コラム 応用情報技術者試験の難易度は?難易度が高い理由と合格率を解説

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応用情報技術者試験は、高度なITエンジニアを対象とする試験であり、基礎情報技術者試験に比べて難易度が増します。そこで、本記事では応用情報技術者試験の難易度に焦点を当て、合格率や推定偏差値、他の試験との難易度比較を通じて、なぜこの試験が難しいのかを解明しています。また、試験に合格するための勉強方法もご紹介しています。ぜひ参考にしてください。

 

 

応用情報技術者試験(AP)の難易度とは?

情報処理技術者試験の一つである応用情報技術者試験(AP)の難易度を調べてみました。

  

応用情報技術者試験の合格率 

応用情報技術者試験の過去8回の合格率の推移を公式サイトのデータをもとに表にまとめました。ぜひ参考にしてください。

開催

受験者数

合格者数

合格率

平成27年度

63,390

13,519

21.3

平成28年度

63,293

13,312

21.0

平成29年度

65,036

13,659

21.0

平成30年度

64,367

14,865

23.1

令和元年度

63,555

14,160

22.3

令和2年度

29,024

6,807

23.5

令和3年度

59,698

14,006

23.5

令和4年度

68,518

17,343

25.3

 

 

平均合格率

22.6

  

データを見ると、過去8回に実施された応用情報技術者試験の平均合格率は22.6%であり、難易度は高いと言えます。ちなみに、基本情報技術者試験の平均合格率は31.5%です。

 

参照:

情報処理技術者試験・情報処理安全確保支援士試験  推移表(平成21年度春期以降) 

https://www.ipa.go.jp/shiken/reports/hjuojm000000ll0f-att/suii_hyo.pdf

統計情報(全試験区分) | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

https://www.ipa.go.jp/shiken/reports/toukei_all.html

 

応用情報技術者の推定偏差値は?

応用情報技術者の推定偏差値は65程度です。偏差値が49程度の基本情報技術者より難易度はかなり高いと言えます。

 

 

応用情報技術者試験の難易度が高い理由とは?

応用情報技術者試験の難易度が高い理由は、主に出題範囲が広いことと、出題形式が記述式であることです。以下で詳しく説明します。

 

試験範囲が広い  

応用情報技術者試験の出題範囲は幅広く、経営戦略や情報戦略、戦略立案・コンサルティング技法、サービスマネジメントなど、ITに関する知識だけでなく、多岐にわたります。そのため、試験で正答率を上げるには相当の深い情報技術の知識が求められます。

午前試験では、全80問の多肢選択式(四肢択一)の設問が出題されます。時間内にすべての設問に適切に解答するためには、効率的な問題解決スキルで問題を解かなければなりません。

以上のことから、受験者は難易度が高いと感じるようです。

 

参照:情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 試験要綱|IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

https://www.ipa.go.jp/shiken/syllabus/t6hhco0000004yy7-att/youkou_ver5_2.pdf

  

午後の試験は記述式の出題形式である

応用情報技術者試験の午後試験は、記述式の問題が特に多いことが特徴です。この形式では、択一式のように解答を絞り込む消去法は使えません。全体的に午前試験よりも実践的で応用力を問われる内容が多くなっており、実務に即したものとなっています。

出題形式は主に長文を読み、その後に複数の設問に答える形式が一般的であり、基本的な知識だけでなく、十分な読解力も求められます。さらに、ITエンジニアとしての判断、実践、思考力も必要とされるため、合格を目指すにはしっかりとした対策が重要です。

 

参照:応用情報技術者試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/ap.html

 

 

応用情報技術者試験で合格するために必要な勉強時間   

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応用情報技術者試験を検討している方に、必要な勉強時間を学習方法別と事前知識量別に分けてご紹介します。

  

学習方法別の勉強時間

独学の場合、通常200〜500時間の学習が必要と言われています。応用情報技術者試験の難易度は比較的高めですが、ポイントを押さえ、正しい対策を講じれば独学で合格することも可能です。また、受験指導校を活用する場合、学習時間の目安は通常200〜300時間ほどとなります。この時間には、受験指導校での講義時間も含まれます。応用情報技術者試験に効率よく合格するには、受験指導校を利用すると、独学よりも必要な知識を短い時間で身につけることが可能です。

  

事前知識量別の勉強時間

ITの知識や実務経験がないIT初学者の場合、通常500時間以上の学習が応用情報技術者試験に合格するために必要と言われています。毎日2時間ほどの勉強が可能な場合、1ヶ月で60時間となり、その期間は約9ヶ月に及ぶでしょう。一方で、基本情報技術者試験にすでに合格し、基礎的な知識を有する方や、プログラマーなど実務経験者の場合は、約200時間の学習で十分とされています。毎日2時間勉強する場合、その期間は約4ヶ月と見込まれます。ただし、個人の力量や理解度に左右されるため、あくまでも目安とお考えください。

 

 

類似する試験との難易度比較

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合格が難しい応用情報技術者試験ですが、ほかの情報処理技術者試験の難易度と比べてみましたので、ぜひ参考にしてください。

  

基本情報技術者試験

基本情報技術者試験は、応用情報技術者試験と同様に、経済産業省が認定する情報処理技術者試験の一部門です。この試験は、IT業界での活動に必要な基礎的な知識を検証するもので、初学者にとっては一定の難しさがあります。ただし、応用情報技術者試験の偏差値65に対して、基本情報技術者試験は偏差値49であり、合格しやすい試験とされています。また、共通キャリア・スキルフレームワークのレベルでは、基本情報技術者試験は「レベル2」です。応用情報技術者試験と比較すると、1つ下の難易度レベルであるため、応用情報技術者試験の方が高い難易度であると言えます。

  

ITパスポート試験との難易度比較

ITパスポートは、ITに関する基礎的な知識を証明する経済産業省が認定する国家試験です。この試験はIT系の国家試験の中で入門レベルに位置し、エンジニア職だけでなく、事務職や営業職などさまざまな職種の社会人、学生が受験しています。

情報処理技術者試験の中でITパスポートはレベル1であり、最も難易度が低く、ITスキルの初歩を学ぶのに適した資格です。また、合格率は平均して50%前後であり、2人に1人が合格しています。国家試験の中では合格率が高く、難易度もそれほど高くないと言えます。

ITパスポートを取得した後、プログラマーやエンジニアを目指す場合は、レベル2の基本情報技術者試験、そしてレベル3の応用情報技術者試験へと進むことができます。したがって、応用情報技術者試験の難易度は、この3つの中で最も高いです。

  

高度情報処理技術者試験との難易度比較           

高度情報処理技術者試験は、IPAが実施する国家試験であり、情報処理技術者のスキルレベル4に相当します。情報処理技術者試験の中で最も高いレベルに位置づけられている試験です。スキルレベル3の応用情報技術者試験よりさらに難易度が高くなります。

本試験は高度試験とも呼ばれ、ITストラテジスト試験、プロジェクトマネージャ試験など、合計8つの試験区分で構成されており、各試験はプロジェクト責任者としての役割を果たし、事業をITスキルで推進し、開発を主導できる能力を持つ人材を対象としています。

高度情報処理技術者試験は、基本情報技術者や応用情報技術者の資格を取得したうえで、挑戦するとよいでしょう。情報処理技術者試験のスキルレベルを確認しておきましょう。

 

レベル1:ITパスポート試験

レベル2:基本情報技術者試験

レベル3:応用情報技術者試験

レベル4:高度情報処理技術者試験

 

 

応用情報技術者試験に合格するためにおすすめの勉強方法 

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最後に応用情報技術者試験合格に向けて勉強方法のポイントを2つご紹介します。

 

過去問を活用する

応用情報技術者試験の出題範囲は幅広いため、過去の試験問題を解いて試験の傾向を理解し、効率的に勉強することが重要です。特に午前試験では、過去問から出題されることが多いため、過去問を反復して解くことで出題の傾向をつかむ学習法がおすすめです。この学習方法により、試験の出題傾向を分析できることに加えて、自分の得意な分野や解答しやすい問題の特徴、理解不足があるかもしれない箇所を把握することができます。初めに重要なポイントや点数を伸ばせる可能性がある分野が明確になることで、学習計画の方向性が見えてくるでしょう。

また、繰り返し過去問を解くことで午後の試験に必要な知識も身に付きます。午後試験は応用問題であり、解答方式は記述式です。説明がわかりやすい参考書を使って、効率的に勉強を進めましょう。

 

専門の講義を受ける         

スケジュール管理が苦手な方には、受験指導校で専門の講義を受けて学習することをおすすめします。受験指導校は受験者のレベルに合わせたカリキュラムや学習スケジュールを提供してくれるため、計画的に勉強を進めることができます。また、応用情報技術者試験に詳しい講師が合格に向けたポイントや問題解決のコツを解説してくれるのも、受験指導校を利用するメリットです。

また、資格講座を利用して通学や通信で試験対策する方法も一つの選択肢です。応用情報技術者試験に特化したコースを選べば、出題範囲を包括的にカバーした教材に基づいて計画的に学習が進められます。また、質問ができる環境が整っているため、理解できない点について講師に質問でき、モチベーションを維持できます。さらに、大学でデータサイエンスを学びながら、応用情報技術者試験の合格を目指すという方法も検討してみましょう。

 

 

応用情報技術者試験合格を目指すなら”順天堂大学”

順天堂大学は、8学部、4つの研究科、さらに6つの附属病院から構成される、健康総合大学および大学院です。同大学は、教育、研究、診療・実践の三つの柱を通じて、国際的な水準で社会貢献と人材育成を推進しています。

学校の歴史は1838年まで遡り、医学、医療、スポーツの分野で「仁」を学びの基盤とし、長い年月をかけて社会への貢献を果たしてきました。現在、医学、医療、スポーツに関する環境は急速に変化しており、テクノロジーの進歩に伴い、データ分析が新たな解決策の提供に求められています。

この状況を考慮し、順天堂大学は国内で先駆的な健康データサイエンス学部を開設しました。長い歴史が証明する豊富な実績と専門知識、蓄積されたデータを活かし、健康とデータサイエンスの分野において高品質な教育を提供しています。

 

健康データサイエンス学部|順天堂大学

https://www.juntendo.ac.jp/academics/faculty/hds/

資料請求|順天堂大学健康データサイエンス学部

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お問い合わせ|順天堂大学健康データサイエンス学部

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まとめ

応用情報技術者試験の推定偏差値は約65、過去8回の試験では平均合格率が22.7%であり、基本情報技術者試験よりも難易度が高くなります。難易度が高い主な理由は、広範囲な試験内容と、午後試験において記述式の問題が多いことです。

資格取得のためにおすすめされる勉強方法は、過去の試験問題を最大限に活用することです。また、受験指導校や資格講座で専門の講義を受ける方法、大学の関連学部で応用情報技術者試験に向けた学習を進める方法もあります。個々の状況に合わせて、適切な勉強法を見つけて合格を目指しましょう。

 

 

参考サイト:

https://www.tac-school.co.jp/kouza_joho/joho_ap/ap_gogo_taisaku.html

https://www.tac-school.co.jp/kouza_joho/joho_ap/ap_study_time.html

https://proengineer.internous.co.jp/content/columnfeature/18809

https://and-engineer.com/articles/YhguZhMAADOEg10M#heading3-10

https://studying.jp/oyojoho/about-more/tankigokaku.html