静岡聖光学院高等学校(2025年4月25日)
静岡聖光学院高等学校による医学部附属静岡病院見学会を開催
2025年4月25日、順天堂大学医学部附属静岡病院にて、静岡聖光学院高等学校の生徒を対象とした病院見学会を開催いたしました。
見学会は、将来のキャリアを真剣に考える高校生にとって、医療現場の最前線に触れ、進路選択のヒントを得る貴重な機会となりました。
参加した生徒の皆さんには「ここでしか体験できない学び」を体感していただき、医療の現場で得た驚きや感動を、自らの未来につなげていただければと願っております。

開会のご挨拶:佐藤浩一院長より
見学会の冒頭では、佐藤浩一院長より歓迎のご挨拶がありました。
「静岡聖光学院高等学校には、私の同級生や後輩にも多くの卒業生がいらっしゃいます。本日は20名もの皆さんにお越しいただき、大変うれしく思います。当院について知っていただきたく、病院の概要と私たちの使命をご紹介します。」
スライドを用いたプレゼンテーションでは、当院の規模(34診療科・633床)、高度医療機関としての役割(ドクターヘリの基地病院、救命救急センター、総合周産期母子医療センターなど)に加え、医療人材の育成にも力を入れていることが紹介されました。

医師の仕事を知る - 医療現場からのリアルな声
続いて、各診療科の第一線で活躍されている先生方より、専門領域の紹介と医師としてのやりがい、そして学生時代の経験を交えたメッセージが語られました。循環器内科 荻田 学 先生
心臓疾患の治療を担う循環器内科では、「カテーテル治療」など身体への負担が少ない最先端の治療法が日々実践されています。
「我々の治療は時間との勝負。夜間や休日の呼び出しも多く、体力と精神力が求められますが、命を救う手応えが何よりのやりがいです。」
また、若手医師が海外での学会発表にも積極的に参加していることが紹介され、学び続ける姿勢の大切さが伝えられました。

眼科 小森 翼 先生(静岡聖光学院 OB)
眼科専門医である小森先生からは、診療の幅広さや患者さんの層の多様性、ワークライフバランスへの配慮など、眼科医ならではの視点で医療の魅力が語られました。
「医師としてだけでなく、一人の人間として家庭と仕事を両立させながら働ける環境づくりが進んでいます。皆さんも“自分らしく働く未来”を思い描いてください。」
進路選択に悩んだ自身の高校時代や、医学部合格までの道のりも語られ、参加した生徒の皆さんにとって大きな励みとなるお話でした。

救急診療科 大森 一彦 先生
大森先生からは、救急医療の現場で求められる即時の判断力や行動力、そして「時間との勝負」という救命医療の厳しさとやりがいについて語られました。
「ドクターヘリの最大の目的は、搬送ではなく“現場での治療開始”です。1分1秒でも早く手を打つことで、救える命が確実に増えています。」
静岡県東部でのドクターヘリ運用や、事故・急病時に行われる現場での処置の様子、
実際に救命につながった症例の紹介など、リアルな体験に基づいたお話は、強い印象を与えました。
また、SNSでの情報発信や、常に最前線で命と向き合う覚悟についても語られ、医師という職業の責任とやりがい、そして目指すべき未来像がより身近に感じられる時間となりました。

院内見学・実技体験
- 院内見学では、「救急外来」「救命救急センター」「新生児センター」を巡り、普段はなかなか見ることのできない医療の最前線を見学しました。現場で活躍されている先生方から直接説明を受ける中で、実際に患者さんの治療にあたる姿を目の当たりにし、医療に携わるということの重みや意義を実感する貴重な機会となりました。
- 実技体験では、手術室の見学を兼ねて、Da Vinciシミュレーションで手術支援ロボットの操作体験を行いました。また、実際に針と糸を使って外科手術や創傷治療に欠かせない縫合体験をしたほか、整形外科の先生方の説明を受けながらのギプス固定体験も行いました。まるで本物の医師になったかのような、臨場感あふれる体験となりました。




- 病院屋上のヘリポートでは、医師や看護師が同乗し、緊急性の高い患者さんのもとへ
迅速に向かうドクターヘリを見ることができました。ドクターヘリは、命を救う「空飛ぶ救命室」とも呼ばれ、地域医療を支える重要な役割を果たしています。

参加した生徒の感想(一部)
- このたびは病院見学の機会をいただき、ありがとうございました。救命救急センターや救急外来の現場を実際に見学させていただき、医療の最前線の空気を肌で感じることができました。特に先生方のお話は非常に興味深く、高い意識と責任感に大きな刺激を受けました。今回の見学を通じて、医療従事者としての姿勢を改めて考える貴重な機会となりました。
- 非常に貴重で楽しい経験をさせていただき、ありがとうございました。特に印象的だったのは、お話しした先生方が皆さん、医師という仕事に強いやりがいを感じている姿でした。大きな責任を伴う仕事にも関わらず、前向きに語る姿に強い憧れを抱きました。今回の見学は、医師という職業の魅力を改めて実感する貴重な機会となりました。
- 医学について自分なりに学んできたつもりでしたが、実際に見学させていただくと、ドクターヘリの役割など、認識と現実に大きな差があることに気づきました。救命救急や救急外来の現場には、現地でしか感じられない緊張感と雰囲気があり、さらに深く知りたいという思いが強まりました。また、Da Vinciの操作体験を通して、技術の進歩に対応し続ける医師の大変さと、それに伴う責任の重さを改めて実感しました。
見学会に参加した生徒の皆さんには、佐藤浩一院長からのメッセージが配布され、医療業界で今後求められるスキルや知識、そして心構えについて貴重なアドバイスがありました。
今回得た貴重な経験を活かし、皆さんが将来のキャリアに向けて着実に歩みを進めることを、心より応援しています。これからも、不断の努力を重ね、目標に向かって前進してください。
静岡聖光学院高等学校の北村玲子先生、青島諒太郎先生をはじめ、関係者の皆様には、心より御礼申し上げます。