05 活動報告

2023.03.30

4年生の安部龍征さんが、アメリカNational Institute of Health (NIH)へ短期研究留学しました

基礎研究医養成プログラムでは、所属研究室での活動実績や英語能力により選抜した学生に対して、海外での短期研究留学の旅費支援を行っています。
今回、老人性疾患病態・治療研究センター 平澤恵理先生のご紹介により、4年生の安部龍征さんが2023年3月4日-3月30日に、アメリカ(ベセスダ)のNational Institute of Health (NIH)、National Heart, Lung, and Blood InstituteのDr. Yosuke Mukoyamaの研究室への短期研究留学を行いました。

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2023.08.20

5年生の安部龍征さんが、アメリカNational Institute of Health (NIH)へ2回目の短期研究留学をしました

基礎研究医養成プログラムでは、所属研究室での活動実績や英語能力により選抜した学生に対して、海外での短期研究留学の旅費支援を行っています。
今回、5年生の安部龍征さんが、2023年3月に続き、同年7月22日-8月20日に、アメリカ(ベセスダ)のNational Institute of Health (NIH)、National Heart, Lung, and Blood InstituteのDr. Yosuke Mukoyamaの研究室へ2回目の短期研究留学を行いました。1回目留学時の研究をさらに発展させることができたようです。

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2023.09.30

安部龍征さん 海外留学 体験記

2023年3月4日〜3月30日、7月22日〜8月20日の約8週間、米国メリーランド州のアメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institute of Health)に留学させていただきました。この研究所は米国最大の医学研究拠点であり、国立癌研究所をはじめとした各専門分野を扱う研究所から構成されています。キャンパスは広大で様々な国から研究者が集結しており、分野の垣根を超えたオープンなディスカッションが日々行われています。伸び伸びとした雰囲気の中、楽しく充実した留学生活を過ごせました。

私はNational Heart, Lung, and Blood InstituteのDr. Yosuke Mukoyamaの研究室に所属し、実験の見学・体験をさせていただきました。このラボは神経と血管の発生における分岐パターンに関する研究を行なっており、主な研究手法は蛍光免疫染色を用いた形態学的なものになります。日本でも蛍光免疫染色は行なっていましたが、より綺麗なイメージを撮るための創意工夫が実験過程に詰まっており、とても勉強になりました。また一方で、日本で日頃行なっている実験手法が世界共通で使用されているものであることを知り、多少の手法の差はありますが日本で習得した技術が留学先でも生きるのだと分かり、帰国後も引き続き実験スキルの向上に励もうというモチベーションが湧きました。

今回の留学で痛感したのは、少しの発想の転換や、人には無い新しい着眼点を持てるか否かで研究の質は大きく変わるということです。NIHにはその道のトップランナーの研究者の方々がいらっしゃいますが、彼らが特別な実験手法を使用しているのかといいますと、そうではないことがほとんどです。共通しているのは「これってどういうことだろう、何なのだろう」といった些細な疑問から始まり、その答えを粘り強く探し続け、その過程で大きな発見をするといったまさにセレンディピティを経ている点であると思います。お世話になったDr. Mukoyamaが「世の中にはがむしゃらにハードワークすることで良い雑誌に掲載されているような研究もあるけど、本当に面白い発想をしたり、新たな着眼点から実験をしている研究は少ない」とおっしゃっていたのが印象的でした。NIHの研究者の方々は日々忙しく働いてらっしゃる一方で、他の研究者の方々と一緒にご飯に行ったり、旅行してプラベートを充実させたりと、オンオフをしっかり切り換え、人とinteractionする時間をとても大切にしていました。勿論研究においてハードワークすることはとても重要ですが、日本ではあまり見られない、こうした頭のどこかに余力を残している姿勢が、柔軟な発想や新たな発見に繋がるのではないかと考えました。

今回の留学では平澤恵理教授、Dr. Mukoyama、老人性疾患病態・治療研究センター・基礎研究医養成プログラム・NIHの先生方をはじめ、様々な方々にご支援いただきました。心より御礼申し上げます。

この留学で得た経験を将来に生かせるよう研鑽を積んで参ります。

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