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2021.06.16 
日本記録更新、そして世界の舞台へ。順大の環境で成長を続ける日本長距離界のホープ

日本記録更新、そして世界の舞台へ
順大の環境で成長を続ける日本長距離界のホープ

スポーツ健康科学部2年
陸上競技部 長距離ブロック
三浦 龍司

三浦龍司選手

今、学生長距離界で最も注目を集める存在、三浦龍司選手(スポーツ健康科学部2年)。今年5月の東京五輪テストイベントでは、男子3000m障害で18年ぶりに日本記録を更新し、五輪参加標準記録も突破。6月の関東インカレでも1500mで優勝、5000mでも日本人トップの2位と、圧巻の走りを見せました。トラックでの五輪出場、そして駅伝での活躍に大きな期待がかかる三浦選手に、コロナ禍でスタートした順大生としての生活、大学での成長、これからの抱負などについて、話をうかがいました。

授業で学んだ知識が自分の“走り”につながる

昨年春に順大に入学し、コロナ禍で始まった大学生活でしたが、そのような中でも、競技に取り組みながら、スポーツ健康科学部の“学び”に触れられた1年でした。高校時代に生物の分野が好きだったこともあり、自分の身体について理解が深められる生理学の授業などは特に関心を持って受けています。例えば、身体の仕組みやメカニズムという点では、走ることと筋肉や疲労との関係など、実際に競技に繋がる科学的な知識を学ぶことができます。そのため、所属している陸上競技部(長距離ブロック)での練習後に血中の乳酸値を測定し、シューズや走るスピードによる変化を確かめることがあるのですが、そのような場面でも授業で学んだ知識がデータの理解に繋がっています。自分の走りを分析する視点を増やせるのは、スポーツ健康科学部で学ぶメリットだと思っています。
新型コロナの影響で、昨年は啓心寮で過ごすことができなかったのですが、対面授業が受けられるようになり、啓心寮で部屋員になる予定だった同期生との“対面”も果たすことができました。それをきっかけに、陸上競技部以外の友達といろいろな話をして盛り上がれたことが、とても新鮮でした。所属する運動部を超えた関わりが持てるのも“順大ならでは”。学生時代は、このような横の広がりも大切にしていければと思っています。

三浦龍司選手

順大進学の決め手は塩尻選手

順天堂大学への進学を決めた理由は、順大在学中に3000m障害でリオ五輪に出場した塩尻和也さん(富士通)の存在があったからです。僕自身、大学でも自分の専門種目である3000m障害で活躍したいという思いが強く、結果を残されている塩尻さんが練習していた環境で成長したいと考え、順大を選びました。
順天堂大学は、トラック種目の練習ができる陸上競技場のほかに、クロスカントリーコースも併設されています。クロスカントリーは、ロードともトラックとも違う、選手の「タフさ」が試されるので、そこで鍛えられる粘り強さは、ロードに繋がる大切な要素だと考えています。いろいろなレースに対応しやすい環境が整っているところも、順大の魅力です。

順天堂大学スポーツ健康科学部_クロスカントリーコース

さくらキャンパスにあるクロスカントリーコース

下級生ものびのび練習できるチーム

今の順大の長距離チームは、学年の隔たりがなく、下級生からも意見を言いやすい、とても良い雰囲気です。練習では、下級生ものびのび走ることができる環境を先輩方が作ってくれていて、それがチームを勢いづかせる要因にもなっていると思います。
僕が1年生だった去年は、先輩方と本格的に練習できたのが、夏場に近付いてからでした。練習量が増えていく時期だったのですが、まだ大学での練習に慣れていない僕たちが走りすぎないよう、先輩が一緒にジョグしてくれたり、声を掛けてくれたりして、心強かったです。寮でも、1年生の不安を察して、質問する前にアドバイスをしてくれましたし、先輩からコミュニケーションを取ってくれたことが、早くチームに馴染むことに役立ったと思います。
長門監督は、とても話しやすく、コミュニケーションを大事にしている監督です。気になっていることを選手から直接監督に伝えられるのは、順天堂の強みだと思っています。監督が選手の主体性を重視してくださるので、大学に入ってからは、僕も自ら意見を伝えてチャレンジすることが増えました。今シーズンの3000m障害に関しても、まずは記録会でレースの感覚を取り戻してから公式大会に出場したい、という希望を伝え、試合のスケジュールもその意見に沿って組まれています。今まであまり個性を出すタイプではなかったのですが、監督やチームが考えを尊重してくれるからこそ、それに応えて意見を伝えようと思うようになりました。

順天堂大学陸上競技部長距離ブロック(駅伝)

長門監督(左端)やチームが考えを尊重してくれるからこそ、自ら意見を伝えてチャレンジすることが増えた

さまざまな人の支えが自分の成長に

去年の春はトラックの大会がなくなったことで、3000m障害を走る機会が減ってしまいました。陸上競技部に限らずどの運動部でも、コロナ禍では練習や試合の場が制限され、みんなやり切れない思いをしていたと思います。一方で、今年は試合が行われているものの、応援や補助員の方の行動は制限されたままの状態です。スポーツを取り巻く環境がこれまでとは変わってしまったことに、もどかしさも感じますし、コロナによるマイナスの影響を実感しています。今まで試合で盛り上がることができていたのは、「選手」「観客」「競技を支えてくれる方」の三者がそろっていたからなのだと、あらためて気付くことができました。
大学に入学してからは、さまざまな出会いもあります。チーム内には、選手のほかに、マネジャーやアスレチックトレーナーを務めている同級生もいるのですが、彼らの視点はとても新鮮で、刺激になっています。ミーティングでは、選手が気付いていないことを指摘し、厳しい意見を言ってくれることもあり、僕たちが反省させられることも多いんです。
また、今年2月の日本選手権クロスカントリーの後、少し脚を痛めて、予定していた練習ができない時期がありました。その時に支えていただいたのが、入学時からお世話になっているトレーナーさんです。こまめにケアをしていただき、そのおかげで、4月の織田記念に出場することができました。自分の力だけでは、短期間でそこまで走りを戻すことはできなかったと思います。その織田記念には、僕が小学生の時に陸上を始めたクラブチームの先生方が、応援に駆けつけてくれました。大学の練習環境や仲間、さらにこれまで指導してくれた方々、支えてくださるトレーナーさんやスタッフ。さまざまな人の支えが、自分の成長に繋がっていると思っています。

順天堂大学陸上競技部長距離ブロック(駅伝)

3000m障害で世界の舞台へ

順大に入学してから、ロード、トラックとも、レース終盤でギアを上げてからのスピードが伸びてきました。ラストの切り替えは、今、個人の練習で磨きを掛けているところですし、集団での練習でもレース感を味わいながら取り組んでいます。切り替えてからのスピードとバネは、僕の選手としての強みです。それに、マイペースな性格も、選手としては強みかもしれません。けがをしてもあまり焦らないので(笑)。周りに影響されずに冷静でいられるところは、レースが動いた瞬間の判断にも活きてくると思います。
この春の目標は、3000m障害でのオリンピック代表内定と、日本記録の更新でした。5月に8分17秒46の日本新記録を出したのですが、今はさらに15秒台を目指しています。最終的には、8分10秒を切りたいんです。そこまでいけば、世界の強豪選手と戦って勝つ感覚になれるはず。そしてもう一つ目指したいのが、箱根駅伝の優勝です。駅伝の大舞台でも自分の走りができるようになり、チームの優勝に貢献したいと思っています。

三浦龍司選手

2021年5月に行われた東京五輪テストイベントREADY STEADY TOKYOでは、日本記録を樹立して優勝した
プロフィール

三浦 龍司 MIURA Ryuji
順天堂大学スポーツ健康科学部 2年
陸上競技部長距離ブロック

島根県出身。小学生の時、地元のクラブチームで陸上競技を始める。洛南高校時代には3000m障害で30年ぶりに高校記録を更新。順天堂大学入学後、日本学生記録、U-20日本記録、日本インカレの大会記録を次々に塗り替えた。2021年5月、東京五輪テストイベントREADY STEADY TOKYOで、8分17秒46の日本記録を樹立して優勝。また、大学駅伝デビューとなった昨年の全日本大学駅伝では、1区で区間新記録をマーク。今年の箱根駅伝でも1区を走り抜けた。