JUNTENDO News&Events ニュース&イベント
2022.04.07 (THU)
- 順天堂大学について
- メディアの方へ
スポーツ医療従事者の国際資格の講習「PHICISコース Level2」を順天堂大学が開催
~ 国内で求められるスポーツ現場での“病院前医療”の標準化 ~
順天堂大学スポーツ健康医科学推進機構(機構長:鈴木大地)は、2022年3月26日・27日に、スポーツ現場における医療従事者の国際資格の講習「Pre Hospital Immediate Care In Sport(PHICIS)コース Level2)」を本郷・お茶の水キャンパス御茶ノ水センタービルにおいて開催しました。
順天堂大学では同機構が中心となってスポーツドクターの受講を支援しており、今回の講習は、同機構が一般社団法人PHICIS JAPANの提携機関となって初めて実施したものになります。本学からも2日間で約10名のスポーツドクターが参加し、講習を修了しました。また、26日に行われた講習では、PHICISコース エデュケーターでもある本学スポーツ医学研究室の塩田有規医師が講師を務めました。
順天堂大学では同機構が中心となってスポーツドクターの受講を支援しており、今回の講習は、同機構が一般社団法人PHICIS JAPANの提携機関となって初めて実施したものになります。本学からも2日間で約10名のスポーツドクターが参加し、講習を修了しました。また、26日に行われた講習では、PHICISコース エデュケーターでもある本学スポーツ医学研究室の塩田有規医師が講師を務めました。
講師として受講者の前で実演する塩田有規医師
Pre Hospital Immediate Care In Sport(PHICIS)コースとは
Pre Hospital Immediate Care In Sport(PHICIS)コースは、“スポーツ現場における病院前医療”の標準化を図ることを目的に実施されている国際資格の講習です。スポーツに関わる一般の方を対象としたLevel1から、医療従事者を対象としたLevel2、Level3まで3つのコースがあり、コースを修了すると英国のエジンバラ王立大学にPHICIS修了者として登録されます。日本では現在、Level2、Level3合わせて約300名(2021年12月現在)の医療従事者がコースを修了しており、これまでにラグビーワールドカップ2019日本大会やTOKYO2020オリンピック・パラリンピックなど、トップレベルのスポーツ現場でアスリートのメディカルサポートに携わってきました。
Pre Hospital Immediate Care In Sport(PHICIS)コースは、“スポーツ現場における病院前医療”の標準化を図ることを目的に実施されている国際資格の講習です。スポーツに関わる一般の方を対象としたLevel1から、医療従事者を対象としたLevel2、Level3まで3つのコースがあり、コースを修了すると英国のエジンバラ王立大学にPHICIS修了者として登録されます。日本では現在、Level2、Level3合わせて約300名(2021年12月現在)の医療従事者がコースを修了しており、これまでにラグビーワールドカップ2019日本大会やTOKYO2020オリンピック・パラリンピックなど、トップレベルのスポーツ現場でアスリートのメディカルサポートに携わってきました。
講習の概要
- 日 時:2022年3月26日(土)、27日(日)
- 場 所:順天堂大学 本郷・お茶の水キャンパス 御茶ノ水センタービル
- 参加者:医療従事者31名(本学関係者を含む)※COVID-19感染対策のため、受講者・関係者全員がPCR検査を実施。
- 内 容:スポーツ現場で起こりうる外傷や障害の初期診療に必要とされる実践的な知識・スキルの習得のため、座学だけでなく、講師の指導のもとシミュレーターや実際の器具などを用いて傷病者発生から搬送までの内容をプロトコールに沿って行うための実技訓練や試験が行われました。
座学の様子
実際の器具を用いて行われた実技の様子
PHICISコース Level2について
スポーツ現場で求められる“病院前医療”の標準化
スポーツは人々にとって、健康で文化的な生活を営むうえで不可欠なものと言えます。しかしスポーツに外傷や障害はつきもので、スポーツ現場での安全をいかに確保するかは昔からの課題でした。スポーツ現場の医療者には、メディカルの面から継続的にサポートを行うことが求められてきましたが、現状では全てのスポーツ現場に医療のスペシャリストを置くことは不可能です。そこで、スポーツ現場の安全を確保するために、その医療サポートに関わるすべての人が、医師・看護師・理学療法士・柔道整復師・アスレティックトレーナーなど医療的なバックグラウンドに関わらず、正しい初期対応ができるアルゴリズムを身につけることが「病院前医療の標準化」です。それを実現するための人材を養成するものが、PHICISのコースとなります。
受講者の感想
①臨床検査医学講座/循環器内科学講座:福島 理文 准教授
今回の講習では、スポーツ現場で起こりうる重症外傷や命に関わる内科疾患に対する初期対応について学ぶことができました。実技実習をたくさん行うことができたため、実際に自分が現場にいる時にどのように対応すれば良いかを身につけることができたと思います。スポーツを安心して行えるようにするためにも、迅速で適切な対応ができるように常に準備していき、また、現場に立つ方々にもこの講習の内容を共有することが大切だと感じています。
今回の講習では、スポーツ現場で起こりうる重症外傷や命に関わる内科疾患に対する初期対応について学ぶことができました。実技実習をたくさん行うことができたため、実際に自分が現場にいる時にどのように対応すれば良いかを身につけることができたと思います。スポーツを安心して行えるようにするためにも、迅速で適切な対応ができるように常に準備していき、また、現場に立つ方々にもこの講習の内容を共有することが大切だと感じています。
②呼吸器内科学講座(高齢者医療センター):松野 圭 助教
講習の資料で、さまざまなスポーツ現場で起きている実際の映像をみて驚愕しました。明らかに意識障害を呈しているプレーヤーを余所目に、プレーが継続されていたり、搬送されているプレーヤーが、ストレッチャーから落下している映像をみてスポーツ現場での医療体制はまだまだ確立されていないことを認識しました。今回の講習は、事前のe-learningや当日の実技講習内容はかなり大変ではありましたが、その分の学習効果は非常に高く、今後のスポーツ現場(自身はバスケットボール)に大いに活かせる経験でした。今後の普及活動に尽力していきたいです。
講習の資料で、さまざまなスポーツ現場で起きている実際の映像をみて驚愕しました。明らかに意識障害を呈しているプレーヤーを余所目に、プレーが継続されていたり、搬送されているプレーヤーが、ストレッチャーから落下している映像をみてスポーツ現場での医療体制はまだまだ確立されていないことを認識しました。今回の講習は、事前のe-learningや当日の実技講習内容はかなり大変ではありましたが、その分の学習効果は非常に高く、今後のスポーツ現場(自身はバスケットボール)に大いに活かせる経験でした。今後の普及活動に尽力していきたいです。
③整形外科学講座(練馬病院):寺本 樹里 助手
オリンピックで会場ドクターをさせていただいた際に、普段の病院の外来と、競技場から救急隊に引き継ぐ間とでは、必要とされる知識やスキルが全然違うことを痛感しました。当日は、小グループに別れて何度も身体を動かし声を出し、その都度、講師の方々からフィードバックをいただきました。初参加の私の身体にも徐々に動きや考え方が染みついてくるのが実感できて楽しかったです。大変勉強になりました。今後、選手が安心して全力でプレーできる一助となれたら嬉しいです。
オリンピックで会場ドクターをさせていただいた際に、普段の病院の外来と、競技場から救急隊に引き継ぐ間とでは、必要とされる知識やスキルが全然違うことを痛感しました。当日は、小グループに別れて何度も身体を動かし声を出し、その都度、講師の方々からフィードバックをいただきました。初参加の私の身体にも徐々に動きや考え方が染みついてくるのが実感できて楽しかったです。大変勉強になりました。今後、選手が安心して全力でプレーできる一助となれたら嬉しいです。