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【教職】チューター制度の導入により、学生のやる気の喚起と学習効率の向上を目指す


2023年11月中旬から20241月上旬にかけて、教職を目指す学生のために「チュータリング・プログラム」を実施しました。これは、今年度の教員採用試験に合格した4年生がチューターとして、2年生・3年生に教員採用試験への助言・指導を行ったり、自身の体験談や勉強法について話をしたりするプログラムです。本学の学長教育改善プロジェクトの助成を受けて、スポーツ健康科学部の村上達也准教授が計画立案および運営について主導されました。今年は教員採用試験のための勉強会JKBJ順天堂大学K教員採用試験B勉強会)とコラボして実施され、約130名の学生が参加して大盛況となりました。今回導入した「チュータリング・プログラム」について、JKBの活動を支えている進路相談室の猪田順一客員教授に綴っていただきました。

 

 

テレビを見ていると、「ちょこっと」という言葉を売りにしたCMを見かけます。タイムリーに、そして必要な内容を行うことができるところに魅力があるのでしょう。「ちょっとだけ教えてほしい」、「このことについて聞きたい」など、「ちょこっと」を気軽に対応してくれるのがチューター制度の特長だと考えています。

 

教採試験についていえば、「どう勉強したらいいの?」「いつから始める?」「この問題どうやって解くの?」など、これから受験に臨む下級生にとって、気軽に聞けるのが年の近い先輩です。しかし、人と接する機会の少ない学生にとっては、「ちょこっと」だけ聞くことが難しいのも事実です。

そこで、教採のための学習会を行い、更に教採試験に合格した4年生をチューターとして招くことによって、学生のニーズに応えていこうというのが今回の取組です。

 

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講義をする様子

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個別の質問にも丁寧に答えます

 

チューターの支援、指導について、これから試験に臨む後輩からは、「とても役立つ情報を提供してくれた」「わからなかったことをわかりやすく説明してくれた」などの感想が聞かれ、今後チューター制度を継続していく後押しとなりました。また、「自分も合格して、先輩たちのようにチューターをやりたいです!」と話す後輩たちの言葉から、このチューター制度を通して、本学の良き伝統である「絆」や「つながり」を再確認することもできました。

 

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真剣に話を聞く2・3年生の様子

個別の支援1

気軽に質問ができる雰囲気となりました

  

一方、チューターを行う4年生にとっての意義は、「後輩と接することにより、来年度現場に立つ教員として、どのように支援や指導するかを学ぶ」ことができることです。実際にチューターを経験した学生からは、「やってよかった」「これから子どもたちの前に立つときに、何を準備したらよいかわかってきた」「聞かれたことにどう対応したらよいか参考になった」など、経験の意義を述べるコメントが多く聞かれました。

 

今年度、学習会に参加した2,3年生は130人ですが、1週間当たり延べ11人の4年生がチューターとして参加しました。

チューターとしての活動内容は以下の通りです。

  • 教採試験勉強を振り返って後輩に伝えること
  • 「教職教養」の講義
  • 個別支援・指導

 

今回の取組みによる最も大きな成果は、コミュニケーション力の涵養です。このチューター制度を活用することにより、後輩にとっての未知の情報やお互いが持っている思いを伝え合うことができたことが、なにより大きかったと感じます。人間関係の充足により、多くの後輩のやる気を喚起させるとともに、教採試験に向けた学習効率の向上につながったようです。

今回、チューターから多くを学んだ後輩は、「来年は後輩のために」との思いを強く語っていました。これが「教職の順天堂」の良き伝統となるよう、今後もチューター制度を継続してまいります。