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2021.03.01 (MON)

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世界初!花粉症予防アプリ「アレルサーチ」でデジタル通貨による研究協力の謝礼金支払いシステムを導入

~ アレルサーチ®の研究参加で選べる電子マネーギフトのプレゼント ~

順天堂大学(学長:新井 一)医学部眼科学講座の猪俣 武範 准教授らの研究グループは、2020年8月より公開している花粉症予防のためのスマートフォンアプリケーション「アレルサーチ®」にデジタル通貨を用いた研究協力の謝礼金支払いシステムを導入しました。研究協力の謝礼金をデジタル通貨を用いて支払う世界初のスマホアプリを用いた臨床研究です※1。アレルサーチ®の開発には、患者・市民委員を公募し、意見交換会を実施し、花粉症の当事者や家族の視点を導入しながら進める「患者・市民参画」(Patient and Public Involvement :PPI)という考え方を採用し、研究者にとってだけではなく、患者・市民にとって価値のあるアプリを目指しております。※1本学調べ

「アレルサーチ®」とは?

「アレルサーチ®」は、順天堂大学医学部眼科学講座による花粉症研究ビッグデータの基盤となるアプリです。
花粉症に関する自覚症状アンケートや目の赤みの画像診断、生活習慣等に関するユーザーの情報を収集することにより、多様な花粉症症状の層別化や発症要因の解明等の研究に役立てることを目的として開発されています。
研究参加の条件はアプリで花粉症・生活の質・労働生産性の質問に答えるだけ!

アレルサーチ®で花粉症レベルチェック・生活の質 (quality of life, QOL) チェック・労働生産性チェックに1日で全て回答すれば誰でも参加可能です。予定人数に到達するまで応募条件達成者の先着順にて謝礼支払対象者を決定いたします。同着の対象者に関しては運営事務局にて無作為抽選を行い謝礼支払対象者を決定いたします。
本アプリはGoogle Play、App Storeより無料でダウンロードすることが可能です。


「アレルサーチ®」における“患者・市民参画”

医学研究・臨床試験における「患者・市民参画」とは、医学研究・臨床研究プロセスの一環として、研究者が患者・市民の知見を参考にすることです(https://www.amed.go.jp/ppi/teiginado.html)。

「アレルサーチ®」による研究では、患者・市民参画の推進により、
  1. 患者・市民にとって役に立つ研究成果の創出
  2. 医学研究の円滑な実施の実現
  3. 研究参加者保護に資すること
を理念としています。

具体的には、趣旨に賛同してくださった患者・市民委員を公募し、意見交換会を実施しながら、アンドロイド版の開発とiOS版のアップデートを行いました(http://allergy-search.com/ppi/index.html)。患者・市民委員と研究チームの対話を通じて、患者・市民委員に「アレルサーチ®」を丁寧に評価していただき、花粉症に関する質問項目や、インターフェースの改善を行いました。

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「アレルサーチ®」の研究参加方法

【1】アプリケーションのアップデート
アプリケーションをアップデート後に図①が表示されますので、「参加する」を選択ください。

【2】アプリトップ画面にプレゼントボタンが表示
「参加する」を選択した方のみ、アプリトップ画面右下にプレゼントボタンが表示されるので、ボタンをタップしてください(図②)。

【3】アンケートに回答
「花粉症レベルチェック」「QOLチェック」「労働生産性チェックこの3つのアンケート全てを、謝礼支払実施期間中の任意の一日(0時〜23時59分)の間に完了することが応募の条件となります(図③)。

【4】応募完了画面の表示
アンケートに回答すると、図④の画面が表示され、応募が完了いたします。

【5】当選お知らせ画面の表示
謝礼支払対象者告知画面よりEJOICAセレクトギフト※2のウェブサイトに移動し、ギフトIDを入力の上、電子マネー等を一つお受け取りください(図⑤)。

※2「EJOICAセレクトギフト」とは(発行元:株式会社NTTカードソリューション)
様々なラインナップの中からお好きな電子マネー等を選択し、登録(交換)できる電子マネーギフトです。
交換できる電子マネー等のラインナップはキャンペーン等によって異なりますので、登録時の画面にてご確認ください。
<画面イメージ>

図2

<画像左から>①参加確認画面/②アプリトップ画面/③アンケート回答画面/④応募完了画面/⑤当選者画面

研究代表者コメント(順天堂大学医学部眼科学講座 准教授 猪俣 武範)

花粉症は日本で約3,000万人が罹患する最も多いアレルギー疾患で、発症すると日常生活のQOLが低下するだけでなく、仕事や学業の生産性低下にも影響し、社会コストを増加させると言われています。発症の要因も個々人によって様々で、例えば 「①花粉やPM2.5といった大気汚染物質などの環境要因」「②食事、喫煙、運動などの生活習慣」「③家族歴、年齢、遺伝などの宿主要因」などが挙げられますが、これらの要因は複合的であるため、これまでの研究では各因子が実際に発症に及ぼす影響の程度は明らかになっていません。
今回の多くの方の研究参加により、さらなるデータ収集が可能となることから、両アプリを通して得られるビックデータを活用し、花粉症の複合的要因の医学的な分析もさらに加速するはずです。
「アレルサーチ®」を活用することで、予防・予測・個別化・参加型からなる『P4 Medicine※3』を推進し、保険診療である「花粉症」を「セルフメディケーション(自己管理)」にシフトさせることで、医療費削減にも大きく貢献できることを期待しています。
※3:P4 Medicineとは予防(Preventive)、予測(Predictive)、個別化(Personalized)、参加型(Participatory)の4つのPの頭文字から成る。

図4

猪俣 武範 准教授

「アレルサーチ®」ビッグデータを用いた花粉症研究と個人情報の保護について
本研究では、「アレルサーチ®」のユーザーのうち、同意を得た方々のデータを花粉症ビッグデータ研究にも使わせていただきます(順天堂大学倫理委員会:承認番号順大医倫第2020117号)。個人の特定に結びつく情報は収集しませんので、万が一、データが漏洩した場合も、個人の権利に害を与える可能性は極めて低いと考えられます。花粉症ビッグデータ研究への利用許可はユーザーの自由意思に基づくものですので、いつでも中止することができます。
アプリケーションのダウンロードについて
Google PlayApp Storeから、無料でダウンロードいただけます。

app

ggl

図3

協賛および研究助成金
本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)免疫アレルギー疾患実用化研究事業「患者・市民参画によるスマートフォンアプリケーションを用いた花粉症の自覚症状の見える化と重症化因子解明のための基盤研究」、順天堂大学2019年度環境医学研究所プロジェクト研究、平成31年度公益財団法人一般用医薬品セルフメディケーション振興財団による研究助成を受けました。また、株式会社シード、アルコンファーマ株式会社、ロート製薬株式会社の助成を受け実施されました。しかし、研究および解析は研究者が独立して実施しており、助成元が本研究結果に影響を及ぼすことはありません。本研究にご協力いただいた参加者の皆様に深謝いたします。

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