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2024.01.08 (MON)

  • 保健医療学部

【保健医療学部リレーコラムvol.10】子どもたちが安心して野球を続けるために理学療法士ができること

 リレーコラム第10回は、理学療法学科の中村絵美が担当します。昨年は大谷翔平選手をはじめとする日本を代表するプロ野球選手たちが侍ジャパンとしてWBC(World Baseball Classic)を制覇し、多くの野球少年・少女たちを魅了したことは記憶に新しいかと思われます。そんな中、未来の侍ジャパンを目指す子ども達にとってケガをせずに野球を続けてゆくことは、とても大切なことです。今回のコラムでは、私自身の研究テーマでもある成長期野球選手の障害予防に向けて全国各地で行われている野球肘検診やメディカルチェックでの理学療法士の役割や活動内容について紹介していきたいと思います。
 野球肘検診は主に外側型野球肘(上腕骨小頭離断性骨軟骨炎(Osteochondritis dissecans;OCD))の早期発見・早期治療を目的として行われています。最近は、OCDだけでなく、内側型野球肘(上腕骨内側上顆障害・肘内側側副靭帯損傷など)や、腰の疲労骨折(腰椎分離症)など、成長期の野球選手に生じやすいケガに対する評価をより広くおこない、早期に問題を発見し、可能な限り次のシーズンに持ち越さないように治療やコンディショニングを実施などのアドバイスも行っています。実施時期は野球のオフシーズンとなる12月から2月にかけて、様々な場所で実施しており、医師や理学療法士、アスレティックトレーナーなどがスタッフとして参加し、連携をとりながら多くの選手の対応を行います。
 中でも理学療法士は、からだの「動きをみる専門家」でもありますので、検診時には関節の可動性や筋の柔軟性などを評価し、場合によっては投球動作の評価も行い、ケガをしやすい身体の状態になっていないか、負担のかかりやすい動き方や投球動作になっていないかなどを検診を受けてくれた選手たちにフィードバックしています。
 こういった活動を通して、日々からだの状態が変化している成長期の選手たちに、少しでも自分自身の身体に興味を持ってもらい、野球をプレーする際に「今日は少しからだが重たいな」とか「なんだかいつもより疲れているな」という感覚があれば、普段より長めにウォーミングアップをしてみたり、練習後のストレッチを念入りに行ったりと自分自身で工夫することで、ケガすることなくプレーを続けてもらいたいと思って取り組んでいます。
 私自身もこの1月から2月にかけて、あちこちのグラウンドに出回っていますのでどこかで見かけたらお声かけください!

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