超高齢社会を迎えた日本。健康寿命の延長や、質の高いヘルスサービスの提供がますます求められるように。
一方で、テクノロジーの発達によって身の回りの様々なデータの取得が可能になり、
医療やスポーツをはじめ、あらゆる領域でデータ分析に基づく新しいソリューションの提案が求められています。
こうした世の中の変化に先駆け、順天堂大学の「健康データサイエンス学部(仮称)」は2023年4月開設(認可申請中)。
この分野をリードするのは、君たちです。
順天堂大学は、18 3 8年の開学以来、日本の医学・医療およびスポーツ分野の発展と人材育成に貢献してきました。
その豊富な実績と、それぞれの分野における専門知識、さらに現場に蓄積された膨大なデータ。
本学部は、健康総合大学・大学院大学である順天堂大学だから実現できる
「健康」×「データサイエンス」の質の高い教育を目指します。
AIの導入は業界を問わず行われているが、
なかでも医療分野でのAIの活用は非常に期待されている。
本学が主機関となり医学部附属順天堂医院 放射線科で
CTやMRIの画像のナショナルデータベースが構築され
3億枚以上の画像が蓄積されており、今後はAI医療の進展のために、
これらのデータを活用した脳画像解析システムの開発などが
期待されている。
そして、こうしたAI 医療の発展に欠かせないのが、
医療とデータサイエンスの両方の分野に精通したプロフェッショナル。
未来の医療現場はヘルスデータサイエンティストの
大きな活躍の舞台の一つだ。
あるホテルでは、お客様の睡眠時の体の動きや呼吸、心拍数を分析して
睡眠状態を計測できる睡眠モニターを一部の客室に導入。
お客様自身の睡眠の質の向上に役立ててもらっている。
また、ここで蓄積した不特定多数の睡眠データを活用すれば、
ホテル業界の新しい事業展開やより
快適な睡眠を提供する空間づくりも可能に。
健康データは、医療やスポーツの枠を超え、
あらゆる分野と組み合わせることができるのだ。
世の中には様々なダイエット方法や健康食品が存在するが、
なかにはその効果が怪しいものも…。
しかし、最近ではスマートフォンやスマートウォッチなどを通じて、
人々の健康データがこれまで以上に集めやすくなったため、
データサイエンスの基礎となる統計学の視点で検証することも容易になった。
同時に、幅広い業界の企業が、運動や睡眠、食事といった
健康データを分析し、新商品の開発や新サービスの創造に挑戦している。
この学部からも近い将来、
健康ビジネスの起業家を目指す学生が誕生することだろう。
ある大手の日用品メーカーはスマートフォン事業を展開する通信会社と協業。お客様の健康状態を推定し、一人ひとりに最適なヘルスケアソリューションを提案できる新サービスの開発に取り組んでいる。
これまでは日用品というモノを提供することがメインだったが、この会社には長年の事業を通じて生活スタイルや健康に関する膨大なデータが蓄積されていた。
そのデータをどう分析し、社会のためにどう役立てるか。データがビジネスの勝敗を分ける時代。まさに、ヘルスデータサイエンティストの腕が試される。
街づくりの領域にも、健康×データサイエンスの可能性は広がっている。たとえば、関東のある自治体と複数の企業、大学が協働して進めている未来の街づくりプロジェクト。
ここでは、街中に張り巡らせたセンサーやカメラ、スマートフォンといった機器を通じて環境データ、設備稼働データ、人々の行動データや健康データなどを収集・統合し、AIで分析。その結果をもとに最適な街づくりや運営を行っている。
こうした取り組みにヘルスデータサイエンティストが加われば、きっと、より健康的な街へと生まれ変わるに違いない。
本学部で教壇に立つ予定の姫野先生は、かつてあるプロ野球選手の依頼を受け、変化球を投げる時の全身の細かな動きや目線、重心の変化などを測定。そのデータをもとに投球メカニズムの分析に成功した。
いまや試合の戦略立案から選手の効果的なトレーニングメニューの考案、バイタルデータを活用した怪我の兆候の見える化まで、スポーツの分野にデータサイエンスは欠かせないものとなっている。
伝統あるスポーツ健康科学部、そして部活動も盛んな本学。こうしたスポーツに関するデータが収集できる環境を活かし、新たな未開発領域の研究に取り組む学生の登場を期待している。
本学部を卒業し、「健康」×「データサイエンス」の二つの専門性を身につけた
「ヘルスデータサイエンティスト」の未来は限りなく広がっています。
医療機関や製薬企業、医療・健康・スポーツ関連のメーカーはもちろん、
スポーツ運営団体、企業や自治体、シンクタンクにおける健康・医療・スポーツ関連部署での
データ管理・分析、データ活用、企画立案など、デジタルイノベーション時代を担うスペシャリストとして活躍することができます。
1年次は一般教養や専門基礎科目によって幅広い知見と教養を深め、2年次には各分野のスペシャリストの講義を通して、数理統計、コンピュータサイエンスといったデータ分析の基礎知識と、健康・医療・スポーツ領域の基本知識を学んでいきます。3年次以降は、本学附属病院や企業でのインターンシップや実務家講師による授業を通じて、現実の課題に対する実践力を身につけていきます。さらに、本学の医学部やスポーツ健康科学部とも連携した学びを取り入れることで、現場で必要とされるヘルスデータサイエンティスト像をとらえ、即戦力として活躍できる人材を育てていきます。
健康データサイエンス学部(仮称)の教壇に立つ5名のスペシャリストたち。
それぞれの専門分野に加え、本学部の開設に向けての思いを紹介します。
コンピュータの進化とともに歩む、
変幻自在のデータサイエンティスト。
姫野 龍太郎Ryutaro Himeno
姫野龍太郎教授の経歴は面白い。京都大学で修士課程を修了し、自動車メーカーに就職し、車のデザインに必要な流体力学の研究に取り組み、東京大学で博士号を取得している。その後、理化学研究所でスーパーコンピュータの開発に携わったかと思えば、プロ野球選手の変化球を科学的に分析。まさに、日本のコンピュータの進化とともに歩む、変幻自在のデータサイエンティストとも言える存在だ。本学部の開設にあたっては「データサイエンスは、どの分野で応用するかといった対象が重要です。その点、順天堂大学はいい所に目をつけましたね。これからの”健康”はまさに科学的な分析や発想が求められる分野です」とのこと。また、「データサイエンスの進化は、コンピュータの進化と比例するのですが、その処理能力はコンピュータの誕生以来、5年で10倍ずつのペースで伸び続けています。つまり10年経てば100倍です。こんな分野は他にありません。だから、ぜひ、この学部に入学する学生たちには、まだ世界で誰もやったことのないような研究に取り組んでほしいですね」と未来の教え子にエールを送る。
データサイエンスに欠かせない
統計学のレジェンド。
岩崎 学Manabu Iwasaki
「データサイエンスの基礎となるのは統計学です」と語るのは、日本における統計学のレジェンドとも呼ぶべき岩崎学教授。統計学に関する数々の賞を受賞し、学会でも会長や理事長など様々な役職を歴任。現在は、国家プロジェクトでもある”統計エキスパート人材を育てる指導者の育成”を行う特任教授としても活躍を予定している。その岩崎教授は本学部でも「応用統計」の授業などを担当。「世の中の最先端を教えながら、同時にずっと使える統計の基礎もしっかり教えたいですね」と意気込みを語る。また、「順天堂大学は医療やスポーツに関するデータの宝庫。じつは、これまでの教育環境では分析できる質の高いデータの取得に一番苦労しました。その点、ここならデータの取得から取り組むことができます。まさに、健康×データサイエンスを学ぶ最適な場所ですね」。さらに、岩崎教授は「データサイエンスは様々な領域を横断する学問。他者への”リスペクト”が欠かせない学問です。私達教授陣がまずその姿勢を示し、学生たちとともに様々な垣根を超えていきたいと考えています」と思いを語る。
健康×データサイエンスの未来を
見つめる、世界的ドクター。
青木 茂樹Shigeki Aoki
青木茂樹教授は、神経放射線の分野で世界的に有名なドクター。放射線科はCTやMRIといった医療機器で採取した脳の画像データを扱うなど、医療の世界でもいち早くデータサイエンスを活用してきた領域だ。青木教授によれば、「次世代の医療基盤を築いていくうえでも、医療のプロと話せるデータのプロの育成は急務」とのこと。なぜなら、医療の現場で求められる基礎知識や倫理観を養い、かつデータサイエンスに関する専門知識・技術を教えられる場所がこれまでほとんどなかったからだ。だからこそ、「この学部の開設を聞いた時はうれしかったですね。順天堂大学なら医療従事者の教育実績も、リアルを学べる病院実習の現場も申し分ない」と語る。さらに、「卒業した学生がAIを活用した創薬の分野に進めば、世界70億人の健康に貢献することもできる」とのこと。「もちろん、医療や製薬以外でも、”健康×データサイエンス”の可能性は大きく広がっています。私たち教える側も、この学部では学生一人ひとりの興味や関心、個性をどんどん伸ばしていきたいと考えています」と開設への抱負を語る。
インドネシアのトップ医師×放射線の
スペシャリスト×統計エキスパート。
Christina Andicaクリスティーナ・アンディカ
基礎科目から応用科目、病院実習、演習まで幅広い授業を担当するDr.Christina Andica(クリスティーナ・アンディカ)は、もともとインドネシアのトップ医師。さらなる研鑽のために来日し、順天堂大学で博士号を取得した放射線のスペシャリストでもある。加えて、この春からは統計エキスパートを育てる指導者の一人として、統計学を究める国家プロジェクトに参加するなど、その向上心は計りしれない。「統計学の勉強は私自身も苦労しています。だから、学生たちには楽しく、わかりやすく教えていきたいですね」とドクター・クリスティーナ。また、「ヘルスデータサイエンティストは世界を舞台に活躍できる人材です。英語によるコミュニケーションやプレゼンテーションなど、グローバルで求められる能力や自分も磨くお手伝いができれば」と抱負を語る。数年後には海外からの留学生も受け入れていることだろう。「健康×データサイエンス」を共通の旗印として、世界各国の言葉や思いが飛び交う日が待ち遠しい。
スポーツやマーケティング領域の
データサイエンティスト。
小泉 和之Kazuyuki Koizumi
順天堂大学の持つスポーツの可能性に大きな関心を寄せているのが、スポーツやマーケティング領域のデータ分析を得意とする小泉和之准教授だ。「現在、様々なプロスポーツで”データアナリスト”と呼ばれるデータのプロが勝敗の分析や戦略の立案、アスリートの育成支援などに携わっています。順天堂大学はオリンピアンも排出するほどのスポーツ強豪校。そのデータには興味がありますね」と語る。また、小泉准教授によれば、「スポーツのデータ分析と一口に言っても、たとえば、”どうすれば観客を増やせるか”といったマーケティングに関する分析など、そのテーマは無限にあります」とのこと。授業ではできる限り、実際の企業に課題設定やデータの提供などで協力してもらい、データ分析のリアルを伝えていきたいと語る小泉准教授。近い将来、本学部の学生とのコラボレーションにも期待しているそうだ。「机の上だけではデータサイエンスは学べませんからね」と、この学問領域の持つ面白さと広がりについて語くれた。
浦安・日の出キャンパス内に新たに誕生する、健康データサイエンス学部生が主に利用する新校舎。情報セキュリティ演習室やPC演習室、最新VR機器などを取り入れながら、最先端の学びを得ることができます。また、キャンパス内にはボルダリングスタジオや、屋内ランニングコース、フットサルコートなども整備。健康的で充実したキャンパスライフを過ごせる環境が整っています。
〒279-0013 千葉県浦安市日の出6-8-1
TEL:047-354-3311(代表)
アクセス
東京駅からJR京葉線・武蔵野線快速で16~18分、新浦安駅下車。
「新浦安駅」Cのりばより
16番系統 日の出七丁目行きバス乗車7分、順天堂大学・日の出 正門 下車徒歩1分。
17番系統 日の出七丁目行きバス乗車7分、順天堂大学・日の出 東口 下車徒歩5分。
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今回のオープンキャンパスの⽬⽟、模擬授業と特別企画の情報をご紹介!
この他にも、キャンパスツアーや無料の学⾷体験、
教職員‧在学⽣相談会などイベントが盛りだくさん!
模擬授業
勝つための最短ルートの⾒つけ⽅
選⼿たちやベンチの様々な動きが、勝利に対してどれほど影響を与えているかはわからない。しかし、データサイエンスを利⽤することでそれらが数値化される。その活⽤により、効率的な戦術や練習⽅法の決定などを⾏うことができる。
特別企画
医療ビックデータによる脳の解明
実際の医療ビックデータに触れ、脳科学×データサイエンスの最先端とその展望を体感してみよう。
この度のオープンキャンパスは
8/7(日)に終了しました
学部紹介も実施!
「ヘルスデータサイエンス」のニーズがますます⾼まっています。
将来その能⼒を発揮し、活躍するため、何を学ぶか。
教育の特⾊を含め、わかりやすく説明します。
このたび予定しておりますオープンキャンパスは、みなさまの安全を⼗分に考慮し開催いたします。そのため新型コロナウイルス感染症対策として、⼀部イベントの参加⼈数を制限し実施いたします。詳細は予約サイト等でご確認ください。なお、感染拡⼤防⽌のため、以下のとおりご協⼒をお願いいたします。
・発熱、咳などの症状や、体調に不安がある⽅は参加をお控えください。(本学でも、⼊り⼝にて検温を実施いたします。)
・参加される⽅はマスク着⽤にご協⼒ください。
・なお、新型コロナウイルス感染症の影響等により、開催内容等が変更となる場合があります。