卒業生インタビュー

2023.10.01 (Sun)

#02 空の安心と快適を提供する、客室乗務員としての姿勢 I.Oさん(勤務先:全日本空輸株式会社)

「伝わらない」体験から得た、コミュニケーションの本質とは――


I.O さん

2020年3月卒業(第2期生)

所属ゼミ:大野ゼミナール「医療コミュニケーションゼミナール

勤務先:全日本空輸株式会社

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――現在のお仕事についてお聞かせください。

全日本空輸株式会社で客室乗務員として国内線、国際線ともに乗務をしています。機内の安全を守ることはもちろん、お客様に品質の良いサービスを提供できるよう、自分の見た目や振る舞いが与える印象には常に気をつけています。また上空という特殊な環境や時差がある中、自分のベストな状態で働けるようにするためには体調管理が欠かせません。限られた環境での業務は大変ですが、お客様に喜んでいただけたときはやりがいを感じます。

――国際教養学部を志望された理由は?

高校時代は英語やコミュニケーション学を専門に学びたいと思い、英文科や国際系の学部がある大学を探していました。その折に順天堂大学の国際教養学部が新設されたことを順天堂大学出身の先生から聞き、興味が湧いたことがきっかけです。その後、大学を訪れた際に先生の人柄の暖かさや、細やかな配慮が感じられる少人数教育の環境、英語以外にも他大にはない医学や社会学などの分野を学べる幅広さを知って、ここでなら自分の将来の可能性を広げられると感じ志望しました。

 

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――印象に残っている大学の学びは?

対人コミュニケーションの授業で行った課題が印象に残っています。先生が描いた絵を自分だけが見て、それを言葉で他の人に伝えて同じ絵を描いてもらうものです。一生懸命、特徴を描写しようとしたのですが、特徴どころかそもそも人によって絵を描き始める位置や絵の大きさも異なるため全く思うような形になりません。結局、似た絵を描けた人は誰もいませんでした。この経験を通して、自分の考えを相手に伝わるように伝える難しさを痛感し、相手の立場を考えた伝え方をすることが重要だと気付きました。

――大学での経験は、どのように現在の仕事に活かされていますか?

自分の話が相手に伝わるだけでなく、相手の伝えたいことを理解するにはどうすればよいのか。大学時代に考え続けてきたことが、現在の仕事にも活かされていると感じます。私が特に意識しているのは、お客様や共に働く乗務員とのコミュニケーションです。業務では様々な背景を持った人との連携が多く、伝達ミスが大きな問題につながることもあります。そのため小さな事柄でも丁寧に伝え、相手の指示に真摯に耳を傾けるなど、円滑なコミュニケーションができるよう心掛けています。

 

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――Oさんにとって「グローバル市民」とは何でしょうか。

人と人との関係をより良くするために努力し、相手を理解しようと歩み寄れる人が「グローバル市民」だと思っています。「相手はこう思っているだろう」と決めつけるのではなく、相手はどう思っているのかと何度も問い続け、そのたびに相手との関わり方をより良い方向にアップデートする。そうした姿勢こそが、「相手を理解する」こと、ひいてはコミュニケーションの本質なのだと考えています。

 

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――最後に、国際教養学部を志望する高校生にメッセージをお願いします。

心身の健康と自分自身を大切にする気持ちを忘れないでほしいと思っています。現代はあらゆる価値観や情報に溢れていて、辛いことや、悩んでしまうような情報に触れてしまうこともあります。「体が資本」という言葉の通り、私自身は客室乗務員として良いサービスを提供するため、まず自分自身の体と心を整えるようにしています。同じようにまず自分自身を大切にすることではじめて、相手を大切にする視点が生まれるのだと思います。

 

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