教員紹介 教員詳細

川田 裕次郎 准教授(かわた ゆうじろう)

【学部】スポーツ科学科・コーチング科学コース、【大学院】博士前期課程・研究指導教員 博士後期課程・研究指導補助教員

担当授業科目:【学部】スポーツ心理学[前半] 他 【大学院】スポーツ健康科学研究方法論、スポーツ心理学 

最新の生体センシング技術を用いてスポーツ選手のパフォーマンス発揮を支える心理サポート技法を解明し、現場に役立つ知見の蓄積とアウトリーチ活動を目指します。

学位名称 博士(スポーツ健康科学)
研究分野 スポーツ心理学
キーワード ハイパフォーマンスブレイン
クラブ活動 クライミング同好会 顧問

研究テーマ

1.fMRI と脳波の同時計測技術を用いたアスリートの「ハイパフォーマンスブレイン」の解明(科研費2023-2027)

fMRI と脳波の同時計測技術を用いてアスリートの「ハイパフォーマンスブレイン」に関する研究をしています。近年、注目されているバイオセンシング技術を応用し、ハイパフォーマンスを支える心の仕組みの解明を目指しています。アスリートは少ない資源(脳部位と脳活動)で高いパフォーマンスを生み出せる可能性が明らかになっています。

2.XR を用いたアスリートのための知覚・認知パフォーマンス向上トレーニングの開発

アスリートの速い正確な意思決定はどのように実現されているのでしょうか?緊張や不安はこうした意思決定能力を低下させます。アスリートの意思決定を支える「知覚・認知スキル」を向上を目指してXR(クロスリアリティ:現実世界と仮想世界を融合して空間を作り出す技術)を利用したトレーニング方法の開発を試みています。

ゼミナール紹介(スポーツ心理学)

〔研究領域〕
スポーツ選手および指導者の心理的サポート
〔研究領域のキーワード〕
メンタルトレーニング、モチベーション、社会的スキル
〔目標・方法・内容等〕
 普段の練習では思い通りのパフォーマンスができるにも関わらず試合になると本来の実力が発揮できなくなってしまう、当初はやる気に満ちていたにも関わらず最近はやる気が出てこない、練習中や試合中に集中力がうまくコントロールできない、このような心理的側面に関する課題は、スポーツに関わる者にとって身近な問題であろう。
 「スポーツ心理学」は、このような心理的な現象を理解し、課題を改善するうえで極めて有用である。例えば、近年注目されている、スポーツメンタルトレーニングでは、目標設定、リラクセーション、イメージトレーニング、集中力、ポジティブシンキングなど数多くの技法が用いられ、一定の成果が得られている。これらを体系的に学ぶことによって、自分の専門種目でのパフォーマンス発揮に一定の示唆が得られるものと思われる。しかし、個人差(例えば、性別、性格、価値観など)や種目差(例えば、集団競技や個人競技など)を問わず同じ手法を全員に実施しても、その十分な効果は期待できない。つまり、スポーツ選手や指導者の心理的サポートにおいては、個人特性や種目特性を考慮した、個人に合わせたメンタルトレーニング技法の確立が必要となる。この研究課題は、多様なスポーツ種目を専門とする学生の皆さんと一緒に考えていきたい研究テーマの1つである。
 本ゼミナールでは、学生一人ひとりが普段のスポーツ経験の中で疑問に思っていることや解決したい問題をスポーツ心理学の理論や枠組みを用いて考察することを目指す。具体的には、3年次に、スポーツ心理学に関する専門書や学術論文を読み進め、プレゼンテーションやディスカッションを通して、スポーツ心理学における理論や枠組み、研究手法や研究のまとめ方などを理解していく。また、専門書や学術論文において報告されている知見を批判的に理解する力を養う。4年次には、自分で研究テーマを設定し、研究テーマについて研究を進め卒業論文としてまとめていく。