佐藤泰然【1804~1872】

順天堂大学の創立者。1838(天保9)年に江戸薬研堀にオランダ医学塾 和田塾を聞き、西洋外科、眼科、整骨などで広く知られた。幕府の蘭学者への弾圧が強まる頃、高野長英、渡辺華山と交友があり江戸町奉行から要注意人物にあげられていた。1843(天保14)年佐倉藩に移住し、順天堂と改称。全国より多数の門人が参集し、「日新の医学、佐倉の林中より生ず」と語り継がれている。1854(嘉永4)年に日本最初の膀胱穿刺術を行った。佐藤尚中を養嫡子とし順天堂を任せて隠居すると、横浜に住みヘボンらと交友を重ね医学のみならず海外情報を人々に伝えた。奥医師松本良順、英国大使林董の実父。