コラム データサイエンティスト検定の難易度は?合格率、勉強方法、おすすめの参考書を紹介

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データサイエンティストとして働きたい方におすすめしたいのが、データサイエンティスト検定の取得です。この検定に合格すれば、データサイエンティストとして働く上で、基礎的なスキルや能力があることを証明できます。試験の難易度は容易とは言えないものの、しっかりと学習すれば合格も十分見込めます。本記事ではデータサイエンティスト検定の概要を押さえた上で、データサイエンティストとして働くのに役立つ他の資格などについても解説していきます。

 

 

データサイエンティスト検定とは何か?

まずは、データサイエンティスト検定とはどのような試験なのか、その概要を確認していきましょう。

 

データサイエンティストリテラシーレベル(DS検定)の概要

データサイエンティスト検定リテラシーレベル(DS検定)とは一般社団法人データサインエンティスト協会が実施している検定です。

 

トップ|一般社団法人データサイエンティスト協会

https://www.datascientist.or.jp/

 

データサイエンティスト協会では、データサイエンティストとしてのスキルレベルを以下の4段階に分けて定義しています。

スキルレベル

レベルの目安

対応できる課題

シニア データサイエンティスト

4:業界を代表するレベル

・産業領域全体

・複合的な事業全体

フル データサイエンティスト

3:棟梁レベル

・対象組織全体

アソシエート データサイエンティスト

2:独り立ちレベル

・担当プロジェクト全体

・担当サービス全体

アシスタント データサイエンティスト     

1:見習いレベル

・プロジェクトの担当テーマ

 

参照:一般財団法人データサイエンティスト協会「データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル」

https://www.datascientist.or.jp/dscertification/what/

 

DS検定は上記4つのレベルにおいてもっとも初歩的なレベルにあたる「アシスタント データサイエンティスト」に相当します。

データサイエンティスト検定はデータサイエンティストをこれから目指す上での最初の関門といえるでしょう。試験ではデータサイエンティストに求められる基礎的知識が網羅的に問われます。

 

データサイエンティスト検定で問われる内容

続いて、データサイエンティスト検定ではどのような問題が問われるのか見ていきましょう。

データサイエンティスト検定で問われる内容は主に以下の3つの項目に分けられます。

  • ビジネス力
  • データサイエンス力
  • データエンジニアリング力

 

1.ビジネス力

ビジネス力とは課題背景を理解し、ビジネス課題を整理し、解決に導く力のことです。データサイエンティスト検定では、データサイエンスに関する知識やデータエンジニアリングの技能をいかに現実の課題に応用できるか回答することが求められます。

 

2.データサイエンス力

データサイエンス力とは情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し、活用する力のことです。データサイエンティスト検定では統計学や線形代数、微分積分などの基礎数学、機械学習の仕組み、データの扱い方などが問われます。

 

3.データエンジニアリング力

データエンジニアリング力とはデータサイエンスを扱えるようにし、実装・運用していく力のことです。データサイエンティスト検定ではPythonなどのプログラミングの仕組み、データの加工方法などについて問われます。

 

 

データサイエンティスト検定以外の資格

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データサイエンティストとして働く上で、データサイエンティスト検定以外にもおすすめの資格があります。

データサイエンティストとしてスキルを高めたい方やデータサイエンティストに重複する分野の知識を取得したい方は、以下の3つの検定についても検討してみてください。

  • ITパスポート
  • G検定
  • 統計検定

 

ITパスポート

ITパスポートは独立行政法人情報処理推進機構が実施している国家資格です。これからIT業界で働きたいと考える方を主な受験対象者としており、試験ではIT全般のリテラシーが問われます。試験に合格すると、情報処理に関する知識と技能を保有していることを証明できます。

データサイエンティスト検定はデータサイエンスに特化しているのに対し、ITパスポートではIT全般に関する知識やリテラシーが幅広く問われます。

 

ITパスポート試験 | 試験情報 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/ip.html

 

G検定

G検定とは一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施している試験です。データリテラシー協議会はG検定を「人工知能(AI)・ディープラーニング領域」に位置付けています。

G検定では人工知能や機械学習、ディープラーニングに関する知識が幅広く問われます。エンジニア以外の人も受験対象としている他、重要語句についても多く問われているため、Pythonなどで機械学習を実装した経験がない人も受験可能です。

データサイエンティスト検定ではデータサイエンス分野全体から出題されるのに対して、G検定では機械学習や人工知能に関する問題が主に出題されます。

 

G検定とは - 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】

https://jdla.org/certificate/general/

 

統計検定

統計検定とは一般財団法人統計質保証推進協会が実施し、一般社団法人日本統計学会が運営している試験です。また、試験は10区分に分かれており、レベル別に受験することができます。

データサイエンティスト検定ではデータサイエンスに特化した知識が問われますが、統計検定では統計学に関する問題が中心である他、計算問題も出題されます。

 

統計検定 | 一般財団法人 統計質保証推進協会

https://qajss.org/certificate/

 

  

データサイエンティスト検定の難易度は?

データサイエンティスト検定の難易度は低くないものの、対策をしっかりと行えば十分合格を見込めます。

ただし、データサイエンティスト検定は出題範囲が広く、数学の基礎力がなければ難しい試験となるため、数学が苦手な方や数学をイチから勉強する方にとっては難易度が高くなります。

データサイエンティスト検定にはG検定やITパスポート、統計検定と出題範囲が重複している部分もあります。これらの試験を受けたことがある方は合格までの道のりは長くはないはずです。

 

 

データサイエンティスト検定の合格率はどれくらい?          

データサイエンティスト検定の合格率を以下の表にまとめましたので、確認してみてください。

 

受験者数

合格率

合格ラインの目安

第1回(2021年9月実施)

約1,400名

約66%

正答率約80%

第2回(2022年6月実施)

約2,900名

約50%

正答率約80%

第3回(2022年11月実施)

約2,600名

約42%

正答率約79%

第4回(2023年6月実施)

約3,050名

約44%

正答率約79%

 

参照:過去実施結果|一般社団法人データサイエンティスト協会

https://www.datascientist.or.jp/dscertification/results/

 

 

データサイエンティスト検定の勉強におすすめの参考書

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データサイエンティスト検定は参考書を活用し、学習することで合格を見込める検定です。ここでは、学習におすすめの参考書を紹介していきます。

 

『合格対策 データサイエンティスト検定[リテラシーレベル]教科書』

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出典:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784865943412

 

2023年5月に出版された新しい参考書です。この本1冊で、データサイエンティストに関する基礎から実践まで学ぶことができます。また、模擬試験も付属しているため、参考書での学習の成果を最後に測定できます。

データサイエンティスト検定を主催するデータサイエンティスト協会が監修しているため、試験問題や出題範囲にも重なる内容となっています。

 

『最短突破 データサイエンティスト検定(リテラシーレベル)公式リファレンスブック 第2版』

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出典:https://gihyo.jp/book/2022/978-4-297-12832-6

 

前述の本と同様、本著もデータサイエンティスト協会が出版している公式のテキストです。内容は出題範囲のスキルチェックリストごとにコンパクトにまとめられています。そのため、短期間で一冊の参考書を終えたいという方にもおすすめです。

ただし、一項目につき1ページしか割かれていないため、細やかな説明が必要な方にとっては少々物足りなさを感じるかもしれません。

 

 

データサイエンティスト検定の勉強におすすめの問題集 

あわせて、データサイエンティスト検定におすすめの問題集を紹介します。

 

『徹底攻略データサイエンティスト検定問題集[リテラシーレベル]対応』

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出典:https://book.impress.co.jp/books/1121101053

 

データサイエンティスト検定に特化した問題集となっており、出題範囲を網羅しています。この問題集を解くことでDS検定の出題形式に慣れることができます。さらに、問題数も多いため、さまざまな問題にふれたい方にもおすすめです。

 

 

データサイエンティスト検定はどのような人におすすめ?

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データサイエンティスト協会は、データサイエンティスト検定の受験対象者を以下のように想定しています。

  • データサイエンティスト初学者
  • これからデータサイエンティストを目指すビジネスパーソン
  • データサイエンティストに興味を持つ大学生や専門学校生など

 

データサイエンティストとしてこれから仕事をする方はもちろんのこと、この職業に興味のある方も受験してみることをおすすめします。

 

 

データサイエンティスト検定のおすすめの勉強方法

データサイエンティスト検定は独学でも十分に対応できる試験であり、市販のテキストと問題集を中心に学習を進めることで合格を見込むことができます。また、G検定やITパスポートなどを取得済みの方であれば、スムーズに学習を進めていけるでしょう。

また、データサイエンスを初めて学習する方には講座の受講もおすすめです。講座を受講すれば、自分では解決できない部分などを講師が分かりやすく説明してくれるため、学習の効率がアップします。

 

 

データサイエンティスト検定の勉強時間は?

データサイエンティスト検定の学習時間は受験者の経験や知識量などによって異なるため一概には言えません。

データサイエンスについて全く知識がない方の場合、試験範囲の知識を習得するのに3カ月程度の期間が一般的に必要です。

一方、データサイエンスの基礎を習得している方であれば、1カ月程度の学習期間でも合格レベルまで到達できます。

 

 

データサイエンティスト検定は就職や転職に有利?

データサイエンティスト検定は就職や転職に有利です。この資格を保有していれば、見習いレベルのデータサイエンティストの知識とスキルを保有していることに加えて、データサイエンティストとしての適性がある程度あることを証明できます。

現在、多くの企業がDXに力を入れており、DX化を担う人材としてデータサイエンティストを採用したいと考えています。そのため、データサイエンティスト検定に合格していることで、選考時に有利にはたらく企業も多くあります。

 

 

データサイエンティスト検定の試験日

データサイエンティスト検定は年に2回開催しており、それぞれ約3週間の期間中に好きなタイミングで受験します。

2023年度~2024年度の試験は、以下の日程で受験期間が決まっています。

 

第4回:2023年6月3日(土)~2023年6月25日(日)

第5回:2023年11月11日(土)~2023年12月3日(日)

第6回:2024年3月上旬~下旬

 

※第7回以降は未定

 

参照:

DS検定® ★とは|一般社団法人データサイエンティスト協会

https://www.datascientist.or.jp/dscertification/what/

一般社団法人データサイエンティスト協会 » データサイエンティスト検定 第4回~第6回の試験期間予定の発表

https://www.datascientist.or.jp/news/n-news/post-729/

 

試験はCBT方式で実施されるため、全国の試験センターで受験可能です。試験結果の発表は公式サイトから行えます。試験日から約1カ月後に確認できます。

 

 

データサイエンティストを目指すなら“順天堂大学”

データサイエンティストを目指したいと考えている方には「順天堂大学」の「健康データサイエンス学部」がおすすめです。

同学部ではデータサイエンティストに求められる基礎的な知識やスキルを取得できることにとどまらず、3、4年次にはインターンシップを通してより実践的な学びの機会を得られます。

また、就職支援の手厚さも特長となっており、専任教員と職員が連携して進路指導を行っている他、就職活動に対する不安や悩みについても個別相談を受け付けています。

 

健康データサイエンス学部|順天堂大学
https://www.juntendo.ac.jp/academics/faculty/hds/

資料請求|順天堂大学健康データサイエンス学部
https://www.umcnavi.jp/jtm/sm/index.asp

お問い合わせ|順天堂大学健康データサイエンス学部https://www.juntendo.ac.jp/academics/faculty/hds/contact/contact/

 

 

まとめ

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データサイエンティストは専門性が高い職業であるため、検定の難易度はある程度高い傾向にあります。しかし、しっかりと学習すれば合格できる見込みのある試験ですので、トライしてみる価値は十分あります。

データサイエンティストは近年において高い需要のある職業ですので、検定に合格し、スキルを客観的に証明できれば、内定につなげることもできるでしょう。

 

参考URL

https://www.datascientist.or.jp/dscertification/

https://shikakutimes.jp/spotlight/570#1

https://www.jdla.org/certificate/general/

https://www.sbbit.jp/article/cont1/37840