柴田さん
#07

順天堂医院医療保険室

柴田さん

※所属部署は取材当時のものです

経験を活かし、より大きな医療機関である順天堂での勤務を志望

柴田さん

本学事務総合職に応募した経緯を教えてください。

前職のクリニック勤務を経て、医療業界での事務職に対する興味が深まり、特定機能病院のような、より大きな医療機関での仕事を経験したいと考えるようになりました。また、前職の院長が順天堂医院の総合診療科出身で、「順天堂は医師・看護師・コメディカル・事務系職員といった職種間の垣根が低く、協働して業務にあたりやすい風土がある」というお話をうかがっていたため、そういった職場環境にも魅力を感じました。事務総合職として様々なことにチャレンジできる環境があると考えて入職を決め、その中で特に順天堂医院での勤務を志望し、現在に至っています。

現在の部署の仕事やご自身の担当業務などについて教えてください。

医療保険室は現在、医師を含めて8名で構成されており、主に当院における診療報酬請求書(レセプト)や施設基準の点検ならびに、診療報酬審査機関からの疑義照会対応を行っています(※1)。

医師や看護師をはじめとした医療に従事する教職員は、医療を提供するにあたって専門的な知識を持ったプロフェッショナルですが、必ずしもその請求ルールに精通しているとは限りません。当室では医師、看護師、コメディカル、事務職員からなる保険担当医会を中心に、実際の診療行為とその請求を繋ぐ役割を担い、順天堂医院の診療報酬請求ならびに施設基準を適正に保つべく、業務にあたっています。

病院が診療を行った際の対価(診療報酬)を保険請求する上では、遵守すべきルール(健康保険法に基づく診療報酬点数表)が定められています。遵守すべきポイントは大きく以下の2つのタイプに分けられ、それぞれに対して点検業務を行っています。

①病院が診療報酬を請求する上で必要な人員配置、設備等の基準(施設基準)を満たしているか

②行った診療行為を診療報酬点数表の定めに則り適切に請求しているか

当院は国内でも有数の規模を誇る医療機関であり、診療報酬請求額も極めて大きいため、ルールを逸脱した過剰請求や、病院に不利益の生じる過少請求がもたらす影響も甚大です。このような誤った請求が行われることの無いよう日々点検を行っており、責任感と共にやりがいを感じています。

(※1)診療報酬請求の流れや施設基準については過去のインタビュー記事の注釈をご参照ください。

辿ったキャリアが現在に活きる

柴田さん

入職後は希望の病院勤務に配属となり、 その後はどのようなキャリアを辿ったのでしょうか。

入職後、初配属となったのが現在も所属している医療保険室です。入職3年目には異動があり、その後5年間は医事課で主に入院計算業務を経験しました。これにより、多職種協働による診療から請求に至るまでの流れが、より現場に近い部署で具体的に理解できました。再度医療保険室に配属となった現在、この経験は大きく役立っています。

また、医事課在籍時に順天堂附属病院全体での医事業務勉強会の事務局を担当したことも印象に残っています。各附属病院の医事業務に従事する職員と、共通の業務に関する意見交換をすることで業務視野が広がったことに加え、職員間交流を深めることができたことで、日々の業務の中でも困ったことがあれば気兼ねなく相談し合う環境が構築できました。

現在も、各附属病院の職員とは頻繁に情報交換を行っており、業務を行う上で大変心強い存在となっています。

所属されている部署では どのような職員が必要とされていますか。

学び続けようとする姿勢を持つ事が重要だと感じます。当室では、業務上、診療報酬点数表に対する理解度が必要になってくるのですが、診療報酬点数表は2年に1回の法改正(診療報酬改定)(※2)において大きく変更されるため、常に知識の更新が求められます。そのため、過去に学んだ内容がいつまでも通用するわけではなく、積極的に知識をアップデートしていくことが大切です。また、変更された内容を医師や看護師をはじめとした多職種間で共有するためのコミュニケーション能力も重要になってきます。

過去に学んだ内容や経験に縛られず、新しい情報に興味を持つことや、他職種とのコミュニケーションに対して積極的な姿勢であることが活躍に繋がると考えています。

(※2)診療報酬改定については過去のインタビュー記事の注釈をご参照ください。

1日の業務スケジュール例

1日の業務スケジュール例

従来、診療報酬関連業務は専門的な知識や経験の蓄積が求められる機会も多く、特に施設基準管理については少人数の担当者に依存する環境に陥りやすく、属人化が大きな課題となっていました。

これを解消するため、一昨年より他部署と共同で施設基準管理システムを導入・運用を開始しており、未だ課題はありますが、多くの人が代わりを務められる環境作りを進めています。適正な診療報酬請求を将来にわたって継続出来る体制を日々整備しています。

多職種間を繋ぐ、事務総合職という役割

柴田さん

順天堂の事務総合職を志望している方にメッセージをお願いいたします。

順天堂は大学の他に6つの附属病院を有しています。病院は我々事務総合職を含めた事務系職員だけでなく、医師や看護師をはじめとした多職種による協働で運営されており、各附属病院に多くの事務総合職が勤務し、多職種間を繋ぎ業務を円滑にする役割を担っています。

事務総合職を志望される方の中には、病院での勤務がどのようなものなのかイメージがつかめなかったり、不安を持たれたりする方もいらっしゃるかもしれませんが、病院勤務未経験であっても、気軽に相談・サポート出来る環境が整っていますので、ぜひチャレンジしていただければと思います。

プライベートの過ごし方

家族で旅行に行ったり、夏には趣味の音楽フェスのために遠方へ出掛けたりしています。また、最近はコロナ禍のため中断していたスポーツジム通いを再開しました。小学5年生になる娘を遊びに連れて行くのに、体力的についていけなくなってきたので体力作りを頑張りたいと思っています(笑)