05 活動報告

2014.12.01

平成25年度韓国UNIST春期研究短期留学に池田恒基君、山田泰平君が参加しました

基礎研究医養成プログラムでは、所属研究室での活動実績や英語能力により選抜した学生に対し、海外での短期研究留学の旅費支援を行っています。今回、生化学第一講座横溝岳彦教授の紹介により、韓国UNIST(Ulsan National Institute of Science and Technology)への留学が実現し、2014年3月10日~25日の16日間、当プログラム登録学生2名が参加しました。

留学体験記

池田恒基君

今回指導を受けたDr.スンシルは、beige adipocyteの役割について研究を行っているため、私はwhite adipocyte、brown adipocyte、beige adipocyteに関する実験を行いました。RNA・DNAの抽出、RT-PCR、細胞培養、ウエスタンブロッティングといった手技を教えていただき、細胞を培養して刺激薬により分化させ、その細胞に発現する遺伝子・タンパク質を定量しました。私は普段タンパク質に関する実験を多く行っており、核酸を扱う実験を行う機会があまりなかったため、今回習得したことが自分の研究を進める上で非常に役立っています。また、コミュニケーションのための英語力の重要性を痛感しました。今後はこの問題を改善し、これからも海外留学に参加したいと思います。

山田泰平君

私はDr. Pann-Ghill Sueの研究室に所属し、ウエスタンブロット、免疫染色、RT-PCRなどを一通り学びました。Dr. Sueの研究室では、シグナル伝達経路において大切な役割を果たすリン酸エステル基の直前でリン脂質を切断する酵素群であるphospholipase C(PLC)を中心とした研究が行われており、PLCの中でもγ1、β1、β4のノックアウトマウスを用いた様々な実験が行われていました。UNISTでは、高額な機器類は各実験室ではなく共同施設に設置されており、それらの機器に関するスペシャリストが常駐していて、いつでも相談できる体制になっていました。このスペシャリスト達が研究者向けの施設・機器・ソフトウェアに関するセミナーを開催しており、その多さに驚きました。また、週末には韓国の歴史や文化を学ぶことができました。韓国の分化や習慣はとても日本に近く、親しみを感じました。

UNISTの同年代の学生は、細胞生物学や生化学の教科書を原書で読み、英語論文も難なく読んでいた姿がとても印象に残っています。またUNISTの大学生の宿題の多さにも驚かされました。英語が母国語でないという同じ境遇にありながら、自分は国際舞台で活躍する準備と努力がまだまだ足りないと自覚しました。実験に関して、今回習得した方法・手技など、今後の自分の研究に取り入れていきたいと思います。

活動報告写真(1)