順天堂大学は、医学部、スポーツ健康科学部、医療看護学部、保健看護学部、国際教養学部、保健医療学部、医療科学部からなる本邦唯一の「健康総合大学」として、学是を「仁」、理念を「不断前進」と定めて人間の健康維持・増進・回復に寄与できる人材の育成を使命としています。
スポーツ健康科学部においては、保健体育科教諭、特別支援学校教諭、養護教諭、小学校教諭、スポーツビジネス(関連企業)、健康支援づくり関連の企業等に進路を志す学生諸君に対して教育を行います。そして、ひとり一人の夢の実現のために、また好きな学問やスポーツと一生つきあっていけるよう講義・実習・カリキュラムの充実はもちろんのこと、「全人教育」にも力を注いでいます。すべての学びは、みなさんの未来を創造する力になるものです。
学生の目標、目的達成のために丁寧な指導を在学中に行います。教職志望者に対しては、全学をあげての支援体制を整え教職の順天堂をアピールしています。
健康総合大学にふさわしい教育・研究システムとして、医学部、医療看護学部、保健看護学部、国際教養学部、保健医療学部、医療科学部との連携による学術的な取り組みを展開し、スポーツを科学的な視野で探求するために不可欠な医学・科学系の知識を身につけます。また、テーマである“健康の追求”を核とし、新たな時代の職業ニーズに対応できる幅広い見識を備えた、社会性・創造性豊かな人材を育むことに取り組んでいます。
このような教育環境を維持し発展させるために教育に関する次のようなミッションを学生と教職員に公示しています。
1)自己の確立
本学部は「スポーツと健康」を取り巻くさまざまな学問領域に対応しています。学生はそれぞれが理想とする目標に合わせて学びの領域を選ぶことができます。そこで大切なのは、本学の学問は「実践の学問」であり、大学で学んだことを社会でいかに活用するかを常に念頭において学んで欲しいのです。そして、本学が提供する学問を活用できる「自己」を確立してください。そうすれば、スポーツ選手のセカンドキャリアが叫ばれる中、自分の好きなスポーツや学問と一生つき合っていける道をきっと見つけることができるはずです。
2)仁・不断前進
人に一番必要なもの。それは、自分のことばかりではなく、他人の立場になって考えること。人在りて我在り、他を思いやり、慈しむ心。これ即ち「仁」。
順天堂は、1838(天保9)年に日本最古の西洋医学塾としてスタートしました。その設立当時から現在に至るまでの180有余年、順天堂に集う者たちはすべて、この「仁」の心をもって、日々学問にスポーツに取り組んでいます。そして、順天堂の理念として「不断前進」を掲げています。これは、現状に満足せず、常に高い目標をもって、創造的な前進を怠らず改革を続けていくということです。
3)使命
「仁」を学是、「不断前進」を理念として、スポーツ健康科学部では、「医療」「スポーツ・健康」「介護・福祉」という“人”を対象にした学問を通して、人間性を調和的、包括(総合)的に培う「全人教育」をめざしています。専門分野の学問を究めるにはもちろん、専門的な知識と技術は必要です。しかし、知識と技術それだけに偏っていては、本学が目標とする“人”を学んだことにはなりません。常に「人に一番必要なものは?」を問い続け、一般教養・教育のさらなる充実を図っていきます。それが、「健康総合大学」としてのわたしたちの使命だと考えています。
4)学生寮
入学後1年間、医学を志す医学部学生と共に寮生活で寝食を共にしながらそれぞれの志と、その進路を尊重し将来の夢を語り合い、学園生活を送ることで、他人を思いやる心、責任感、協調性など、社会に出てから求められる“人間性”を培います。
本学部の目標は「全人教育」ですが、本学部をめざす人には、次に掲げることを是非体得してください。
“誠実であろう” 誠実とは、人や事に誠をつくし、まごころをもって接することです。虚飾をとりさり、自分のありのままの心をもって、ひとすじに人や事に対してゆけば、人は自ら磨かれて向上するのであります。
“礼節を守ろう” 礼節とは、礼儀と節度のことです。礼儀は、人を敬う気持ちを表す作法です。いかに敬う気持ちがあっても、それをあらわす仕方を知らず、またそれを実行しなければ、礼儀にかなうことはできません。それと反対に、外形的な作法がいかに整っていても、敬いの心が伴っていかなければ、それは正しい礼儀とは言えません。
“自主性をもとう” 自分の意見を自由に主張し、実現する自主性は、何事によらず大切です。研究者の自主性が尊重されなければ、学問は発展しません。また、自主的でありたいと願っても周囲との協調性や妥協性を失っては、人間の社会生活は成り立ちません。集団の中での個を確立し、自主の心を尊びましょう。
“公正であろう” 公正とは、偏り、曲がったりしないこと、明白で正しい行動のことです。Fair Playの精神がまさに当てはまります。公平を守りつづけるためには、たゆまざる努力と強い意志が必要です。また、不正なものに対して、敢然と立ち向かう勇気がなければなりません。
“粘り強くあろう” 粘り強いということは、根気よく物事を続けて行くこと、靱やかで強いことです。そのためには、体力と忍耐力と強い意志と緻密な頭脳が必要です。これらの要素のうち何れか一つでも欠ける場合には、社会も、国家も大事を安心して任せることはできません。己れをよく制御し、目的貫徹のためには苦しさも耐え忍び、しかもそれを長続きさせることが肝要なのです。
学部長 和氣 秀文
学 長 新井 一
理事長 小川 秀興