スタッフ紹介、研究、業績等、順天堂大学大学院脳疾患連携分野研究講座に関する様々な情報をご案内します。

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教室紹介


  当研究室は、さまざまな悪性脳腫瘍において遺伝子変異の解析を中心としたTranslational Researchを進め、臨床への応用を目指した基礎研究を推進することを目的としています。

脳腫瘍は、希少がんであり、がん全体の5%以下ですが、もっとも悪性度の高い脳腫瘍である膠芽腫(Glioblastoma, GBM)は5年生存率が10%以下と全てのがんの中でも最も予後の悪い難治性のがんのひとつです。また小児脳腫瘍は小児悪性新生物の中では約20%を締め、白血病についで2番目に多いがんです。2016年5月に世界保健機構(WHO)による脳腫瘍分類が改訂され、それによると本分類に含まれる原発性脳腫瘍は155種類と、極めて多岐にわたります。これらの腫瘍はそれぞれ病態も予後も異なるため、正確な診断を行い、個々の症例にあった新たな治療法を開発していくことは極めて重要です。特に2021年刊行の新しいWHO分類 (CNS5) では分子診断の占める比重がさらに高くなり、これを日常の診療にどのように取り入れていくかは大きな課題です。当研究室ではアンメットメディカルニーズ(希少がん・難治がん)の一つである成人と小児の悪性脳腫瘍に対し、WHO診断基準にもとづく分子診断法を開発し、全国的な脳腫瘍研究のネットワークを構築して分子診断が臨床に応用できる体制を作るとともに、分子解析により得られたゲノム情報に基づく個別化治療の実現と、新規標的治療の開発を目指しています。

これらを可能にするためには、臨床と基礎研究の密接な連携に基づくTranslational Researchが不可欠です。当研究室は2011年に国立がん研究センター研究所脳腫瘍連携研究分野として発足し、2021年からは順天堂大学脳疾患連携分野研究講座として研究を継承しております。国立がん研究センター研究所時代に発足させた胚細胞腫ゲノム解析コンソーシアム (iGCT Consortium)、日本小児分子脳腫瘍グループ (JPMNG) など全国的な脳腫瘍ネットワークを継承し、また日本小児がん研究グループ (JCCG)、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG) など成人・小児のがんの臨床研究グループと引き続き連携してオールジャパンの体制で脳腫瘍研究に当たっており、研究の成果をいち早く臨床に応用できる共同研究体制づくりを目指しています。

本研究は「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」(令和3年3月23日)に準拠した研究計画書「悪性脳腫瘍の新たなバイオマーカー及び分子標的の探索とそれらの臨床応用に向けた多施設共同研究による遺伝子解析」に基づいて、順天堂大学研究倫理審査委員会により研究実施許可を得て行われております(研究課題番号:M20-0295)。研究概要についてはこちらからダウンロードできます。

脳腫瘍遺伝子解析_研究概要 


 
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