教員紹介 教員詳細

渡 正 先任准教授(わたり ただし)

【学部】スポーツマネジメント学科、【大学院】博士前期課程・研究指導教員 博士後期課程・研究指導補助教員

担当授業科目:【学部】スポーツ社会学[前半]、スポーツ文化論、スポーツメディア論 他 【大学院】スポーツ健康科学研究方法論、スポーツ社会学

スポーツや障害者スポーツに関する社会学的研究を行っている。映像による相互行為分析、インタビュー調査やフィールドワーク、メディア言説の分析に力を入れている。

学位名称 博士(学術)
専 門 スポーツ社会学・障害社会学
研究分野 社会学(スポーツ社会学・障害社会学)・障害者スポーツ論
キーワード 障害者スポーツとパラリンピック(歴史、メディア分析、実践のフィールドワーク、インタビュー調査)、スポーツ実践・コーチングの社会学(相互行為分析・概念分析(エスノメソドロジー))
クラブ活動 ラグビー部 部長

研究領域

社会学/エスノメソドロジー

社会学はいろいろな社会現象について、人間同士のつながりのなかで、あるいは社会関係の具体的場面から考えます。

だからスポーツも、スポーツが存在する大きな社会構造のなかにおいて考えたり、スポーツを通して社会構造を考える必要があります。もうちょっと簡単に言えば、スポーツの良い面・悪い面をしっかりと考える立場を重視します。そのために、アンケートを使って統計的に調査したり、インタビューやフィールドワークから研究していきます。
私は特に、質的(定性的)な研究手法を用いることを中心にしています。また、エスノメソドロジーとよばれる、会話・ビデオ分析の手法から、人々がおこなっていること、スポーツ活動を可能にする環境・道具のデザインについて研究しています。

研究テーマ

障害者スポーツ・パラスポーツ

私は主に「障害者スポーツ」を対象に研究しています。メインは障害者スポーツの具体的場面の相互行為(コミュニケーション)の分析です。車椅子バスケに参加する人たちは、自分自身の「障害」をどのように考えているでしょうか。スポーツ参加を難しくしている要因でしょうか。
お話を聞いたり、日々の活動や振る舞いをみていくとそうとも言えないようです。むしろ、障害があることが大事なように振る舞ったりしています。車椅子バスケという人間同士のつながりにおいて、「障害」とはたんにネガティブなものではないことがわかりました。「障害」を言葉の意味だけで考えていてはわからないことが現場にフィールドワークしたりインタビューしたりすることで見えてきます。

現在の研究プロジェクト

●障がい者スポーツ関連科研費
・1964年のパラリンピック東京大会に関わる人達へのインタビュー
・戦前の障害者スポーツの歴史的研究その他
・パラリンピック教育の概念の整理
・パラリンピック教育プログラム開発
・公営体育館における障害者利用を阻む要因の検討
・障害者関連のメディア映像の研究
・障害者アスリートの雇用状況の研究
●スポーツ相互行為場面のビデオ分析科研費助成
・スポーツ指導場面における指導者と選手の相互行為分析
・視覚障害者のスポーツ場面における相互行為分析

ゼミ活動

試行錯誤を楽しめ/フィールドにでよう

スポーツの社会学は、スポーツとスポーツを取り巻く社会や文化、歴史や政治の関係を考えていきます。それはスポーツを大きく、広く、深く読み解いていく視点をもつことです。これはとても大変で、すぐに役立つものではないですが、とても楽しいと渡は思っています。そのためには、文献を読んでその内容をプレゼンしたり、ディスカッションしたりすることが重要ですので、たくさんその機会を持ちます。他大学/大学院の学生とディスカッションしたり、プレゼンしたりもします。こうしたことは試行錯誤が大事ですが、それを楽しむことが重要です。学部・大学院ともスポーツにまつわる歴史・制度・人々の方法の研究を行うことを求めますが、障害者スポーツの研究は必須ではありません。学部生同士・院生同士の主体的な活動が重要です。
その他、ゼミ活動では、印西市や千葉県とコラボして、障害者スポーツの体験会を企画・運営・指導して地域の子どもたちなどに伝えたり、障害者スポーツのイベントの運営(市役所とのコラボ)をしたり、他大学(筑波・東海・成蹊etc..)とコラボしたり、順大の他のゼミとコラボして実際に様々なスポーツ・障害者スポーツを楽しんでみたりします。

ゼミナール紹介(スポーツ社会学)

〔研究領域〕
スポーツ社会学/社会学,スポーツ政策
〔研究領域のキーワード〕
障害者スポーツ,スポーツ観光,オリンピック/パラリンピック,メディア
〔目標・方法・内容等〕
 スポーツ社会学は、スポーツ現象を「社会」というファクターを通して理解する学問です。スポーツを社会現象や文化として理解することで,スポーツの独自性を捉えたり,私たちが生きるこの世界における「スポーツ」のポジションだったり,それに関わる人びとがスポーツからどのような経験や意味を得ていたりするのかを考えていこうとするものです。
 そのため,スポーツ社会学の研究対象は多岐にわたり,「健康」や「余暇」,「体育」といったスポーツ現象に隣接したもの(あるいは文化など)も含んでいます。社会学は,物事を観察するときに出来るだけ広い視野を確保しようとするところに特徴があります。
 これを学ぼうとする学生には、スポーツだけにはとどまらず、広くさまざまな社会的現象に対して興味をもち、自分の頭と身体を使って考えることを求めます。実際にスポーツを観たり,行ったりするだけではなく,文献を読みこんだり,他人と議論したり,自分の意見を文章にして発表することに興味を持てることが重要です。こうした活動は,時に大変な労力を伴うこともあるでしょうし,時間を大きくとらなければいけないこともありますが,卒業後にもきっと活きることでしょう。
 3年次(通常&サブゼミ)では、スポーツ社会学の教科書的な文献を輪読・ディスカッションし,社会学的な思考を学び育んでいきます。また,研究室全員で取り組む課題(参加者との協議で内容を決めますが,たとえば障害者のスポーツツーリズムなど)を決定しテーマに関する研究も行います。4年次では、自ら選んだテーマについて,自ら資料やデータを収集し、卒業研究に挑戦します。
 みなさんには,実際の現場でのフィールドワーク(実践・観戦・調査)やゼミの仲間とのコミュニケーションやチームワーク,そしてなによりゼミでのさまざまな試行錯誤を楽しめる姿勢をもつことを期待しています。