順天堂大学大学院医学研究科 画像診断・治療学

教授挨拶

椎名 秀一朗

順天堂大学大学院医学研究科画像診断・治療学のホームページをご覧いただきありがとうございます。

大学院医学研究科 画像診断・治療学 教授
医学部 消化器画像診断・治療研究室 教授(併任)
医学部附属順天堂医院 消化器内科 教授(併任)

椎名 秀一朗

当教室は主に消化器領域の画像診断(gastroenterological imaging)と、肝がんのAblation(ラジオ波治療:RFAおよび新世代マイクロ波治療:MWA)を中心とする非外科的低侵襲治療(interventional oncology)を担当しています。

2012年12月の教授就任以来、肝がんに対するラジオ波治療(RFA)は、2013年から2019年まで7年連続でトップの症例数となりました。多くの大学病院やがんセンターなどから治療困難な患者を紹介されており、全国各地からだけでなく海外からも治療を求める患者が来院しています。大腸がんや胃がんの肝転移のラジオ波治療も増加し、転移性肝がんでも10年以上の生存が多数存在しています。

また肝がんの領域で近年注目される新世代マイクロ波治療の導入にも積極的に関与し、2017年1月に本邦で初めてEmprint(Covidien社)の新世代マイクロ治療を実施し、これまで最多の症例を治療しています。ラジオ波治療と新世代マイクロ波治療はAblationとして表記されるようになっています。

ラジオ波治療は全国1,400以上の施設で実施されており標準治療となっていますが、外科手術以上に、術者の技術や設備機器などによる施設間格差が問題となっています。格差解消のため、2013年より他施設のドクターに門戸を開いたRFAトレーニングプログラムは、2018年より新世代マイクロ波焼灼術(MWA)もプログラムに取り入れ、IVO(RFA & MWA)トレーニングプログラムとし、国内版は2020年2月現在、14回を実施し全国各地から237名が受講、国際版International IVO Training Programは計7回で海外から111名が受講しています。

当教室はアンギオ班と呼ばれていた時期もあることからわかるように、肝動脈化学塞栓術(TACE)や肝動注化学療法(HAIC)など、血管造影を利用したvascular interventionでも伝統があります。肝動注化学療法(HAIC)等では本邦でトップを争う実績をもつ永松洋明准教授が中心となり、vascular interventionを実施しています。バルーンTACEや球状塞栓物質(ビーズ)を用いたTACE、簡易リザーバーを用いた短期肝動注化学療法なども積極的に実施するようになりました。

また、最近では分子標的薬にも力を入れており、現在では本邦でもトップクラスの症例数となっています。当教室で得意とするAblationと分子標的薬を組み合わせることにより新たな治療戦略を構築しようとしています。

2018年5月には、APASL STC Yokohamaをパシフィコ横浜で”HCC:Strategy in the New Era”をテーマに主催しました。109の招待講演に加え472の一般演題を集め、37か国から912名が参加し、演題数および参加者数は「肝癌」をテーマとした国際学会としてはこれまでで最多のものとなりました。

2020年10月には、世界最大の症例数と市場規模を持つアジアのablation学会、ACTA 2020 TOKYO(7th Asian Conference on Tumor Ablation)を、“Lead the world”をテーマに開催します。
*新型コロナウイルスの感染拡大により中止となりました。

低侵襲治療(Interventional oncology)は今後益々必要とされる、大きな可能性を持つ領域です。私たちはinterventional oncology を中心とした集学的治療体系を構築し、がん治療のパラダイムシフトを引き起こしたいと考え、消化器領域のinterventional oncologyのメッカとして各国から研修希望者が集結するような教室を目指してきました。これまでに世界各国から多くの医師や医療従事者を受け入れています。