研究科概要 医学部附属病院

順天堂人として使命感をもって

順天堂の大きな特長は、「自由な競争環境の中にこそ、活気ある教育研究活動が展開される」という共通認識が連綿と受け継がれてきたことです。旧設医大でありながら、まったくといってよいほど学閥がなく、優秀な人材であれば出身校を問わず任用するという学風が確立されています。
そして、順天堂に集う者はすべてがその学風を理解し、自己研鑽と競争環境、相互信頼の下、“順天堂人”としての連帯感を涵養し、高い倫理観に基づいた医療を実践し続けています。
天保9(1838年)の開設以来、最先端の医療技術と知識で日本の医学界をリードし続けてきたのが、東京・本郷の順天堂医院です。総病床数1,051床、外来患者数1日平均約4,500人で、診療圏は、国内はもとより東南アジア、欧米に及びます。また、欧米の大学、国際学会、シンポジウムなどへ招待される研究者も数多く、諸外国からの実習生、研究員も絶えることがありません。まさに西洋医学の導入、興隆に率先して取り組んできた順天堂の伝統がここに息づいているといえます。
また、病院建築技術の粋を集めた新病棟(B棟)として、平成26年(2014)に21階建ての高層棟、平成28年(2016)に7階建ての低層棟が竣工し、安全性と環境に配慮した最新鋭の療養環境整備を実現しました。

学是「仁」に基づく医療の実践

医療法では、20床以上の病床を持つ医療施設を「病院」と定義していますが、順天堂医院を「医院」と称しているのには理由があります。順天堂の創立者・佐藤泰然のあとを継いだ佐藤尚中が、大学東校(東京大学医学部の前身)開校を主宰していた明治4(1871)年に文部省に対して「病院改称伺」を提出し、その中で「『病院』という言葉には、病人を治すという意味は含まれず、ただ病人を集めておく所という意味合いがある」と指摘しました。順天堂は尚中のこの見識を守り、いまでも本郷の本院を「順天堂医院」と称しているのです。
そして、静岡病院、浦安病院、順天堂越谷病院、順天堂東京江東高齢者医療センター[平成16(2004)年、東京都の公設民営化第一号]、練馬病院[平成17(2005)年、練馬区の要請に応じ開院]も、地域医療の中核拠点施設としての役割を担っています。そこにおける医療実践、診療が患者や地域住民から絶大な信頼を得ている背景には、順天堂の学是「仁」を大切に育み、受け継いできたことが根幹としてあるのです。
また、順天堂の看護教育には123年の歴史があり、日本の看護学史上初の婦長は順天堂に学んだ杉本かね氏であります。その功績を受け継ぎ、日本一優しい、心技共に優れた質の高い看護サービスの提供にも努めています。

医学部附属病院

順天堂医院
順天堂医院

明治初期の開院以来、常に最先端の知識と技術で日本の医学界をリードしてきた国内屈指の総合病院。外来患者数は1 日平均約4,500人にのぼり、その診療圏は広く東南アジア、欧米にもおよんでいます。

順天堂医院

静岡病院
静岡病院

昭和42(1967)年、静岡県東部エリアの地域医療中核病院として開院。救命救急センターを重点診療分野とするほか、災害医学研究所との共同研究体制の強化を進めています。平成16(2004)年にドクターヘリも導入され地域救急医療へ絶大な貢献をしています。

静岡病院

浦安病院
浦安病院

昭和59(1984)年、千葉県浦安市に開院した附属病院。平成7(1995)年からは浦安市・市川市における高規格救急車の導入による救急医療も引き受けている地域の中核病院です。環境医学研究所も併設され、研究体制の強化を進めています。

浦安病院

順天堂越谷病院
順天堂越谷病院

昭和42(1967)年設立の(財)順天堂精神医学研究所の附属病院が平成元(1989)年に医学部附属病院へ改組された精神神経科病院。順天堂医院との密接な連携のもと、精神医学の一貫した卒前・卒後教育を行っています。

順天堂越谷病院

順天堂東京江東高齢者医療センター
順天堂東京江東高齢者医療センター

平成14(2002)年、東京都が高齢者に向けた『福祉・医療の複合施設』として誕生させた医療センターで、平成16(2004)年度以降は、公設民営方式により学校法人順天堂が運営をしています。

順天堂東京江東高齢者医療センター

練馬病院
練馬病院

東京都練馬区の強い要請で、平成17(2005)年7月に開院した総合病院で、地域医療機関とも十分な連携を図り、災害時の拠点施設としての機能(免震構造、震度8にも対応)をそなえています。院内感染予防にも国内最高レベルの体制を整備しています。

練馬病院