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2025.04.08 (TUE)
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川田裕次郎准教授が日本陸上競技連盟(JAAF)ダイヤモンドアスリート研修会で「ハイパフォーマンスを実現するための心理学」の講義を行いました
日本陸上競技連盟が主催するダイヤモンドアスリート第11期研修会が味の素ナショナルトレーニングセンターにておこなわれ、スポーツ健康科学部の川田裕次郎准教授が講師として登壇し、「ハイパフォーマンスを実現するための心理学」と題した講義を行いました。
日本陸上競技連盟ダイヤモンドアスリート第11期第3回研修レポート
心理学の観点から最高のパフォーマンスの出し方を考える
ダイヤモンドアスリート制度1)は、日本陸上競技連盟が2014年に開始した育成プログラムで、国際的な活躍が期待される競技者を対象に、中長期的かつ多面的なサポートを通じて強化・育成することを目的としています。競技力の向上に加え、豊かな人間性を備えた国際人として、社会やスポーツ界の発展に寄与する人材の育成を目指しています。第8期(2021年)より、本学部の室伏由佳先任准教授がプロジェクトマネージャーをつとめています2)。
「トライ&エラーの過程では必ず失敗を経験すること、すぐに成果が出なくても経験値は高まり、成長していくことができる」とレクチャーする川田准教授
講義では、競技場面で実力を発揮するための緊張との向き合い方やストレスの捉え方、感情調節の重要性などについて、心理学的知見をもとに実践的に解説。また、講義の終盤では、川田准教授が現在進めている「ハイパフォーマンスブレイン(高いパフォーマンスを生み出す脳)」に関する研究についてもレクチャーがあり、国際レベルのアスリートの脳の特性や、脳のトレーニングやコンディショニングの可能性について、参加者の関心を集めていました。
川田准教授のコメント
ダイヤモンドアスリートは、世界の舞台で活躍することが期待されています。世界で活躍するためには、成長の過程で立ちはだかる壁をいかに超えていくかが重要となります。またその過程で経験する「失敗」を「学び」に変えていくスキルが求められます。講義では、壁を越え続けるための考え方や物事の見方(マインドセット)についてディスカッションを通して理解を深めていきました。また、彼らのようなハイパフォーマンスを実現している人の脳「ハイパフォーマンスブレイン」の研究成果も紹介しました。興味深いことに、世界レベルの選手は少ない脳部位と脳活動で優れたパフォーマンスを実現できることが明らかになっています。こうしたハイパフォーマンスブレインの実態を解明し、そのトレーニング方法とコンディショニング方法を明らかにしていこうとしています。これらの取り組みを通して選手やコーチなどのスポーツに関わる人々をスポーツサイエンスの力でサポートしていきたいと考えています。
スポーツ健康科学部での取り組み
本学部では、川田裕次郎准教授がスポーツ心理学や研究方法論に関する授業・ゼミナールを担当しており、「ハイパフォーマンスブレイン」などの最先端研究を活かした実践的な教育・研究支援を行っています。
今後も本学では、スポーツ現場に貢献する先進的な研究と教育活動を積極的に展開してまいります。
注釈
- ダイヤモンドアスリート制度について
詳細は、日本陸上競技連盟ダイヤモンドアスリート特設ページをご覧ください
https://www.jaaf.or.jp/diamond
- ダイヤモンドアスリート第8期認定ニュース
第8期新規認定アスリート 1500m/3000mU20日本記録保持者の佐藤圭汰・110mハードル日本高校記録保持者の西徹朗に決定!
https://www.jaaf.or.jp/news/article/15963