順天堂大学にお世話になるからには、そういう社会人にはなってほしくないと思います。(コロナ禍で)文化祭などでの交流の機会が少なくなっている中、ボランティア活動や授業の一環として学生が人と関われるようなことを実施するお考えはありますでしょうか。
 
和氣:コロナ禍で確かに対外的な活動は自粛しているところがあり、できるだけコロナ前の状況に早く戻したいと考えています。本学部でいうと寮祭がかなり人と関わりが深くなるイベントで、今、学生課が中心となって検討しているところです(※11月12、13日に開催予定)。本学部にはインターシップ制度があり、インターシップでも授業の単位が取れるようになっています。そういう場で社会人になる前に対人関係について学んでいただきたいと思っています。
 
落合:現在の4年生は裸祭りや寮祭など学年全体で一つになれるイベントが多くありました。学年全体での取り組みはすごく大事なことだと思っています。今、コロナ禍でイベントが非常に少なくなっています。どうせオンラインでやるなら、順風祭と医療看護学部の「順華祭」等を一緒にやったらどうでしょう。他大学では別のキャンパスの学園祭を一緒にやろうとしています。また、いつもスポーツで切磋琢磨している他大学の方をゲストで呼んで盛り上げるのもいいと思います。なかなか学生が主導でできるものでもないので、大学がご支援いただけるといいのではないでしょうか。
 
廣瀬
:コロナ明けの将来のことを考え、より学生のコミュニケーションの場を設けるという観点からはそういうことは取り入れていきたいと考えています。現状の話をしますと、「寮祭」「順風祭」があります。これらは順天堂の大学の歴史の中で特殊な成り立ちをしています。寮祭は寮に残った2年生が中心となって入学した1年生とコミュニケーションを深めるために行い、すごく盛り上がります。文化祭にあたる順風祭は極めて学術的でゼミ発表等を行っています。他の大学の文化祭とは趣を異にしています。
スポーツ健康科学部は日頃からスポーツ活動を熱心に行っており、自治会もあるにはありますが、自分たちで何かやりたいという声がなかなか挙がらない風潮がありました。「何かやらないか」と言ってみても「試合がありますから」という感じです。1学年600人になり、大学もそういうところのあり方、考え方を変えていく必要があるかもしれません。他大学や地域と連携というのも将来的に実現したいですが、まずはキャンパス内で中心となる学生の育成と熟成。これらの活動にエネルギーを燃やしてくれるような学生が出てきて、大学と一緒になって酒々井町や印西市に働きかけていければと思います。
 

落合:裸祭りも住民から反対が少し出たと聞いたことがあります。ボランティアでひと月1回、ゴミ拾いを行うなどすれば、住民の方の気持ちも変わると思います。自治会がリードしていくというか、学校がリードしていってほしいです。最初は「かったるいからやりたくないよ」という感じだと思うので、どうしてこういうことを行わないといけないかという理由、動機付けをきちんと学校の方で指導していただければ、もっともっと大学はよくなると思います。
 
廣瀬:そうですね。今の学生の気質からすると大学側からのそういう姿勢も大事かもしれません。古い話になりますが、習志野にキャンパスがあったときの寮祭は、キャンパスのすぐ近くに大久保商店街があって、商店街と学生がともに支え合いながら生活が成り立っていました。商店街も学生を応援してくれて、学生も商店街に出ていって大いに青春を謳歌していました。ただ現在の酒々井町は閑静な住宅街なのですよね。そこに学生が入り込んでいっている現状があります。学生がたくさん入り込むとやはり様々なことが街のなかで起こります。住宅街におられる方々は学生のネガティブの部分ばかりが目についているのが現状かもしれません。我々も学生とともに見直していく時にきているのではないかと思います。習志野でやっていたことを酒々井に持ち込むのではなく、落合さんに言っていただいたように、学生のほうから街中に入って行って掃除を行うなどの姿勢が必要かもしれません。寮の方では酒々井駅から(キャンパスまでの)通路のごみ拾いは行っていますが、ほとんど人が住んでいない場所なので、酒々井の街の人があまり見てくれていないようにも思います。もっと街中に入り込んでいって順天堂学生の存在をアピールしたりすることも大事かもしれません。
今年の順風祭は、コロナの方も少しずつハードルが下がってきているので、本学部の学生に関してはキャンパスで対面開催できるような状況を作りたいと思います。最低限のことを守りながら行っていこうということです。11月の後半ぐらいを予定しています(※11月26、27日に開催予定)。さくら会から提案いただいた観劇も、さくら会からの催しものということで学内にて実施できるように進めています。学生が自分の行っているスポーツばかり、というところから、いろんな意味で文化的な幅を広げられるよう行っていきたいと考えています。
 
◆教職希望者の現状◆
松岡:私はさくらキャンパス1期生で、親子ともどもお世話になっています。今、東京都の中学校で教員をしていますが、私が入学した34、35年前は、ほぼほぼ体育の教員になると思って皆入ってきた時代でした。当時の教員採用試験の倍率は高く、やむをえず民間企業に流れたりしていました。昨今では採用試験の倍率も低く、教職課程を初めからとらないという生徒も増えてきていると聞いています。現状はどんな感じでしょうか。
 
和氣:今の1、2年生は各600人いますが、教職の免許を取ろうという学生が400人ぐらいです。企業に就職したいという人も多くなっています。私も順大出身で、私たちのときは全員が教職とる印象でしたが、はじめから教職を目指さない方、あと運動部も所属しない学生さんも増えてきました。
 
松岡:私は今、日野市の中学校で校長をしています。私の(大学時代の学年の)前後あたりで教職にこだわって採用試験に合格し、保健体育の教員を勤めた者が何人も東京で校長や副校長をしています。私もそういう仲間に支えられて管理職、校長職をしています。これからも順天堂大学から東京都に次の教育界を担ってくれる人を送り込んでいただけたらと思います。
 
廣瀬:(本学部は)教職が核というのはこれからも変わらないと思いますが、スポーツに関わる職種の考え方が広くなってきたという状況があります。おそらく、本学部にスポーツマネジメント学科ができたような時代、非常に経済状況がよくて一般企業への就職が増えたときから、スポーツを行いながら、あるいはスポーツを通してそういうところに進んでいきたいという学生も増えたように思います。一昔前まではスポーツ関係の進路だと、中学、高校の先生になって部活動で指導したいという人が多かったですが、今はスポーツをやりながら企業に進んだり、公務員になったり、役場にいながらスポーツ行政にかかわったり、学生の考えも非常に幅広くなってきています。
 
島崎:息子は体育の教員になりたくて入学しましたが、教員になること自体を悩んでいます。〝ブラック〟というのが子供の耳にも入ってきているらしいです。ブラックというのは子供同士の中での話か教員の方々からの情報なのか…。その点をお聞きできればと思います。

和氣:教員から教職がブラックという話は一切出てないと思います。そのあたりは心配しなくてもよろしいかと思います。学内よりも世間一般的にそういう考え方があるので、そちらで心配されているのかなと思います。
 
島崎:大学でそんなことはない(ブラックではない)というようなお話や、サポートをしていただけていますか。
 
廣瀬:教職の講座等を開いています。そこでしっかりアナウンスしているのは、教員の本質って何か、教職を目指す人が一番大事にすることは何かということです。まだ最終結果は出ていませんが、(教職採用試験の)一時試験の合格者は非常に多くなっています。いろんなことで不安になることはあると思いますが、是非ともお母さんの方も後押ししていただければと思います。
 
松岡:特に保健体育の教員は自分の専門とする部活動の指導をしたくて教員になっている人がほとんどです。放課後とか土日に時間をさかれてもあまり話題にされていませんでした。ただ自分の専門でない部活を担当したくなかったり、部活そのものをしたくなかったりする教員がいるのも当然で、そこのバランスがうまくとれていないことがあります。育児や親の介護の時期に、部活動や放課後の生徒指導、事務処理などが重なると、どうしたらいいのか、となってしまい、「ブラック」と言われるようになったのかと思います。
今、各学校や自治体で対策はしています。うちの学校は水曜日の部活動を入れません。先生方も5時ぐらいに帰るようになっています。それぞれの学校の管理職の意向も大きいかなと最近は感じています。
 
和氣:本学にも、地域の市町村から部活動の指導をしてくださいと依頼がきています。教員を目指している学生の授業の一環として、単位に置き換えられたらいいかなと考えています。実際に教員になる前にそういう経験を積むことで、教員は夢がある仕事でブラックではないんだよとうまく授業の中で伝えられたらと思います。
 

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