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2020.06.01 (MON)

JICA中国長期研修員同窓会よりサージカルマスクの寄贈

JICA中国長期研修員同窓会は2007年3月に北京で組織され、現在の会員数は約100名を誇ります。会員はいずれもJICAを通じて日本で1年以上勉強した帰国研修員であり、順天堂大学などで修士号もしくは博士号を取得している会員が多数を占めています。また、多くの会員は中国に帰国後、各地の行政機関や大学・研究機関で活躍されています。
COVID-19が先ず中国を中心に感染が拡大した際に、学校法人順天堂と公益財団法人日中医学協会が即座に4トントラック2台分の医療義援物資を駐日中国大使館の孔 鉉佑 駐日大使へ寄贈しましたが、その対応に感銘を受けた32名の会員有志が今度は日本の医療支援のために募金活動を行い、6,000枚のサージカルマスクを日中医学協会に寄贈して戴きました。
5月26日(火)に、マスクの贈呈式がJICA東京本部(千代田区二番町)に於いてJICA中国事務所(北京市)とオンラインで繋いで執り行われました。その際に、順天堂・日中医学協会双方の理事長である小川秀興理事長より以下の謝辞が述べられました。
この度は、JICA長期研修員同窓会有志の皆様から医療用マスクの義捐物資をご恵贈いただき、心から感謝しているところでございます。
日中医学協会は、順天堂大学が行った中国への医療用義捐物資の贈呈に名を連ねて、新型コロナウイルス感染症拡大初期の2月12日に、孔 鉉佑 駐日中国大使を通じて、4トントラック2台分のN95マスク、防護服、防護グラスを中国へ送りました。このことについては、馬 暁偉 中国国家衛生健康委員会主任(日本での厚労大臣に相当する)からも心のこもった礼状を頂戴し、孔 鉉佑 大使からは心からの謝辞とともに、アジアそして世界をリードする感染症分野の日中共同研究への期待が述べられました。
日中医学協会の創立に当たっては、中国の禅書にある「扶過断橋水 伴帰無月村(扶(たす)けては断橋(だんきょう)の水(みず)を過(す)ぎ、伴(ともな)っては無月(むげつ)の村(むら)に帰(かえ)る)」を引用して、「日本と中国とは真に手をたずさえて行くべきだとの思いが本協会設立の主旨であることを強調したい」としてスタートしました。
順天堂もまた、「順天」の名は中国の古典『易経』にある「順天応人(天の意志に順い、人々の期待に応える)」と、孟子の言葉の「順天者存 逆天者亡(自然の摂理に順うものは存続して栄え、天の理法に逆らうものは亡びる)」に由来し、学是を「仁(人を思いやり慈しむ気持ちを大切にする心)」、理念を「不断前進(現状に満足せず、常に高い目標を目指す)」、学風を「三無主義(出身校・性別・国籍を差別しない)」としています。
この度、JICA長期研修員同窓会の皆様と図らずも知己を得ることができました。双方が今後とも日中相携えて行くべきときの「杖」であり続けることを期待します。有志の皆様から送られたマスクは、皆様方あるいは皆様方の後進が研修された医療機関(※)などで有効に使用いただくことにしています。本日は誠にありがとうございました。
(※)マスクは国立国際医療研究センター、川崎市健康安全研究所、静岡県立がんセンタ ー、長崎大学、日本福祉大学、順天堂大学などに寄贈される予定。

なお、贈呈式には日中医学協会の本田伸吾事務局長も同席され、複数の新聞社も取材に訪れました。

◯時事通信 https://www.jiji.com/jc/article?k=2020052700657&g=cov
◯東京新聞 https://www.tokyo-np.co.jp/article/31617

JICA東京本部にて謝辞を述べられる小川秀興理事長

JICA東京本部にて謝辞を述べられる小川秀興理事長

モニターに映し出されたJICA北京事務所の様子

モニターに映し出されたJICA北京事務所の様子