研究活動

研究・生命倫理

利益相反マネジメント

本学では、産学官連携及び臨床研究において発生しうる利益相反を適切に管理し、もって本学の教育・研究活動の透明性を確保し社会的信頼を守るために全学的な活動を推進しています。

利益相反の定義

利益相反の定義

(a)広義の利益相反:狭義の利益相反と責務相反の双方を含む概念

(b)教職員等又は大学が産学官連携活動に伴って得る利益(実施料収入、兼業報酬、未公開株式取得等)と、教育・研究という大学における責任が衝突・相反している状況

(c)責務相反:教職員等が主に兼業活動により企業等に職務遂行責任を負っていて、大学における職務遂行の責任と企業等に対する職務遂行責任が両立しえない状態

(d)個人としての利益相反:狭義の利益相反のうち、教職員等個人が得る利益と教職員等個人の大学における責任が相反する状況

(e)大学(組織)としての利益相反:狭義の利益相反のうち、大学組織が得る利益と大学組織の社会的責任が相反する状況

利益相反に関する基本的な考え方

利益相反は産学官連携に伴い日常的に生じ得る状況にあります。今日の多岐に亘る社会活動から、利益相反状態が生じることは避けられないものであり、特定の活動に関しては法的規制がかけられています。しかし、法的規制の枠外にある行為にも利益相反行為が発生する可能性があることから大学として適切な対応が求められます。
利益相反状態が避けられないならば、いかにマネジメントするかを考え、本学では適切な情報開示、事実関係の検討や対応方策の提案等を通じて、社会的信頼を確保するために利益相反マネジメント体制を構築し、明確なポリシーをもって組織として責任を果たします。

臨床研究に係る利益相反への対応

ヒトを対象とする医学研究においては、その他の領域の利益相反に比較して、より慎重な対応が必要となります。臨床研究の特性として、被験者の人権擁護、生命に係る安全性の確保、データに対する信頼性の確保、被験者保護のための情報提供の必要性が挙げられます。本学では、利益相反マネジメント委員会において、教職員が受ける経済的利益について、重大な利益相反が生じていないか審査し、利益相反の解決、緩和措置として、経済的な利益の公開、研究のモニター、研究計画の修正などの指導を行っています。