本郷高等学校(2023年12月18日)

本郷高等学校×順天堂大学 高大連携イベント開催

本郷・お茶の水キャンパスで医学の魅力に触れる1

本郷高等学校と順天堂大学は令和5年10月30日、高大連携に関する協定を締結しました。
これを踏まえ、2023年12月18日に高大連携プログラムとして本郷中学・高校の学生さんが順天堂大学に来校されました。
当日の様子を医学教育研究室の小川尊資先生がレポートします。
■「循環器内科スポーツドクターという働き方」

はじめは小川講堂で本郷学園の卒業生である福島理文先生の講演でした。講演は先生の高校生活の思い出から始まり
先生が高校生活のなかで魅力を感じたサッカーを通じてスポーツ医学に興味を持ち、その後、努力をして東京オリンピックサッカー日本代表チームドクターを務めた経験を熱く語ってくれました。
福島先生が強く送っていたメッセージは覚悟を持って突き進むこと、人とのつながりを大事にすること。
学園生のみなさんは先輩のメッセージを熱心に聞いていました。

本郷学園写真①福島先生

▲福島理文先生

本郷学園写真②生徒さん

▲熱心に話を聞く生徒さん

■「 外科手術の方程式~彼を知り己を知れば百戦殆からず~」

先輩の熱いメッセージの後、呼吸器外科学教室鈴木健司教授の講演が続きました。
医学の最前線で活躍する鈴木教授が、若き高校生たちに向けて重要なメッセージを語りました。
「不遇の時こそ勝負する」。教授は冒頭から厳しい現実に立ち向かう医師の心意気を訴えました。普段やっていること以上の挑戦が、医師としての真価を示すとの立場を強調しました。
医学は技術だけでなく、患者さんとの共感に支えられる。患者との対話から得られる情報こそが医療の進歩の鍵となる。
呼吸器外科学は未知なる領域への挑戦の連続。将来の医学の舞台に立つためには、共感と知識の両面で患者や医療に向き合う必要があると述べられました。また、若き高校生たちが未知なる未来を開拓する先駆者となることに期待を寄せる鈴木教授の思いは皆さんの心に響いたようで多くの質問が飛び交う熱い講演となりました。

本郷学園写真③鈴木先生

▲鈴木健司教授

■外科手技体験実習と医学教育歴史館の見学は、新たな舞台となるセンチュリータワーで開催され、参加者は二つのグループに分かれて異なる体験を楽しみました。
外科手技体験実習:

外科手技体験実習では、総合診療科森先生から、シミュレーションセンターについての詳しい説明が行われました。参加者たちはVRや腹腔鏡手術、気管挿管、心肺蘇生など、多岐にわたるシミュレーターを活用してさまざまな手技を体験しました。短い時間の中での挑戦に、プロのアドバイスを受けながら臨んだ生徒たちの懸命な姿勢は、医療の舞台への興奮を醸し出していました。

本郷学園写真④生徒さん

▲VRゴーグルをつける生徒さん

本郷学園写真⑤生徒さん

▲気管挿管に挑戦中

医学教育歴史館の見学:

江戸末期の漢方医学から西洋医学への変遷について学びました。展示物には本物の「解体新書」や明治初期の顕微鏡などがあり、医学技術の進化の歴史が具体的に展示されていました。また、順天堂の江戸後期の治療記録や手術道具を前に質問する姿も見られました。

本郷学園写真⑥生徒さん

▲真剣な眼差しで資料を見学する生徒さん

■医療の舞台で輝く先輩たちと-OB交流会

最後に小川尊資先生の司会で交流会を開始しました。
高大連携史上最多のOB参加に本郷学園のきずなの強さを実感しました。
まず初めに現6年生の藤本侑生さんの海外留学体験、そして自身が学生時代に書き上げた論文のポスターをまえに自分にとっていかに価値ある体験であったかを語ってくれました。
その後は皆で交流会を行い受験勉強の方法や、順天堂で学ぶことの魅力など多岐にわたる話がそこかしこで行われ大変楽しい時間を過ごせました。

本郷学園写真⑦交流会

▲後輩に熱いメッセージを話すOB

本郷学園写真⑧交流会

▲小さなグループに分かれてフリートーク

終わりに・・・

最後に小川尊資先生から挨拶があり「医療人の道は簡単なものではありません、今日一日で自己の興味の分野が異なることを実感した人もいるかもしれませんが決して間違いではありません。大学は自分の意思で来るところなのですどうぞどの道に進むかは必ず自分で決めてください」と伝えさせていただきました。
医療をより良くしていきたいという熱意や好奇心溢れる生徒さんにこそ、順天堂大学に進学してほしい。そのためにもこちらから生徒さんの学習意欲を掻き立てる教育イベントを展開していきますので、順天堂大学の高大連携イベントの動向にこれからもご注目ください。

本郷学園写真⑨集合写真

▲小川秀興講堂にて集合写真