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2018.12.18 ()

「血液のがん」骨髄増殖性腫瘍の治療を目指して―

大学院医学研究科血液内科学
小松則夫 教授

骨髄増殖性腫瘍は多分化能を有する血球前駆細胞の体細胞変異によって引き起こされる「血液のがん」で、国内で1年間に約1400人が新たに発症する病気です。順天堂大学大学院医学研究科血液内科学では、この骨髄増殖性腫瘍の治療に向けて研究に取り組んでいます。

骨髄増殖性腫瘍とは

骨髄増殖性腫瘍とは造血幹細胞あるいは血液幹細胞といわれる「血液の種」に異常が生じ、一系統以上の成熟血球が異常に増加する腫瘍性の血液疾患で、いわば「血液のがん」です。
代表的な疾患としては、白血球が増加する慢性骨髄性白血病、赤血球が増加する真性多血症、血小板が増加する本態性血小板血症、骨髄の中に線維化がみられる原発性骨髄線維症などがあります。
私たちの研究室では、骨髄増殖性腫瘍を発症させる原因分子calreticulin(カルレティキュリン)を中心に研究を進めています。

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calreticulin(カルレティキュリン)とは

calreticulinとは細胞小器官の一つである小胞体に存在し、新たに合成されたタンパク質の品質管理に関与するタンパク質です。
このcalreticulinの遺伝子変異が本態性血小板血症や原発性骨髄線維症の患者に多くみつかることが、2013年に2つのグループによって同時に報告されました。
 

骨髄増殖性腫瘍発症メカニズムの解明

骨髄増殖性腫瘍がcalreticulinの遺伝子変異によってどのように引き起こされるのかがわかれば、発症原因を標的とした治療薬の開発に繋げることができます。
calreticulinの遺伝子変異は、骨髄増殖性腫瘍の中でも血小板の増加が見られる疾患に集中しています。私たちはこの点に注目し、血小板産生に関わる細胞とそれに関わるたんぱく質に着目して研究を進めました。
その結果、変異型calreticulinたんぱく質が造血因子トロンボポエチンの受容体に結合し、血液細胞をがん化させるとともに、血小板産生のシグナルを活性化させることで血小板が過剰に産生されるということを明らかにしました。この研究成果は2016年に血液学の分野で最も評価されている米国血液学会誌「Blood」に発表しています。
この論文は、同年にBloodに発表された1000を超える論文のなかで、エディターらによって選ばれる最も優れた論文のトップ10に選出されました。

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骨髄増殖性腫瘍の治療薬開発に向けて

2018年にはさらに、calreticulin変異によるがん細胞増殖のメカニズムを明らかにした研究論文を発表しました。
変異型calreticulinたんぱく質は、お互いに結合して多量体(同じ種類の小さい分子が互いに多数結合してできた分子量の大きい物質)になることで構造変化を起こします。それが複数のトロンボポエチン受容体と同時に強くくっつくことで、細胞に増殖シグナルが持続的に送られ、血液細胞のがん化が起こるのです。この研究の中では、変異型calreticulinたんぱく質同士の結合を阻害することでがん化シグナルを抑制できることを証明し、骨髄性増殖腫瘍に対する効果的な治療薬の開発への見込みを一層強めることができました。

今後も、骨髄増殖性腫瘍の完治を目指し、治療薬の開発に繋がる研究を続けていきたいと思います。

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(2018年6月)