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2022.03.31 (THU)

入院患者さんの合併症回避や早期回復のためにオーラルマネジメントに取り組む「口腔ケア室」を順天堂・浦安病院が開設

順天堂大学医学部附属浦安病院(院長:田中 裕)は、入院患者さんに対して、術後の合併症や有害事象を回避し、入院生活の質的向上と原疾患の早期回復を図るため、「口腔ケア室」を開設しましたので、お知らせします。

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“口腔ケア”とは

口腔ケアとは、口腔の疾病予防、健康保持・増進、リハビリテーションによりQOLの向上をめざした科学・技術です。具体的には、検診、口腔清掃、義歯の着脱と手入れ、咀嚼・摂食・嚥下のリハビリ、歯肉・頬部のマッサージ、食事の介護、口臭の除去、口腔乾燥予防、などがあります。

■「口腔ケア室」開設の背景

大学病院における口腔ケアの目的には、主に術後合併症としての肺炎予防や、悪性腫瘍の放射線療法・化学療法に際して起こりやすい口腔粘膜炎や顎骨壊死といった副作用を予防することが挙げられます。
口腔内には4,000億個の微生物が、また歯垢1gあたりには数百億個の微生物が存在していることからも、手術やがん治療の前に口腔内を清潔にすることで、口腔感染源の合併症を防ぐことができます。また、全身麻酔手術中の気管チューブ挿入時・抜管時に生じる歯牙損傷や脱落事故を防ぎ、術後の摂食・咀嚼機能をケアすることで、経口摂取を早期に開始できるため、患者さんの早期離床、在院日数の短縮につなげることが可能になります。

「口腔ケア室」について