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2020.08.21 (FRI)

学校法人順天堂「AA(ダブルAフラット)」の格付維持

2020年8月21日

発行体格付:AA[格付の方向性:安定的]

格付投資情報センター(R&I)は上記の格付を公表しました。
 学校法人順天堂は、我が国最大の格付機関である株式会社格付投資情報センター(R&I)から「AA(ダブルエーフラット)」の格付けを維持しました。
 順天堂は平成19(2007)年の格付取得以降、新学部開設、再編事業に伴うキャンパス再整備、研究棟の建て替え、附属病院の増床や建て替えなど大型設備投資を継続して行いつつも極めて高い格付を安定して維持しています。
 なお、「NEWS RELEASE」はホームページにも掲載しています。

格付理由

 1838年創立の日本最古の西洋医学塾を発祥とする学校法人。大学は医学部やスポーツ健康科学部、保健医療学部のほか6学部で構成される。運営する6つの附属病院の収支はいずれも安定しており、医療収入は学校法人として圧倒的な規模を有する。とりわけ中核の順天堂医院は高度な医療技術や患者本位の医療サービスの提供で評価が高く、立地にも恵まれ競争力に優れる。附属病院群の強さが信用力を支える大きな柱になっている。もっとも、病院事業は定期的な診療報酬改定といった国の医療政策・制度の影響を受け、産業リスクが比較的大きい。新型コロナウイルスの影響による患者数の減少は、2020年度の収支に響く見通しだ。その影響がどの程度で収まるか、注視していく。
 医学部が法人の中で人材育成面、医療研究面で多大な役割を果たす。医学部の入試難易度は国公立・私大の中でトップクラスを維持し、医師国家試験の合格率も10年平均で2位を保つ。研究面では文部科学省の科学研究費助成事業において2019年度に採択件数・金額ともに私立大学603校中第5位を確保した。附属病院は一般の病院に比べ、優秀な医師を確保しやすく、臨床研修の場としても評価が高い。
 小川秀興理事長の卓越した運営手腕、強いリーダーシップの下、大学や病院の改革に取り組み、大きな成果を上げている。国家試験合格率の向上や保健医療学部など改組を含む4学部の新設、新たな研究センターの設置で実績を残し、本郷・お茶の水地区の再編事業や練馬病院の新設を実行した。改革の成果もあってピーク時に400億円を超えていた借入金を完済するなど、財務基盤の強化も高く評価できる。
 再編事業は2020年度にほぼ終了する予定だ。その後は、さいたま市での新病院開設や浦安市日の出地区での新キャンパス設置などの大型投資が控えている。自治体の補助金などが支えになるものの、投資回収の動向を確認していく。