入試情報 学生インタビュー N.Tさん
現場を知ることで、
最先端の医療につながる未来を
がん研究を志す薬学生が、順天堂で描く将来の自分
N.Tさん 薬学部2年
「祖父が膵臓がんで亡くなったことが、医療の道を志すきっかけでした」。
薬学部2年生のN.Tさんは、初めて身近な人の“死”に直面し、自分の無力さを強く感じたという。薬の力で誰かを救えるようになりたい― そう思い描いた未来は、がんの新薬研究に携わる薬剤師という目標に結びついた。
順天堂大学薬学部を選んだのは、「研究と臨床の両方を学べる環境」があったから。6つの付属病院と連携しながら、高度な実践教育を受けられることは、N.Tさんにとって大きな魅力だった。
Interview MOVIE
1年次から現場に触れた“本物の気づき”
印象に残っているのは、1年次の秋に行われた附属病院での見学実習。
「たった半日でも、病院を歩き回るのは体力的にきつくて驚きました」と振り返る。薬剤師には薬の知識だけでなく、現場で働く上での体力や多職種との連携力など、座学だけでは学べないスキルが求められることを肌で実感できたという。
特にがん薬物治療に関わる薬剤師の方から「担当した患者さんが回復していくのが何よりの喜び」と語られた言葉は、N.Tさんの胸に深く刻まれた。患者の回復に直接貢献できる現場のやりがいに触れ、「臨床での経験を活かして研究につなげたい」という想いが、より明確になったという。

薬学部を“自分たちの手で創る”楽しさと責任
N.Tさんが所属するのは、2024年に新設された順天堂大学薬学部。設備やカリキュラムはもちろん、学生生活もまさにこれから形作られる段階だ。
「まだできたばかりの学部なので、部活やイベントも自分たちで立ち上げていく面白さがあります」。
N.Tさん自身も薬学部フットサル部を設立し、部長として活動中。「週1回の練習ですが、勉強のリフレッシュにもなっています」と笑顔を見せる。
一方で、新設学部ならではの不安もあったという。「過去問がないことや、先輩がいないことで不安はありましたが、先生方が丁寧にサポートしてくださるので、安心して勉強に取り組めています」。教員との距離が近く、アドバイザー制度を通じて気軽に相談できる環境も心強いと話す。

“仲間と一緒に頑張れる場所”で学びを深める
N.Tさんが日々勉強するのは、2号館5階のラーニングコモンズ。
「わからないことを教え合ったり、雑談したり。自然と支え合える雰囲気があります」。
授業では、薬理学や有機化学など本格的な専門科目もスタート。高校で履修していなかった物理には苦戦もあるが、「実際に薬がどう作用するのかを深く理解できるのは面白い」と、学びの充実感を語る。
また、医学部・医療看護学部の学生とともに取り組む「多職種連携ワーク」も印象的だったという。互いの意見を出し合いながら議論する難しさとともに、チーム医療における薬剤師の役割を考える貴重な経験となった。

臨床と研究、その両方を見据えて
将来は、がんの新薬開発に関わる研究職を志しているN.Tさん。ただし、その前に病院薬剤師として現場を経験したいと考えている。「患者さんの声を直接聞くことが、新薬開発にも生きると考えています」。
高校時代にサッカー部のセカンドチームでキャプテンを務めていた経験から、人の意見を聞いて形にしていく力を大切にしてきた。その姿勢は、医療にも活かされていくはずだ。
「順天堂は、仲間と一緒に頑張っていける場所」。
薬学の学びと向き合いながら、自分の将来像を描き、歩み続けるN.Tさんの姿は、これから薬学を志す高校生にとって、大きなヒントとなるだろう。