桜蔭高等学校(2023年9月7日)
桜蔭高等学校×順天堂大学 高大連携イベント開催!
-高校生たちが順天堂大学キャンパスで医学の魅力に触れる1日-
桜蔭高等学校と順天堂大学は令和5年8月28日、高大連携に関する協定を締結しました。
これを踏まえ9月7日に高大連携授業が順天堂大学本郷・お茶の水キャンパスで行われました。
列島に台風が接近しており一時期は開催が危ぶまれましたが幸いに天気が崩れることもなく30名を超える桜蔭高等学校の皆さんを迎えることができました。初めに医学教育研究室・皮膚科学講座 小川尊資先生による両校連携の目的の説明から始まり、桜蔭学園OG浦礼子先生および小児外科学講座 山髙篤行教授の講演、MEdit Lab 順天大学STEAM教育研究会代表、小倉加奈子先生によるMEdit授業、そしてOG座談会が行われました。
医療人を目指すうえで必要な能力とは何かを知ってもらい、真に医療人を志す方にこそ順天堂大学に入学してほしい、という思いを込めて行われた連携授業でした。
■「悩める病理医 ~選択する勇気~」
■「未来ある子どもたちに最善の治療を:小児外科医の情熱と覚悟」
少し緊張がほぐれたところで小児外科・小児泌尿生殖器外科学の山髙篤行教授による「未来ある子どもたちに最善の治療を:小児外科医の情熱と覚悟」と題する講演が続きます。
山髙教授は、「神様が残されたことへの挑戦」と自身の小児外科医としての仕事について熱く語り、桜蔭生たちはその情熱と覚悟に圧倒されつつも話に引き込まれていきます。「今、目の前にいる未来ある子どもたちに最善の治療を!」。教科書に載っていないような新しい手術法に挑戦し、「不可能を可能にする」闘いを続ける山髙教授のエネルギーが会場全体を包み込むようでした。
■イメージをマネージする「ブラインド・スケッチ」ワーク
休憩の後、MeditLabの小倉加奈子先生と發知詩織先生のMedit授業が行われました。まずは詳しい説明抜きのままに、ブラインド・スケッチワークに挑戦しました。このワークでは三~四人でグループになります。インストラクター役がどんな絵なのか口頭だけで描く人に伝えます。絵を描く人はその口頭の情報だけをたよりに絵を描いていきます。その様子をもう一人が観察し、進行を見守りながら、どんな表現がわかりやすく、あるいはどんな伝え方が描く人を戸惑わせるのか、分析していきます。一見、医学とは関係のないワークですが、実は、病理診断にも手術にも関連のあるワークなのです。
医療現場では、カルテをはじめ、イメージを言葉にして伝えなければならないことが少なくありません。ブラインド・スケッチは、形や雰囲気など絵の情報を言葉だけで伝えるというワークを通して、医療人に必要なコミュニケーション能力を鍛えるものなのです。このワークショップには浦先生と山高教授も参加され、桜蔭生の皆さんと盛り上がりながら楽しい時間を過ごされました。
▲桜蔭学園の先生とグループになりワークに取り組む浦先生と山髙教授
▲「浮世絵っぽい絵です」「鯉のぼりがあって…」インストラクションはうまくいっているでしょうか
▲完成した絵を確認しながら、インストラクションの良かった点と悪かった点をみんなで考えていきます
■たくさんのOGとの交流会!
▲お互いちょっとドキドキしながら、まずはOGから自己紹介
▲小さなグループに分かれて距離もぐっと縮まります
■医学に正解はない
最後に小川尊資先生よりご挨拶がありました。「今日の連携授業で学んだことはひとによって違うかもしれません、目に見えぬものを伝える難しさ、そしてその中を進んでいく難しさと覚悟なども垣間見たかもしれません。大学で学ぶことは正解のある学問ではなく、常に選択に迫られる場面に遭遇するものであり、だからこそ、自分で自分自身の特性を見極め、医学部に限らず自分の進学について考えてほしいと思います。」小川先生のメッセージは、高校生それぞれの胸に響いたことと思います。
▲最後に小川秀興講堂で集合写真を撮り解散となりました
医療をより良くしていきたいという熱意や好奇心溢れる生徒さんにこそ、順天堂大学に進学してほしい。そのためにもこちらから生徒さんの学習意欲を掻き立てる教育イベントを展開していきますので、順天堂大学の高大連携イベントの動向にこれからもご注目ください。