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突然死の法病理学
  脳動脈瘤/解離や心筋梗塞破裂、高血圧性脳出血の責任血管破綻の病理発生、冠動脈攣縮・好酸球性冠動脈周囲炎(梶原病)の病理、乳幼児突然死症候群の病態などについて検討しています。
次世代シーケンサーを用いた剖検由来心筋組織による劇症型心筋炎の網羅的病原体解析
 

これまで心筋炎の原因病原体は、コクサッキーウイルスB群などエンテロウイルスの頻度が高いとされていますが、特に成人症例では数十年包括的な解析が進んでおらず、近年の実態は明らかでないのが現状です。そこで本研究では、劇症型心筋炎の病因病原体を次世代シーケンサーで網羅的に解析することにより、病原体に特異的な劇症化機構の存在を明らかにすることを目的としています。本研究により劇症化の病因病原体の全体像が明らかになれば、病原体ごとの心筋傷害機構の解明が促進することが期待されます。

科学捜査に有効な鑑定手法の開発
  <血痕の陳旧度推定のためのマーカー探索>
犯罪捜査において、犯罪現場や着衣等に遺留された血痕は重要な証拠となります。血痕の持ち主はDNA型検査により簡単に判明しますが、血痕の陳旧度(付着時期)を推定するような検査法は確立されていません。そこで、血痕の陳旧度を推定できるマーカーを探索し、検査法の確立を目指しています。
  <STR型解析結果からの年齢推定>
DNA型鑑定(STR型解析)の結果から、個人識別だけではなく、年齢の推定もできないかを検討しています。DNA型鑑定は、エレクトロフェログラムのピークを基に型を判定しますが、アレル本来のピークのほかにスタターピークというアーティファクトピークが出現します。このスタターピークに注目し、ピークの高さが年齢と関係しているのではないかという仮定のもと、スタターピークの出現メカニズムをより詳細に分析し、年齢推定に応用できないかを検討しています。
遺伝子解析による牛黄の産地識別
  牛黄は、ウシの胆のう中に生じた結石であり、生薬として用いられています。牛黄の産地として、オーストラリア、中南米、インド、アフリカなどがありますが、産地により価格が大きく異なり、なかでもオーストラリア産は高品質であることから高値で取引されています。そのため、産地を偽って販売されるおそれがあり、正しい産地の表記で流通させるためには、牛黄の産地を識別できる検査法が必要です。本研究では、一塩基多型解析、ゲノムワイド塩基配列分析、ミトコンドリアDNAシーケンシングといった遺伝子解析により、牛黄の産地を識別する検査法の確立を目指しています。