『蔵志』【1759】

山脇東洋著。1759(宝暦9)年刊行した解剖書。腑分けについての記録と関連の書簡19、随筆が載る。東洋は「理を先にして物を後にすれば、即ち上智も失う無きに能わず」と真理は論議して得られるものでない。実物に即してのみ存在するものであると、実験精神が尊いことを示した。医学史上、画期的な出版物「蔵志」は人々を新しい時代に向けて動かしたのである。