湘南白百合学園高等学校(2023年8月7日)
湘南白百合学園高等学校×順天堂大学 高大連携イベント開催!
-大学紹介にとどまらない高校生向け医学授業-
「地球は沸騰化の時代に入った」。国連総長がそう述べたように、記録的な暑さが続く2023年夏休み。その後半戦突入の8月7日、順天堂大学本郷・お茶の水キャンパスで、「湘南白百合学園高等学校×順天堂大学の高大連携イベント」を開催しました。
「こんなに楽しいの?魅力いっぱい医学の世界」と題された今回のイベントは、医学教育研究室 冨木裕一教授の講演会、シミュレーションセンターでの外科手技体験実習、医学教育歴史館の見学、MEdit Lab 順天堂大学STEAM教育研究会によるMEdit授業、そしてOG座談会と、4時間におよぶ充実のプログラム。
なぜ医療人を目指すのか、目指すのならこれから何をどう学んでいけばいいのか。順天堂大学の単なる紹介にとどまらず、教員たちの熱い想いが込められていた本イベントの一端をレポートします。
■君にとってのVital signs? -医学教育に心血を注ぐ冨木裕一教授の熱血講演-
■手技と思考、頭も体もフル回転-外科手技体験実習と医学教育歴史館見学
外科手技体験実習と医学教育歴史館の見学はセンチュリータワーに場所を移し、二つのグループに分かれて臨みました。
外科手技体験実習では、まずは外科医の那須元美先生や折田創先生から、外科医のトレーニング場でもあるシミュレーションセンターについての説明があり、内視鏡や腹腔鏡手術、気管挿管、心肺蘇生など、たくさんのシミュレーターを次々と体験していきました。プロのアドバイスを受けながら短い時間の中でなんとかコツをつかもうとする生徒さんの眼差しは、若手外科医と何ら変わらないものがありました。
一方、医学教育歴史館では、学芸員の若尾みきさんの充実した解説に耳を傾けながら江戸末期の漢方医学から西洋医学への変遷を知り、本物の「解体新書」や最古の顕微鏡など様々な展示物を観ながら、医学技術が今日に至るまでどのように進歩してきたかを学びました。
「食道ではなく気管に入れるのよ!」アドバイスされながら気管挿管に挑む真剣な表情の生徒さん
学芸員の若尾さんのお話に引き込まれる生徒さん。17階の窓からは爽快な青空が。
■病気を名づけるワーク? -MEdit授業「医学×歴史」-
存分に頭と体をフル回転した生徒さんは、A棟会議室に場所を移し、MEdit授業を体験しました。STEAM教育とは何かという話からスタートした授業では、歴史という科目を学ぶ意義や歴史的な情報の捉え方が医療の中でどのように活用されているのか、MEdit Lab代表の病理医、小倉加奈子先生からレクチャーがありました。続けて、同じく病理医の發知詩織先生のナビでユニークな「名づけワーク」へ。「授業開始10分で眠くなる病気」や「スマホが手元にないと落ち着かなくなる病気」など、生徒さんにとって身近に感じられる6つの”病気“について名前をつけてみるワークに挑戦しました。
情報の特徴を何かに喩えて表現するような「見立て」の力は、まさに医師の診断の力でもあり、ユニークなワークを通して想像力や創発力を伸ばしていくMEdit授業。スマホからGoogleフォームを活用した回答で、授業内でのフィードバックも行われ、「授業開始10分で眠くなる病気」は「楽しい授業なら寝ないよ症候群」、「スマホが手元にないと落ち着かなくなる病気」は「スマホリック」などなど、生徒さんの名回答がいくつか紹介されました。
■憧れの先輩との出会い! -OG座談会-
MEdit授業に続いていよいよ最後のプログラムは、OG座談会。病理医の小倉先生と發知先生の司会で順天堂大学医学部2年生の先輩方に大学生活や高校時代の受験勉強の方法など様々なお話を伺いました。会が終わった後も楽しく先輩たちと談笑される生徒さんもいて、貴重な機会を存分に生かす積極的な姿も見られました。
■最後に・・・
以上、「湘南白百合学園高等学校×順天堂大学の高大連携イベント」の概要をお届けしました。参加した生徒さんにとって良き学びの時間となったら幸いです。
今後も順天堂大学では、様々な高校の生徒さんをキャンパスに招き、魅力的な医学教育の機会を提供していく予定です。これからいよいよ医師過剰時代に突入し、医師の働き方改革、デジタル医療の推進、高齢化社会における医療費増大など、医療にかかわる問題は山積しています。医療をより良くしていきたいという熱意や好奇心溢れる生徒さんにこそ、順天堂大学に進学してほしい。
今後も生徒さんの学習意欲を掻き立てる教育イベントを展開していきますので、順天堂大学の高大連携イベントの動向にこれからもご注目ください。