順天堂大学医学部生理学第二講座

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研究内容

はじめに

生体を構成する主要成分であり、生命現象を支える機能素子であるタンパク質は、細胞内で絶えず合成と分解を繰り返しており、きわめて動的なリサイクルシステム〈循環=再生処理システム〉を構成しています。この新陳代謝の主役であるオートファジー(自食作用)は、栄養素の確保や細胞内に生じた不良品・不用品の効率的な除去のために積極的に作動されます。オートファジーは、栄養飢餓に応答して激しく発動される非選択的なタンパク質分解システムとして真核生物の(自己タンパク質を壊してアミノ酸を供給する)究極的な生存戦略とみなされてきました。しかし、最近の研究により低いレベルで起こっている恒常的で選択的なオートファジーが神経変性疾患や癌の発症を防いでいることが明らかになりつつあります。

私たちの研究室では、“選択的オートファジー”という新概念を確立すると共にオートファジー減弱に伴う異常タンパク質やオルガネラの蓄積がヒト老人性疾患の起因となることを明らかにしてきました。本プロジェクトでは、選択的オートファジーに関わる研究を包括的に推進し、その分子機構と病態生理学的意義の解明を目指しています。

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