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2023.04.06 (THU)

  • 保健医療学部

ヴァンフォーレ甲府 現場見学レポート

20233910日、1617日の2日程で、プロサッカークラブ ヴァンフォーレ甲府のトップチーム及びユースチームの現場見学に理学療法学科の学生9名が参加しました。主にチーム所属の理学療法士やトレーナーの方の活動を見学させていただきました。参加した学生の見学レポートをご紹介します。

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理学療法学科 3年 井手 翼 さん

 

今回はヴァンフォーレ甲府のユースチームとトップチームの現場見学をする貴重な機会をいただきましたのでその報告をさせていただきます。

今回実際のJクラブの現場に見学に行かせていただいて特に感じたのは「過酷さ」と「楽しさ」です。

 ユースチームの見学では、順天堂出身でヴァンフォーレ甲府のチームドクターをされている定月先生と田中トレーナーとお話しさせていただきました。田中さんは新卒でヴァンフォーレのアカデミーのトレーナーとなりたった一人でユースを中心としたアカデミー全体を見ているそうで、その仕事量には非常に驚かされ、スポーツ現場で働く過酷さを目の当たりにしました。しかし、それと同時に、選手に信頼され常に囲まれている光景を見たり、様々な技術を駆使しながら選手のために奮闘する姿を見たりしてスポーツ現場で働く楽しさも感じることができました。また、田中トレーナーからはなぜ新卒ながらJクラブで働くことができたのかや実際に働いてみて何を思うか、将来のビジョンなど様々なことを親身になって教えていただき、まさに今卒業後の進路や将来のことについて具体的に考えなければならない自分達にとって「スポーツ現場で働く」ということはどういうことなのか真剣に考える機会になりました。

 トップチームの見学では、PTとして働く木村さんに主にお話を伺いました。木村さんにはトレーナーとしてではなく、あくまでPTとして働くことについて様々なことを教えていただきました。スポーツ現場で働くPTとしての役割は主に「予防・リハビリ・パフォーマンスアップ」の3つで、それらをエビデンスに基づいて適切に提供することが重要だと教えていただきました。この3つの柱はスポーツ現場に限らずどこで働くにしても共通の柱ですが、スポーツ現場ではそれに加えて「リスクを犯すこと」が特に重要だと教えていただきました。プロ選手は結果が全てで怪我から復帰していく上でもリスクを背負って負荷を上げなければならない場面が多くあり、PTはその判断を確固たるエビデンスや経験に基づいてしていかなければならないという責任があるとおっしゃっていました。そのためには日進月歩する医療の知識を学び続けることが非常に重要で、その他にも選手に信頼してもらいしっかりとコミュニケーションをとることや、ドクターをはじめとするメディカルチームで適切な棲み分けをし、お互いにリスペクトし合いながらコミュニケーションをできる環境を構築することが重要だと感じました。

今回の現場見学では、今まで具体的にイメージできなかったことを様々な方にお話を聞き、肌で感じることで知ることができ、スポーツ現場の「過酷さ」と「楽しさ」を具体的に知ることができました。そして、自分もそんな「過酷」で「楽しい」スポーツの現場で働きたいという気持ちをこれまで以上に強めました。定月先生をはじめとする様々な先生方のご厚意で今回のような貴重な経験ができる場を用意していただきましたこと心より感謝申し上げます。今回の経験を将来に活かしていけるよう日々努力を続けていきたいと思います。

 

 

 

理学療法学科 2年 荒木 渉 さん

 

私は今回ヴァンフォーレ甲府のユース及びトップチームの現場見学をさせていただいたことで特にドクター・アスレティックトレーナー・理学療法士の3つの職業の仕事内容の分担化とチーム全体の監督、スタッフ、メディカルなどのコミュニケーションの大切さについて学ばせていただきました。

ユースチームではドクターと理学療法士の関係性でユースチームは1人しか現場でトレーナーがいないためケガが起きた際にチームドクターに診察をお願いすべきケガなのか現場で評価する必要性があります。その最初の評価を正確にしなければドクターとの信頼関係・スタッフ陣との信頼関係に問題が生じる可能性があるとのことです。そのためケガ人の初期評価とドクター・コーチ陣への伝え方も大変大事な業務の一つなのです。

トップチームの見学ではアスレティックトレーナーと理学療法士の仕事の分担化を学びました。ヴァンフォーレ甲府ではテーピング、マッサージ、ベッド・ジムレベルのリハビリ、ケガの応急処置をアスレティックトレーナーが行い、グラウンドレベルのリハビリを理学療法士が主に行っておりました。スポーツ現場でのアスレティックトレーナーと理学療法士の業務内容が被る部分もあるためそれぞれの資格の強みを生かし、お互いの仕事を尊重しあうことがとても重要であります。それぞれの業務を区別することでアスレティックトレーナーと理学療法士・コーチ陣とメディカルの信頼関係が確立できることを学びました。

どのカテゴリーでもメディカルとスタッフの信頼関係がとても重要であると再認識することができた現場見学となりました。

 

 

 

理学療法学科 2年 田中 涼祐 さん

 

今回ヴァンフォーレ甲府の現場見学をさせていただき、プロのスポーツの現場で理学療法士をはじめとしたサポートスタッフの方々がどのように選手と関わり、チームに貢献しているかを自分の目で実際に見て色々なことを学ぶことができました。チームの理学療法士の木村さんの話をお聞きする中で自分が大切だと感じたことが2つありました。1つ目は様々な人と上手く親密に関わるコミュニケーション力です。理学療法士は対人職なので患者さんのような人と関わるというのは当たり前のことで、コミュニケーション力は必須でありますが、理学療法士がプロのスポーツチームに関わる際には、選手だけでなく監督やフィジカルコーチ、アスレチックトレーナーなどチームに携わる全ての人と上手くコミュニケーションを取っていく必要があるからです。選手と関わる場面ではコンディションを把握したり、選手のリハビリテーションへのモチベーションを維持するといった事のため、フィジカルコーチやアスレチックトレーナーと関わる場面では選手のリハビリテーション以外での様子やBMIなどの身体的なデータの共有などによるリハビリテーションのメニューの決定のためなど、単にリハビリテーションを行う選手だけでなく、チームに関わる多くの人と会話を重ね、より良い治療を行うために様々な人と関わるコミュニケーション力は必須なのだと感じました。

2つ目は理学療法士として何年働いていても日々学習を怠らない事です。スポーツ選手のリハビリテーションはその選手が何のスポーツをしていてどのポジションをやっているか、どの筋肉が上手く使えていないか、バランス能力はどの程度なのかなど様々な情報をもとにその選手に合った特異的なリハビリテーションを行い、怪我が回復していく中で回復の度合いに合わせてメニューの強度を上げていくのだと教えて頂きました。その怪我の回復度合いに合わせてリハビリテーションのメニューや強度を変えるタイミングがとても難しく、実際に自分で見た選手の容態や最新のエビデンスに基づいて判断していくと木村さんはおっしゃっていました。このようにスポーツ選手のリハビリテーションを行う際には何十年という現場での経験だけでなく、日進月歩していく医学の知識を常に学習し続け、選手一人一人に合った練習メニューを考えていく必要があります。そのため、常に学習し続け、自分をアップデートしていかなければならないのだと感じました。

木村さん以外にもアスレチックトレーナーや選手の方々ともお話をさせていただき、とても身になる貴重な体験をさせていただくことができました。この経験を今後の学習に活かしていきたいと思います。