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2020.03.31 (TUE)

順天堂 小児外科における「ロボット支援手術」について

~ 子どもたちに、より安全・安心の手術を ~

順天堂小児外科(順天堂医院院長:髙橋和久、小児外科主任教授:山髙篤行)は、わが国で唯一、小児に対し 「ロボット支援手術」(*)を導入している診療科です。同科はダヴィンチCertificate取得医師3名を擁し、ロボット支援手術数は計17例に上ります。その内訳は胆道拡張症手術、腎盂形成術、前縦隔腫瘍切除などです。
ロボット支援手術の最大の利点は、同じ低侵襲手術である腹腔鏡・胸腔鏡手術に比べ、正確で緻密な運針を行うことができる点です。小児の腹腔鏡・胸腔鏡手術では、運針を開腹手術と同等のクオリティで行うことは極めて困難です。しかし、ロボット支援手術を用いることで、小児でも、開腹手術、すなわち外科医の手で行うクオリティと同等の運針・吻合を行うことができるのです。また、ロボット支援手術は、腹腔鏡・胸腔鏡手術と同様に低侵襲手術であり、大人に比べて体力のない子どもにこそ適応されるべきと考えます。開腹・開胸をしないため手術創も目立たないという点で、子どもにとって大変優しい手術といえます。
《順天堂小児外科が取り組むロボット支援手術》
  • 順天堂小児外科の特長
順天堂小児外科は、わが国で唯一、小児外科手術において、ロボット支援手術を導入しています。これまでに、胆道拡張症手術、腎盂形成術、前縦隔腫瘍切除などで、ロボット支援手術を施行しています。同科ホームページで、〔先天性胆道拡張症 手術動画〕、〔腎盂形成 手術動画〕、〔前縦隔腫 瘍切除 手術動画〕 をご覧になれます。
【順天堂小児外科ホームページ】 https://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/shonigeka/
  • 順天堂におけるロボット支援手術
順天堂では、泌尿器科呼吸器外科婦人科大腸・肛門外科消化器・低侵襲外科耳鼻咽喉・頭頸科でも、ロボット支援手術を導入しています。
順天堂のロボット支援手術の累積手術数は1,641例に上り、2018年度においては、わが国最多の563例に上ります。呼吸器外科では、肺がんと縦隔腫瘍のロボット支援手術数(2018年度)はわが国最多を誇ります。

《今後の展開》

大人の手術では主流になりつつあるロボット支援手術。しかし、小児外科手術では未だその認知度は低いのが現状です。わが国で唯一、小児に対し 「ロボット支援手術」を導入している順天堂小児外科は、ロボット支援手術の更なる展開を推し進め、一人でも多くの子どもに、より安全・安心の手術を提供できるように努めていきます。

《お知らせ》

本年4月下旬に、特集記事「低侵襲手術のトップランナー 小児最先端外科医療の拠点 順天堂小児外科」を順天堂特設サイト「CO-CORE」で公開します。順天堂小児外科が取り組むロボット支援手術の最新情報を、山髙篤行先生によるダヴィンチ解説映像も織り交ぜ、お伝えします。
【順天堂CO-CORE】 https://www.juntendo.ac.jp/co-core/
*ロボット支援手術
ロボット支援手術は、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を使って行う手術です。患者の腹部に小さな穴を開けてカメラや手術器具を挿入する腹腔鏡手術を進化させたもので、より高いレベルの手術ができ、従来の開腹手術などから急速にシフトが進んでいます。

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