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2018.04.06 (FRI)

新ドライアイ診断基準により「ドライアイ確定」患者が3割増加 ~確定診断によりドライアイ治療の適応拡大へ~

順天堂大学医学部附属順天堂医院眼科の村上晶 教授、猪俣武範 助教らの研究グループは、2016年のドライアイ診断基準の改定を受けて、旧ドライアイ診断基準と新ドライアイ診断基準*1におけるドライアイ患者の分布について調査を行いました。その結果、旧診断基準において「ドライアイ疑い」と診断されていた患者の8割が、新診断基準では「ドライアイ確定」と診断され、ドライアイ確定患者数は3割も増加することが明らかになりました。さらに、新診断基準におけるドライアイ確定例の中で、涙液層破壊時間短縮タイプ*2のドライアイは、4割を占めることが明らかになりました。本結果により、これまでドライアイと診断されなかった患者が、新診断基準によりドライアイ確定と診断されることで、より多くの患者に加療できることが明らかとなりました。本研究は、Scientific Reports誌(2018年1月30日)に発表されました。
本研究成果のポイント
  • 旧ドライアイ診断基準における「ドライアイ疑い」の患者の8割が新ドライアイ診断基準では「ドライアイ確定」診断となり、ドライアイ確定患者は3割増となった
  • 「涙液層破壊時間短縮タイプのドライアイ」はドライアイ確定例の4割を占める
  • これまでドライアイ確定と診断されなかった「涙液層破壊時間短縮タイプのドライアイ患者」が、新診断基準ではドライアイ確定と診断され、加療が可能となった
*1 旧ドライアイ診断基準と新ドライアイ診断基準:
下記の表は新旧ドライアイ診断基準の抜粋である。2016年に改訂された新基準では涙液層破壊時間5秒以下が採用された。

新ドライアイ診断基準により「ドライアイ確定」患者が3割増加

*2 涙液層破壊時間短縮タイプのドライアイ:
ドライアイの自覚症状を有するが、涙液層破壊時間(目を開いてから目の表面の涙の膜が破壊されるまでの時間)が短く、涙液分泌や角結膜上皮はほぼ正常なもの。