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2017.06.07 (WED)

ミトコンドリアに関わる遺伝子が神経変性を起こす機序を解明~新たなパーキンソン病原因遺伝子の理解と治療的試み~

順天堂大学大学院医学研究科・神経学講座の服部信孝教授、パーキンソン病病態解明研究講座の今居譲先任准教授の研究グループは、パーキンソン病の原因遺伝子CHCHD2*1の変異によるドーパミン神経変性の機序を世界で初めて明らかにしました。さらにミトコンドリアの機能を改善する遺伝子操作により、病態改善が可能なことをモデル動物で示しました。この成果はパーキンソン病の原因の一端を明らかにし、これからのパーキンソン病の予防・治療法の開発に大きく道を拓く可能性を示しました。本研究成果は科学誌Nature Communications電子版に6月7日付けで発表されました。

1 CHCHD2 (coiled-coil-helix-coiled-coil-helix domain containing 2)
CHCHD2遺伝子は優性遺伝性パーキンソン病の原因遺伝子の一つである。CHCHD2遺伝子から作られるタンパク質は、同名のCHCHD2と名付けられている。ここでは混乱しないように、遺伝子はCHCHD2遺伝子、タンパク質はCHCHD2と表記する。
本研究成果のポイント
  • CHCHD2遺伝子の変異により細胞死シグナルの活性化がおこり、神経細胞死に繋がることを発見
  • ミトコンドリアを保護する遺伝子を新たに同定し、病態改善に成功、治療法確立への道筋をつけた
  • パーキンソン病でみられるCHCHD2の変異が、機能喪失型変異であることを遺伝学的手法で解明