コラム データサイエンティストにおすすめの資格とは?勉強方法なども解説!

データサイエンティスト

私たちは毎日のようにスマートフォンやパソコンを使用して、調査やネットショッピングなどを行っています。これらの活動によって生まれる膨大なデータは「ビッグデータ」として知られており、多くの企業がその価値を最大限に活用しようとしています。この中で、注目されている職業の一つが「データサイエンティスト」です。本記事では、データサイエンティストの仕事内容に触れた後、関連する資格について概要とおすすめの理由などを解説します。資格取得のための学習方法や、資格以外で必要なスキルや知識についても説明しますので、最後までお読みください。

 

 

そもそもデータサイエンティストとは        

データサイエンティストは、データ収集や分析に特化した専門家です。データサイエンティストは、膨大な情報量のビックデータから必要な情報を選び出し、それをビジネス活動に活かせる形にするための分析を行います。ビジネスでは、顧客情報や売上データなどの膨大な情報が扱われますが、これらを分析し、課題を見つけ出したり、事業戦略を練ったりするのがデータサイエンティストの役割です。

dodaの調査によると、データサイエンティストの年収の平均は約522万円です。これに対して、令和4年度の日本人の平均年収は458万円とされています。つまり、データサイエンティストの年収は、日本の平均年収を約64万円も上回っていることがわかります。

 

参照:

令和4年分民間給与実態統計調査結果について|国税庁https://www.nta.go.jp/information/release/kokuzeicho/2023/minkan_2023/pdf/01.pdf

日本のビジネスパーソンの平均年収は?平均年収ランキング(平均年収/生涯賃金)【最新版】 |転職ならdoda(デューダ)

https://doda.jp/guide/heikin/

 

関連リンク:データサイエンティストとは?仕事内容や需要、年収などを解説

https://www.juntendo.ac.jp/academics/faculty/hds/folder/1/

 

 

データサイエンティストにおすすめの資格一覧

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ここではおすすめの資格を厳選して7つご紹介します。

 

1:データサイエンティスト検定

データサイエンティスト検定は、データサイエンスの能力を認定する唯一の試験です。以前は、データサイエンスに特化した資格は存在しませんでしたが、近年、データサイエンティストの職業としての認知度と需要度が急速に拡大し、それに応じてデータサイエンティスト協会は2021年4月に「データサイエンティスト検定™(DS検定™)」を導入しました。この検定は民間資格で、4つのレベルに分かれています。現在は初級のレベルのみが提供されています。幅広いデータサイエンスの知識がテストされるため、データサイエンス初心者に適しています。データサイエンティストをこれから目指す方にとっては、最初に受験すべき検定と言えるでしょう。

詳細な模擬問題や試験範囲などは、データサイエンティスト協会のウェブサイトで提供されています。また、公式から提供されている対策アプリやテキスト、解説動画などを活用することで、効果的に対策できます。これらの学習リソースもデータサイエンティスト協会の公式ウェブサイトに載っていますので、積極的に活用して勉強を進めてください。

DS検定® ★ データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル|一般社団法人データサイエンティスト協会

https://www.datascientist.or.jp/dscertification/

 

2:OSS-DB技術者認定試験

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OSS-DB技術者認定試験とは、OSS-DB(オープンソースデータベース)に関するスキルを評価する試験です。インターネットの普及とともに、多くのウェブサイトがオープンソースツールを活用しており、オープンソースデータベースの需要が高まっています。そのため、その技術力を証明するために価値がある資格と言えるでしょう。

資格レベルは、OSS-DBの運用管理スキルを証明する「Silver」と、大規模システムの改善・運用管理などをカバーする「Gold」の2つが存在します。Goldを受験するには、まずSilverを取得することが必要です。また、試験に不合格だった場合でも、同日に再受験することが可能ですので、積極的に挑戦してみましょう。試験の合格率は公開されていませんが、一般的には70%程度と言われており、難易度が高すぎることはありません。公式ウェブサイトでは、試験対策のためのリソースが提供されています。過去の問題や学習教材が紹介されているので、それらを上手く活用して学習を進めてください。

DBスペシャリストを認定する資格 OSS-DB技術者認定試験

https://oss-db.jp/

 

3:統計検定

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統計検定は、統計学の知識や応用能力を評価する資格試験です。統計学の知識は、データサイエンティストにとって最も必要な「分析力」を測る際に不可欠です。この資格試験を受験することで、応用的な統計活用能力を身につけることができ、重要なスキルを習得するチャンスとなります。統計検定には5つのレベルがあり、特に準1級は2級までの基礎知識を持ちながら、応用的な統計手法について問われるレベルです。データサイエンティストを目指す場合、準1級の取得を目指しましょう。ただし、準1級を受験するには、まず2級に合格することが必要です。

日本統計学会から公式の問題集が提供されており、過去問題も含まれています。また、検定の公式ウェブサイトでは出題範囲表や、テキストには載っていない直近の試験問題と解説が提供されています。2021年6月の試験結果によれば、準1級の合格率は23.6%であり、2級は34.1%でした。統計学を大学などで学んだ経験がある人にとっては、準1級も挑戦しやすいかもしれませんが、2級と比べて試験範囲は広く、基礎知識が不足していると難しいでしょう。それに対して、2級の試験は高度な数学の問題は出題されていないため、まずは2級を取得し基礎を固め、その後に準1級に挑戦すると良いでしょう。

統計検定:Japan Statistical Society Certificate

https://www.toukei-kentei.jp/

 

4:オラクルマスター

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オラクルマスターは、日本オラクル社が提供するオラクルデータベース管理に必要な知識と技術を評価する資格試験です。オラクルデータベースは、多くの企業で広く使用されており、OSS-DBよりも一般的です。この資格を持つ人は多く、エンジニアやプログラマーの間で非常に人気があります。

試験内容は、データベースの構築運用、SQLを使用したデータの抽出、データベースの管理など、データベースに関する幅広いトピックがカバーされます。この資格試験は4つのレベルから構成されており、Bronzeから順に合格しなければ、次のレベルの試験を受験することはできません。合格率は公開されていませんが、基本となるBronzeの試験も簡単ではないと言われていますので、かなりの学習量が求められます。ただし、Silver以降のレベルに合格すると、世界的に認められるOracle Certification Programの認定を受けることができ、データサイエンティストとしての価値を高めることにつながります。公式のウェブサイトに詳細な学習方法が掲載されていますので確認しておきましょう。

ORACLE MASTER Portal - be an ORACLE MASTER - | オラクル認定資格制度 | Oracle University

https://www.oracle.com/jp/education/index-172250-ja.html

 

5:データベーススペシャリスト試験

データベーススペシャリスト試験は、先にご紹介した「データサイエンティスト検定」がまだ導入されていなかった間に、データサイエンス能力を認定する資格として活躍してきました。 しかし、データサイエンティスト検定が開始された後も、変わらず価値のある検定ですので、より高みを目指したい方におすすめします。本資格はデータベースの設計と管理に関する国家資格であり、特にビッグデータから必要な情報を収集、分析する仕事を担うデータサイエンティストにとって非常に価値のあるものです。

ただし、合格率は20%以下と非常に厳しく、初心者が一度で合格するのはほぼ不可能と言われています。一定程度のデータベースの業務経験がある人や、他の関連試験で知識を身につけた人ならば、挑戦できるでしょう。過去の試験問題が公式ウェブサイトで提供されており、対策テキストも充実しています。この試験では毎年似たような問題が出題される傾向があるため、過去の問題集に焦点を当てて勉強することがポイントです。

データベーススペシャリスト試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/db.html

 

6:G検定・E資格

G検定・E資格は、AI技術に関する知識とスキルを評価する試験です。G検定ではAIの活用するスキルを、E資格ではAIの開発スキルを証明する資格が取得できます。データサイエンティストに求められる能力の一つは、機械学習・深層学習の知識ですが、これらのスキルは、G検定の勉強を通じて網羅できます。特にAI関連の仕事に興味があるデータサイエンティストは、この資格を取得しておくとよいでしょう。

E資格を受験するには、日本ディープラーニング協会が認定するプログラムを修了する必要があります。また、プログラム修了後2年以上経過すると受験資格が失効しますので、計画的に勉強を進めましょう。

G検定の合格率は約55〜70%、E資格の合格率は約70%前後ですが、試験の難易度は高いとされています。G検定に関しては、公式の対策テキストが提供されていますので、それを中心に学習を進めつつ、足りない部分は個別の補足テキストで補完しましょう。なおE資格に関しては、過去問が公表されていませんが、対策の方法としては認定プログラムの講義動画とプログラム時に配布される例題を活用することをおすすめします。

資格試験について - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】

https://www.jdla.org/certificate/

 

7:Python3 エンジニア認定データ分析試験

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Python3エンジニア認定データ分析試験は、プログラム言語「Python」を用いたデータ分析の基礎と手法について問われる試験です。

データ分析を行うというデータサイエンティストの仕事上、Pythonに精通している必要があります。Pythonは、簡潔なコードでプログラムを記述できる特徴を持っており、非常に人気のあるプログラム言語です。その汎用性は高く、データ分析だけでなく、Webアプリケーション開発にも利用されており、その代表例がYouTubeやGoogleなどです。

この試験は、Pythonやプログラミングの初学者を対象としていますので、プログラミングの基礎を身につける第一歩として、受験してみる価値があります。試験の出題範囲は、「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書(翔泳社出版)」に基づいています。そのため、試験内容や出題範囲の詳細については、その教科書を参照してください。また、模擬試験も無料で公開されているので、教科書と模擬試験の両方を活用して学習を進めることをおすすめします。

データ分析試験 | Python試験・資格、データ分析試験・資格を運営する一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会のページです。

https://www.pythonic-exam.com/exam/analyist

 

 

データサイエンティストが資格を取得するメリット

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資格を取得することで得られるメリットを見ていきましょう。

 

メリット1:実務に活用できる応用力が身に付く

資格取得のメリットは、単にデータサイエンスの知識を習得できるだけでなく、実務で役立つスキルが身に付きます。データサイエンティストとして働く場合、業務に必要なノウハウについては、上司や先輩から学ぶことができます。しかし、データサイエンスの専門知識を学んでいない人は、基本的な知識が不足しており、その会社独自のスキルしか身につけることができないでしょう。さらに、教えられた知識だけでは、他の業務には対応できず、他の企業では通用しないことが懸念されます。

このような状況を回避するためには、資格取得が非常に効果的です。資格を取得することで習得したスキルはその場限りの一時的なものではなく、他の場面でも活かすことが可能です。

 

メリット2:就職や転職の際に自身のスキルを証明できる

どの企業であっても、共通の評価基準として資格が重要です。求職の際、必ずしも資格の保有が必要ではありませんが、特定の職種では資格が必須とされる場合もあります。また、転職の際にも、資格保有者は優遇されることが一般的です。

今回ご紹介した資格は、初心者から上級者向けまでさまざまですが、取得するにはそれ相応の勉強をしなければ、取得はできません。そして、勉強を通して得られた知識やスキルは決して無駄にはなりません。業務効率が向上したり、活躍の場が広がったりなど、さまざまな形で恩恵を受けることができるでしょう。また、資格を持っていることで、他の候補者との差別化も可能です。データサイエンティストを目指すなら、将来の就職や転職を見据えて資格取得をおすすめします。

 

 

データサイエンティストにおすすめの資格を取るための勉強法はある?              

明確な資格取得目標を持つことで、独学でもモチベーションを維持し、継続的に学習を進めることができます。先述の3つの資格(データサイエンティスト検定、統計検定、G検定)は、独学で取得可能でありながら、データサイエンスの基本的な知識や技能を習得するのに役立ちます。自分のペースで学習できるという独学の利点はありますが、難関資格を目指す際には学習範囲が広く、モチベーションの維持が難しいとされています。

そのため、効率的な学習を目指す場合には、学校や講座に通う方法がおすすめです。これには、講師への即時質問が可能であり、疑問点がすぐに解消される利点があります。体系的なデータサイエンティストの知識とスキルが習得できるため、実務での活用が容易です。独学よりも費用がかかる点は欠点ですが、政府が提供する給付金制度の対象となる講座もあるため、調べてみる価値があります。

 

 

資格以外でデータサイエンティストに求められるスキル・知識とは?

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データサイエンティストには、資格だけでなく、ビジネス、データサイエンス、データエンジニアリングといったスキルと知識が求められます。

ビジネス力は、問題の背景を理解し、課題を整理して解決する能力であり、幅広い知識と技術を身につけることが求められます。データサイエンス力は、適切なデータの選定と分析結果の解釈能力を指し、統計学や人工知能の知識が不可欠です。また、データエンジニアリング力は、データを有用な形に整え、実装や運用が可能な状態にする能力を指します。このスキルには、データベース操作とプログラミングスキルが特に重要です。

関連リンク:データサイエンティストになるにはどうしたらいい?必要なスキルなど

https://www.juntendo.ac.jp/academics/faculty/hds/folder/4/

 

 

データサイエンティストを目指すなら”順天堂大学”

順天堂大学は、1838年に設立された西洋医学塾を起源とする、日本最古の医育機関です。医学、看護学、スポーツ健康科学など8つの学部、4つの研究科、6つの附属病院で構成される、健康総合大学・大学院大学です。学校のモットーは「仁」であり、その理念は「不断前進」に基づいています。順天堂大学の学風は「三無主義」として知られ、学生の出身校や国籍、性別に関係なく、優秀な人材を求め、自己研鑽、競争原理、相互信頼のもとで、高い倫理観に基づいた教育、研究、臨床を実践しています。

順天堂大学は、2023年4月に「健康データサイエンス学部」を開設し、順天堂大学の健康、医療、スポーツ分野のリソースを活用して、データサイエンス人材の養成を行っています。日本の医学、医療、スポーツの分野のリーダーとして、順天堂大学はデータサイエンスを活用し、人々の暮らしと健康を支える分野をさらに発展させていくことが期待されています。

  

健康データサイエンス学部|順天堂大学

https://www.juntendo.ac.jp/academics/faculty/hds/

順天堂大学健康データサイエンス学部 資料請求

https://www.umcnavi.jp/jtm/sm/index.asp

 

 

まとめ   

ビッグデータ市場は日々拡大し、データサイエンティストの需要も急増しています。関連の資格を取得することで、自身のスキルを証明し、データサイエンティストとしてのキャリアをスタートさせるチャンスが広がります。資格取得は知識を深めるだけでなく、自身の能力を証明する重要な手段です。データサイエンティストを目指して、ぜひ適切な資格取得にチャレンジしてみてください。

 

参考サイト:

https://www.skillupai.com/blog/ai-topics/about-ds-certification/#no2

https://datamix.co.jp/media/careerenhancement/data-scientist/howto-study-data-scientist-also-self-study/

https://www.studyplus.jp/1604