プレスリリース大学・大学院医学研究科研究プレスリリース">

JUNTENDO News&Events ニュース&イベント

2020.03.25 (WED)

血液のがん細胞の薬剤耐性獲得メカニズムの解明

~多発性骨髄腫に対する効果的な抗がん剤と抗体の併用療法へ~

順天堂大学大学院医学研究科免疫診断学講座のベアーテ・ハイジッヒ特任准教授らは、東京大学、アンナジャ国立大学(パレスチナ)との国際共同研究により、多発性骨髄腫のがん細胞が標準治療薬の抗腫瘍剤ボルテゾミフから薬剤耐性を獲得するメカニズムを明らかにしました。多発性骨髄腫のがん細胞はEGFL7※というたんぱく質を発現して、薬剤による細胞死を回避しますが、マウスを用いた実験でEGFL7をブロックする抗体を抗がん剤と同時に投与することで腫瘍の増殖を抑えることに成功しました。本成果は、多発性骨髄腫におけるEGFL7を標的とした新たな治療法の開発につながります。本研究は米国血液学会の学会誌Blood advances誌に掲載されました。

※EGFL7(Epidermal growth factor‐like domain‐containing protein 7):悪性神経膠腫、結腸直腸癌、急性骨髄性白血病などのさまざまな腫瘍細胞で発現するたんぱく質で強力な血管新生因子。

論文情報
論文タイトル: The EGFL7-ITGB3-KLF2 axis enhances survival of multiple myeloma in preclinical models
著者: Yousef Salama 1,2), Andries Hendrik Heida 1), Kazuaki Yokoyama 3), Satoshi Takahashi 4), Koichi Hattori 5), Beate Heissig 1,6)
所属: Juntendo University 5, 6), An Najah University 2), The University of Tokyo 1,3,4)
DOI:10.1182/bloodadvances.2019001002.

詳細は英文リリースに掲載しています。

SDGs300