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【国際教養】EGC in Action を開催しました!
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2025年11月18日(火)、順天堂大学国際教養学部の2年次必修科目 English for Global Citizenship(EGC) において、社会課題の最前線で活躍する 11団体・12名 の実践者を招いた特別プログラム 「EGC in Action」 を開催しました。
EGCは、「グローバル市民として社会課題を理解し、多様な文化的背景を持つ他者と協働できる力」を育成する英語科目です。今年度は、教室内での学びを社会とつなぐ試みとして、有志学生と教員が夏季休暇中に各団体を訪問し、その取材内容を英語教材 『Voices from the Field』 として事前学習に活用しました。
当日は、講話25分+対話10分の構成で、学生は「現場で活動する人の声」に触れながら、学びを深めました。
EGC(English for Global Citizenship)とは
国際教養学部の2年次必修英語科目で、以下のテーマを年間で扱います。
- 平和と紛争
- 貧困・教育
- 気候変動と持続可能性
- ジェンダー平等
- 食文化と健康
- 観光・地域の未来
学生は英語でリサーチ・議論・プレゼンテーションを行い、「言語運用能力」と「社会課題への理解」を統合的に育てることを目的としています。
EGC in Action ― 企画のねらい
EGCで扱う社会課題は抽象的でスケールが大きく、「自分ごと」にするのが難しいという課題があります。
そこで本企画では、
✔ 実践者のリアルな声に触れることで、社会課題を身近に感じること
✔ 英語学習を社会とつなぐ“実践知”として再構築すること
✔ 主体的な対話・探究心を引き出すこと
これらのことを目的として、社会の現場で活動する方々を大学にお招きしました。
事前準備として、教員と学生が夏休みに各団体へ訪問し、インタビュー・写真撮影を実施。
その内容を英語教材化し、授業で活用することで、講演当日の理解と対話の質が高まりました。
学生は普段触れることのない“社会の現場”に出会い、学びの視野を大きく広げる機会となりました。
招聘講師
| 団体・氏名 | 分野 | 関連テーマ(EGC Module) |
| Eighty Days(Zilola さん) | サステナブルツーリズム | 観光・地域の未来 |
| 新畑 克也 さん | ロヒンギャ難民支援/カメラマン | 平和と紛争 |
| Learning for All(大森 さん) | 子どもの貧困・教育格差 | 貧困・教育 |
|
NPO法人 Asante Sustainable Club |
多文化共生 | 多文化理解 |
| Tough Japan(鎌田 さん) | 防災・コミュニティ形成 | 持続可能性 |
| 神奈川県立公園協会(白石 さん) | 緑地・地域コミュニティ | 地域の未来 |
| NPO法人 HONKI University (吉田翔吾 さん・安藤 さん) |
体験格差・コミュニティ | 社会参画 |
|
NPO法人 優タウン |
教育・コミュニティ支援 | 教育・ウェルビーイング |
| NPO法人 みらいの森(中野 さん) | 養護施設支援・アウトドア教育 | 教育・ウェルビーイング |
| NPO法人 ママナハウス(須本 さん) | 赤ちゃん食堂・産後ケア | ジェンダー・健康 |
| Peterson Sakie さん | 母性研究/Rooted Motherhood | 家族・ジェンダー |
参加者の声
加藤 さん
新畑さんのお話から、日本国内で暮らす外国ルーツの方々の存在や文化的背景を知り、自分の日常の視野の狭さに気づきました。ロヒンギャの文化や料理の話はとても興味深く、世界の見方を更新したいと思いました。
吉田(翔吾)さんのお話の中で、「居場所が人生を豊かにする」という言葉が心に残りました。自分が自然体でいられる場所を持つことが、どれほど大切かを実感しました。
小沼さんの「自分の心の声を聞く」というメッセージからは、他人の意見に流されがちだった自分の進路選択を見直すきっかけを得ました。
一日を通して、世界の多様性や社会課題をより深く理解したいと思えるようになりました。
橋本 さん
ミャンマー・ロヒンギャのリアルな現状を、学生に寄り添って伝えてくださり、文化や歴史への興味が一段と深まりました。
吉田翔吾さんは、冒頭のギター演奏を含め、圧倒的なエネルギーで会場を一瞬で巻き込みました。「自分の本気(HONKI)」を大切にし、仲間を尊重する姿勢に強く感動しました。
Peterson さんの英語講演では、同級生が英語で意見を述べる姿に刺激を受け、自分の英語学習への向き合い方を見直すきっかけになりました。
どの講演も濃密で、短時間とは思えないほど学びが多い時間でした。
矢嶋 さん
中野さんの「みらいの森」の取り組みでは、アウトドア教育を通じて“生きる力”を育てるという理念に深く共感しました。背景の異なる子どもたちが安心して挑戦できる環境づくりに感動しました。
須本さん(赤ちゃん食堂/ママナハウス)の講演を通じて、産後うつや子育て支援の課題を初めて知りました。「地域で子育てする文化」をつくる取り組みから、日本の社会課題を新しい視点で見ることができました。
Zilola さんからは、「小さなアクションの積み重ねが大きな変化を生む」というメッセージを受け取りました。サステナブルツーリズムの在り方について、自分の価値観が大きく揺さぶられました。
30分という短い時間にもかかわらず、視野が広がり、もっと知りたい気持ちが高まりました。
本企画「EGC in Action」は、学生が教室の学びを社会につなげるための新たな試みとして、大きな教育的成果をあげました。
今後も、実践者との協働や教材化を進め、学生が主体的に社会と関わり、“グローバル市民としての視点” を獲得できる教育を継続していきます。